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富士経済、最先端ヘルスケア機能性素材の国内市場調査結果を発表

2013-01-23

化粧品や医薬品・医薬部外品、トイレタリーなど、製品化のキーとなる
機能性素材の国内市場を調査

■保湿を訴求した化粧品用途を主体に市場形成される"プロテオグリカン"
  2014年の市場は2011年比2.2倍の3.1億円


 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、2012年9月から11月にかけ、化粧品、医薬品・医薬部外品、試薬・培地、再生医療、トイレタリーなど、製品化のキーとなる原材料(有効成分や添加物などの機能性素材)の国内市場を調査した。
その結果を報告書「最先端ヘルスケア機能性素材市場・技術の現状と将来性 2013」にまとめた。

 この報告書では、有効成分や添加物などの機能性素材40品目を対象に最新動向を調査・分析し、その内、34品目については市場の現状と将来を予測した。


<注目市場>

1.プロテオグリカン
     2012年見込   11年比    2014年予測   11年比
      1.8億円    128.6%    3.1億円    221.4%

 プロテオグリカンは、コアタンパク質にグリコサミノグリカンと呼ばれる糖鎖が1〜100本以上共有結合した糖タンパク質複合体であり、糖鎖の種類によって幾つかの種類がある。従来は牛の気管軟骨、豚皮、ニワトリのトサカなどから抽出していたが、新たな抽出技術が開発され現在はサケ鼻軟骨から高精製プロテオグリカンの大量抽出が可能となっている。
 プロテオグリカンの研究は弘前大学が1970年代より開始しており、1998年からは青森市の商社"角弘"と共同で化粧品や健康食品などへの応用研究が進められている。作用に関しては関節系に対し軟骨前駆細胞増殖や軟骨分化の促進、軟骨石灰化抑制が期待され、美容系に対しEGF様作用(保湿及び美白、抗シワ)のほか、線維芽細胞増殖やヒアルロン酸産生、I型コラーゲン産生の促進が期待される。
 2012年の市場は前年比28.6%増の1.8億円が見込まれる。弘前大学や角弘と共に素材研究を続けてきた一丸ファルコスが市場を牽引している。一丸ファルコスは2009年に化粧品向けを、2010年には健康食品向けを発売している。化粧品では「LaboLaboスーパーモイストローション」(ドクターシーラボ)、健康食品(サプリメント)では「II型コラーゲン+プロテオグリカン」(DHC)に採用されるなど、採用が広がりつつある。
 プロテオグリカンは素材ビジネスの歴史が浅く、エビデンスに関する情報発信や知名度向上に向けた取り組みが積極的に行われており、今後は知名度の向上と共に、特に保湿訴求の化粧品用途を中心に市場拡大が予想される。また、医療分野では骨粗鬆症をチェックするマーカーや病者用食品、抗炎症剤などへの採用が期待される。


2.ピロクトンオラミン
     2012年見込   11年比    2014年予測    11年比
      8.8億円    117.3%    11.0億円    146.7%

 ピロクトンオラミンは、皮脂の酸化抑制や殺菌作用を有する成分である。光や熱に対して安定的な特性を有し、幅広いpH領域で殺菌作用を発揮する。シャンプーやリンスなどのヘアケア関連製品向けが大半を占める。
 近年市場は、「スカルプD」(アンファー)や「スリーボム」(ジャパンゲートウェイ)など、スカルプケアシャンプーへの採用により拡大している。2011年は前年比29%増の高成長を遂げ、2012年についても前年には及ばないものの二桁成長を維持する見込みである。
 今後しばらくは好調なスカルプケア製品向けが牽引し、市場は右肩上がりの状況が続くと予想される。また、ピロクトンオラミン単体だけでなく、頭皮の肌荒れ防止効果を有するグリチルリチン酸二カリウムなど、ほかの頭皮ケア素材との組み合わせ提案で更なる需要開拓が進められていくと見られる。


3.D‐マンニトール
     2012年見込   11年比     2014年予測    11年比
      32.5億円   101.6%     33.5億円    104.7%

 D‐マンニトールはショ糖を高圧還元し、精製、結晶化によって製造される6価の糖アルコールで、天然に広く存在し、昆布やキノコ類、干し柿等にも多く含まれる。医薬品では錠剤用の賦形剤、輸液などの浸透圧調整剤として、化粧品では結合剤、香味剤、保湿・湿潤剤、保水剤として、食品ではチューインガム、アメ類の粘着防止剤として使用される。
 市場は2012年に前年比1.6%増の32.5億円が見込まれる。医薬品・医薬部外品向けが90%以上を占める。医薬品では近年開発競争が過熱している口腔内崩壊錠のキー素材として需要が拡大している。食品ではチューインガムやアメ類などに古くから利用されているが、限定的な利用に留まっている。化粧品では潤いを保つ目的で、化粧水や乳液、クリーム、クレンジング、オイル類などに利用されているが、実績は小規模である。その他では試薬や培地の原材料、電解コンデンサなどの電子部品の原料としても利用されている。
 口腔内崩壊錠は水がなくても服用しやすいことから、今後も医薬品メーカーの開発競争は続くとみられ、製品の増加に伴い市場は拡大推移すると予想される。


