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東北大など、災害による孤立地域からの情報発信を容易にする通信技術を実証

2013-09-03

災害による孤立地域からの情報発信を容易にする通信技術を実証
(「スマホdeリレー」と小型無人飛行機中継システムの接続実験に成功)


 国立大学法人東北大学大学院情報科学研究科(兼電気通信研究機構)の加藤寧教授、西山大樹准教授らの研究グループと、独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」)ワイヤレスネットワーク研究所ディペンダブルワイヤレス研究室(室長:三浦龍)は、平成25年7月、東北大学が研究開発を行っている通信システム「スマホdeリレー」と、NICTが所有する「耐災害ワイヤレスメッシュネットワーク実験設備」の一部である「小型無人飛行機中継システム」の接続実験に成功しました。
 本実験では、東北大学青葉山キャンパス(宮城県仙台市)を災害による孤立地域と見立て、地上では孤立集落や避難所周辺での利用を想定したスマホdeリレー(Wi−Fiを使用したスマートフォン間でのメールリレー)を展開する一方、上空を旋回する小型無人飛行機による中継システムと接続することで、外部地域と見立てた東北大学片平キャンパス(宮城県仙台市、青葉山キャンパスから約3kmの距離)までメールを送信することを試みました。その結果、青葉山キャンパスのユーザから送信されたメールが、複数のスマートフォンでリレーされ、さらには小型無人飛行機も経由することによって、最終的に片平キャンパスまで数秒で到達することが確認されました。さらに、最大で1MB程度のファイル転送が可能であることが確認されました。
 今回の実験で実証された通信技術は、上空では小型無人飛行機が自由自在に飛行して広範囲に点在する地上局間を接続する一方、地上ではスマホdeリレーが地上局周辺エリアに柔軟にネットワークを形成することを可能にするもので、災害による孤立地域などにおける一般ユーザからの情報発信を容易にする有力な手段として期待されます。
 なお、東北大学の研究グループは総務省受託研究事業「無人航空機を活用した無線中継システムと地上ネットワークとの連携及び共用技術の研究開発」の一環として、スマートフォンと無人飛行機を使った通信技術の研究開発に取り組んでおり、今回の実験でスマホdeリレーと小型無人飛行機中継システムの接続に初めて成功しました。

<成果の概要>

 ※添付の関連資料を参照

<今後の展望>
 今回の実験では、小型無人飛行機を定点旋回させて地上局との無線回線が安定的に接続された環境で実施しました。今後は、小型無人飛行機が広範囲を飛行することで地上局との無線回線接続が断続的になる場合や、複数の小型無人飛行機を経由してデータをリレーする技術などについて研究開発を実施していきます。

<参考情報>
 1. 2013年2月21日発表、http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2013/02/press20130221-06.html
    「スマートフォンのWiFiだけで市街地2.5kmのメッセージリレーに成功(実用化に大きく前進)」
 2. 2013年7月17日発表、http://www.nict.go.jp/press/2013/07/17-1.html
    「災害時に備えた、長距離“無線通信”の性能を実証」
 3. Youtubeビデオ公開、http://www.youtube.com/watch?v=4_d7lJDzYt0
    「“スマホdeリレー”圏外でもメール送信可能で災害時に期待」

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