ＭＭ総研、２０１２年度上期国内携帯電話端末出荷概況を発表

２０１２年度上期国内携帯電話端末出荷概況

■２０１２年度上期出荷台数は前年比１．０％増の２，０４９万台
■スマートフォン出荷台数は前年比４１．６％増の１，４２２万台
■Ａｐｐｌｅが総市場とスマートフォン市場でシェア１位を獲得
■２０１２年度通期は総出荷台数４，２４０万台、スマートフォン３，１１０万台と予測


　ＭＭ総研（東京都・港区、所長・中島　洋）は１日、２０１２年度上期（１２年４月〜１２年９月）の国内携帯電話端末の出荷状況を調査して結果を発表した。総出荷台数は前年比１．０％増の２，０４９万台となった（表１）。ＭＭ総研が調査を開始した２０００年度以降、上期出荷台数として最低を記録した２００９年度上期１，７０４万台より、上期として３年連続の増加を記録した。ＭＭ総研では出荷台数が堅調に推移した要因として、スマートフォンの普及拡大と性能進化による安定した買い替え需要、固定ブロードバンドとのセット割引を含めてキャリア間の販売競争が激化していることの２点であると分析。
　特に、スマートフォン出荷台数は前年比４１．６％増の１，４２２万台となり、総出荷台数に占めるスマートフォン出荷台数比率は６９．４％となった。

◆２０１２年度上期出荷台数１位はＡｐｐｌｅ
　２０１２年度上期メーカー別出荷台数シェアは、Ａｐｐｌｅが２０１１年度下期に続いて半期別では２期連続の１位を獲得。出荷台数は４５７万台でシェア２２．３％となった。
　２位は２０１１年度通期に通期出荷台数として初の首位を獲得した富士通で、出荷台数３６３万台、シェア
１７．７％となった。
　３位はシャープで出荷台数２５４万台、シェア１２．４％となった。以下ソニーモバイルコミュニケーションズ（以下、ソニーモバイル）、Ｓａｍｓｕｎｇ、京セラ、パナソニックモバイルコミュニケーションズ（以下パナソニックモバイル）、ＮＥＣカシオモバイルコミュニケーションズ（以下ＮＥＣカシオ）となった（図１）。

◆２０１２年度上期スマートフォン出荷台数は前年比４１．６％増の１，４２２万台
　２０１２年度上期のスマートフォン出荷台数は前年比４１．６％増の１，４２２万台となり、総出荷台数に占めるスマートフォン比率は６９．４％となった。
　スマートフォンのメーカー別出荷台数・シェアは１位がＡｐｐｌｅ（スマートフォン市場シェア３２．１％）、２位が富士通（同１６．９％）、３位がソニーモバイル（同１１．７％）、以下Ｓａｍｓｕｎｇ、シャープ、ＮＥＣカシオ、の順となった。
　ＯＳ別にみると、Ａｎｄｒｏｉｄ（６７．５％）、ｉＯＳ（３２．１％）の順となった。

◆２０１２年度通期の総出荷台数は４，２４０万台と予測
　ＭＭ総研では２０１２年度下期以降も安定したスマートフォン需要とキャリア間による販売競争が続くものと分析する。その結果、２０１２年度通期の総出荷台数は前年同規模の４，２４０万台に達し、スマートフォン出荷台数は３，１１０万台（前年比２８．７％増）まで拡大。スマートフォン出荷台数比率は７３．３％を占めると予測する。
　２０１２年度下期以降も更なるスマートフォンの性能進化が期待される。クアッドコアＣＰＵ搭載やバッテリーの強化に加え、フルＨＤディスプレイ搭載端末の登場が予測される。サービス市場においては、動画・音楽・書籍などのコンテンツサービスやＥコマース、ＮＦＣ（Ｎｅａｒ　Ｆｉｅｌｄ　Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ）によるモバイル非接触ＩＣサービス、端末に依存しないクラウド型サービスの拡大が想定される。

　スマートフォン市場は近年の急速な普及拡大に留まらず、製品の性能が進化し続けている。ネットワークの高速化や各種デジタル機器を含むライフスタイル上のあらゆる製品・サービスとの連携・融合など、今後の進化は様々な可能性が広がっている。

【スマートフォンの定義】　以下を条件としてＭＭ総研による分類（２０１２年１１月現在）
　（１）以下ＯＳを搭載（Ａｎｄｒｏｉｄ、ｉＯＳ、Ｗｉｎｄｏｗｓ　Ｐｈｏｎｅ、ＢｌａｃｋＢｅｒｒｙ　ＯＳ）
　（２）音声通話が可能（画面６インチ以上でヘッドセット利用を想定した端末は含まない）
　（３）アプリやソフトウェア等のカスタマイズが可能
　（４）ＯＳ環境として（アプリ）開発仕様が公開されていること
　（５）キャリア及びメーカーがスマートフォンと位置づけている製品


　※「図１．２０１２年度上期　国内携帯電話出荷台数シェア」は添付の関連資料を参照