4.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
     2012年見込   11年比   2014年予測   11年比
      6.6億円    101.5%   6.8億円    104.6%

 メトキシケイヒ酸エチルヘキシルは、国内で最もベーシックな紫外線吸収剤として化粧品に使用されている。サンスクリーンをはじめ、近年は消費者の美白意識の高まりと共に乳液やUVケア化粧品、ファンデーションなどでも採用されている。サンスクリーンでは代表的なブランド「アネッサ」(資生堂)に採用されている。
 2012年の市場は前年比1.5%増の6.6億円が見込まれる。成熟化している国内化粧品市場の中で、サンスクリーンは継続する美白ブームを背景に比較的堅調に推移しており、サンスクリーン向けを中心とするメトキシケイヒ酸エチルヘキシルの需要も、300t規模で緩やかに拡大している。今後もサンスクリーンをはじめ、UVケア製品の堅調な推移に伴い、市場は微増推移が予想される。


<調査結果の概要>
 機能性素材の国内市場は2012年に505億円

 化粧品や医薬品、食品など、製品化のキーとなる機能性素材34品目の国内市場は2012年に505億円となった。
 化粧品関連では、超微粒子酸化チタンや超微粒子酸化亜鉛、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルといったUVケア関連素材、アルブチン、フェニルエチルレゾルシノール、ハイドロキノンといった美白関連素材が堅調に推移している。化粧品向けは1製品ごとの添加量が少ない傾向にあるため、素材メーカーは複数素材の組み合わせによって効果を高める処方の提案に注力している。素材メーカーは今後幅広い品揃えをベースとした提案力が企業間競争を勝ち抜くポイントになると考えられる。
 医薬品関連では、ポリビニルピロリドン、D‐マンニトール、結晶セルロースなどの口腔内崩壊錠向けが堅調である。新規素材に関しては国内では許認可に長期間を要することから、素材メーカーは需要先を求めて積極的な海外展開が予想される。あらかじめ欧米の規制をクリアする規格で開発を進める素材メーカーは多いが、近年は中国もターゲットのひとつとして位置付けられている。


<調査対象>
 1.ポリビニルピロリドン、2.D‐マンニトール、3.メタクリル酸コポリマーLD、4.アルギン酸ナトリウム、5.ポリアクリル酸ナトリウム、6.ポリ乳酸/ポリ乳酸・ポリグリコール酸共重合体、7.ヒドロキシプロピルセルロース、8.塩化リゾチーム、9.プルラン、10.ジメチルポリシロキサン、11.結晶セルロース、12.L‐アスパラギン酸カリウム、13.流動パラフィン、14.ポリエチレングリコール、15.イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、16.アテロコラーゲン、17.レシチン、18.プロテオグリカン、19.D‐パントテニルアルコール、20.エラスチン、21.フェルラ酸、22.超微粒子酸化チタン、23.超微粒子酸化亜鉛、24.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、25.アルブチン、26.フェニルエチルレゾルシノール、27.ハイドロキノン、28.ルシノール、29.ラウリン酸ジエタノールアミド、30.グリチルリチン酸二カリウム、31.ピロクトンオラミン、32.ヒノキチオール、33.ハイドロキシアパタイト、34.ポリグリコール酸、35.L‐アラニル‐L‐グルタミン、36.特殊アミノ酸、37.リピジュア、38.EGF、39.リベラーゼ、40.オリゴ乳酸


<調査方法>
 富士経済専門調査員による参入企業、関連団体等への面接又は電話によるヒアリング、社内データベースの活用

<調査期間>
 2012年9月〜11月


以上


 資料タイトル:「最先端ヘルスケア機能性素材市場・技術の現状と将来性 2013」
 体   裁  :A4判   233頁
 価   格  :書籍版 120,000円(税込み126,000円)
          PDF版 120,000円(税込み126,000円)
          書籍版・PDF版セット 140,000円(税込み147,000円)
 調査・編集 :富士経済 大阪マーケティング本部 第一事業部
         TEL:06−6228−2020  FAX:06−6228−2030
 発 行 所 :株式会社 富士経済
         〒103−0001東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
         TEL03−3664−5811 (代) FAX 03−3661−0165
         e−mail:info@fuji-keizai.co.jp

 この情報はホームページでもご覧いただけます。
 URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/  https://www.fuji-keizai.co.jp/

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