Article Detail
大日本印刷と丸善、千葉大内で大学向け教材開発の共同研究を開始
大日本印刷・丸善
紙と電子を組み合わせた大学向け教材開発について千葉大学にて共同研究を開始
大日本印刷株式会社(以下:DNP)と丸善株式会社(以下:丸善)は、国立大学法人千葉大学内の研究施設を拠点に、これからの大学教育の質の向上を目指して、紙と電子を組み合わせた教材に関して、企画や編集、版権処理や制作方法などの共同研究を開始します。
授業の予習・復習やテーマを掘り下げた学習に向け、有効な図書や学術論文、ウェブサイトの情報などを活用した教材を印刷物や電子コンテンツとして円滑に制作するため、丸善の学術書編集に関する知見と、DNPのコンテンツ制作のノウハウなどを組み合わせていきます。
【共同研究開始の背景】
授業内容と合致しない記述が多いなどの理由で、大学の教科書(学術専門書)の販売部数や利用頻度が減少傾向にある一方、授業内容に合わせて教員がオリジナル教材を作成して学生に配布するケースが増えています。千葉大学は「アカデミック・リンク構想(※)」を掲げ、教材のデジタル化のほか、教員の授業スタイルに合わせた紙や電子の教材の開発や、販売も視野に入れた教材の円滑な流通のためのサービスモデルの構築など、新たな学習環境の整備に取り組んでいます。この取り組みに必要な企画や編集、版権処理、最適なデータフォーマットや制作ルールの策定などの専門ノウハウを有するDNPと丸善が、今回千葉大学と共同で研究を開始することとしました。DNPと丸善は、この共同研究を通じて、新しい教材開発サービスの提供に向けた検証を行います。
※千葉大学のアカデミック・リンク構想について
千葉大学において、「生涯学び続ける基礎的な能力」「知識活用能力」を持つ『考える学生』を育成するために、附属図書館、総合メディア基盤センター(現 統合情報センター)、普遍教育センターが協力して推進する、教育・学習のための新しい構想。この構想に基づく「『学習とコンテンツの近接』による能動的学習」の実現に向け、学生自らが問題意識を持って自発的に学べるように、学習環境とコンテンツ提供環境を一つにする試みに取り組んでいる。
【共同研究の内容】
DNPと丸善は、千葉大学内の研究施設;「ハイブリッド教材研究プロジェクト」に研究員を派遣し、次のテーマについて共同研究を行います。
・教員のニーズ調査
教材に必要な資料や素材などのデータ収集方法に関する調査。
・版権処理の現状把握
現在教員が作成している教材の版権処理に関する実態の把握。
・電子化のためのデータフォーマット策定と表現範囲の設定
デジタル教材に最適なデータフォーマットの策定と必要な機能、リッチコンテンツ(音声・動画等)の表現方法など、各種条件を設定。
・制作ルールの策定
版権処理や表現方法なども含めた、データ制作に必要なルールの策定。
・制作した教材の評価
策定したルールに基づいて教材を試作し、千葉大学の教員や学生からの評価結果や要望を集め、実用的な教材作りのノウハウを蓄積。
【今後の展開】
DNPと丸善が2015年7月までに数種類の紙と電子の教材を制作し、授業での利用状況や効果検証を行います。両社は、今回の共同研究の成果を踏まえたビジネスモデル(仕組みと人的支援)を2016年度までに事業化し、大学から教材開発センターとしての機能を受託することで、2018年度に20億円の売上を目指します。
なおDNPと丸善は、10月29日(火)〜10月31日(木)にパシフィコ横浜で開催される「第15回図書館総合展<http://www.libraryfair.jp/>」のDNPブースで本プロジェクトのコーナーを設置します。また、本展示会のフォーラムでこのプロジェクトの概要、計画及び進捗状況を説明いたします。
・日時
10月31日(木)13:00−14:30
・場所
パシフィコ横浜 アネックスホール第二会場
・タイトル
『千葉大学アカデミック・リンク・センターにおけるハイブリッド教材研究プロジェクト』
・講師
長丁光則(千葉大学客員教授、大日本印刷株式会社)
参加申込先<http://www.maruzen.co.jp/edu/libforum2013/index.html>
大日本印刷株式会社 本社:東京都新宿区 社長:北島義俊 資本金:1,144億円
丸善株式会社 本社:東京都港区 社長:松尾英介 資本金:1億円