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鹿島と千葉大、生物多様性保全に配慮の屋上緑化技術「屋上はらっぱ」を共同開発

2013-10-30

生物多様性に配慮し循環型社会の実現を目指す
新しい屋上緑化技術「屋上はらっぱ」を共同開発


 ・リサイクル資材を用い地域独自の草地を再生する「屋上はらっぱ」を千葉大学けやき会館屋上に設置
 ・公益財団法人日本デザイン振興会が主催する2013年度グッドデザイン賞を受賞


 鹿島建設株式会社(社長:中村満義)、国立大学法人千葉大学(学長:齋藤康)は、共同で地域の生物多様性保全や循環型社会実現に貢献できる市民参加型の新しい屋上緑化技術「屋上はらっぱ(商標登録出願中)」を開発し、千葉大学けやき会館屋上に設置しました。

 ※参考資料は添付の関連資料を参照

 「屋上はらっぱ」は、近年減少しているまちなかの空き地などの草地を、近隣植生と日用の廃材により整備する市民参加型の新しい屋上緑化デザインです。従来、自動潅水装置やプラスチック製資材を用い、樹林の形成を目的とした画一的な屋上緑化が普及していますが、コストや維持管理荷重等の課題があり、市民のデザインや施工への参加も限られています。今回開発した屋上はらっぱは、市民が地域生態系の調査、リサイクル資材の収集、デザイン、施工を実施し、自らが「緑」を作る楽しさを体験できる、環境に配慮した低コストで軽量な屋上緑化工法です。また、このような屋上は、ヒバリやスズムシなど草地を好む生物の貴重な生息空間となり、生物多様性にも貢献できます。


<屋上はらっぱの特長>

 日本の都市域では河原や空き地などが減少したため、明治期と比較して草地が大きく減少しています。その結果、ヒバリやスズムシ、エンマコオロギなど樹林よりも草地を好む生物が減少し、絶滅危惧種となった種も増えています。屋上はらっぱは、既存建物屋上の未利用空間に周辺地域から採取した植生種子を用いて地域固有の草地を復元しています。これにより、各地域の特性に応じた草地を都市の屋上に新たに創出し、地域の生物多様性保全に貢献することが出来ます。
 また、屋上はらっぱに使用する材料は、再生可能な資源もしくはリサイクル材です。建設産業から発生するコンクリートや瓦の再生資材、日常生活から発生する古着や、乗用車の廃タイヤを再利用することで、ゴミやコストの削減を実現し、循環型社会の形成に資する新しい屋上緑化を提案しています。加えて、耕作放棄地の萱や荒れた山の竹を排水材として利用することで、耕作放棄地や竹害防止に寄与しています。


 ※参考画像は、添付の関連資料を参照


<2013年度グッドデザイン賞受賞>

 共同で開発した「屋上はらっぱ」は、このほど公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2013年度グッドデザイン賞」を受賞しました。「グッドデザイン賞」は、財団法人日本産業デザイン振興会が主催する総合的なデザイン評価・推奨制度で、50年以上続く日本を代表するデザインアワードです。
 今回の受賞に関しては「きれい過ぎない慣れ親しんだ空き地に見るような自然の姿が、人に緑化の本当の意味と自然のありがたみを伝える力があると感じる。(審査員講評を抜粋して引用)」といった点が高く評価されました。

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