中外製薬、遺伝子組換えヒトＤＮＡ分解酵素製剤「「プルモザイム」を販売開始

希少疾病用医薬品
遺伝子組換えヒトＤＮＡ分解酵素製剤
「プルモザイム（Ｒ）」発売について


　中外製薬株式会社［本社：東京都中央区／代表取締役会長　最高経営責任者：永山　治］（以下、中外製薬）は、「嚢胞性線維症における肺機能の改善」を効能・効果として２０１２年３月３０日に製造販売承認を取得し、５月２９日に薬価基準に収載された遺伝子組換えヒトデオキシリボ核酸（ＤＮＡ）分解酵素製剤−販売名『プルモザイム（Ｒ）吸入液２．５ｍｇ』（以下、「プルモザイム（Ｒ）」）（有効成分：ドルナーゼ　アルファ（遺伝子組換え））について、６月８日より販売を開始することをお知らせします。本剤は当該効能・効果において希少疾病用医薬品に指定されています。

　「プルモザイム（Ｒ）」は、２０１１年４月１８日に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議＊」において、既存データを用いての申請が妥当と評価され、２０１１年７月１５日に海外データ等を用いて申請を行いました。プラセボを対照として実施された海外の臨床試験において、本剤吸入により嚢胞性線維症の患者さんの肺機能の改善および重症気道感染症に罹患するリスクが低下することが確認されています。

　日本人での嚢胞性線維症の発症数は約１８７万人に一人と推定され、厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業「難治性膵疾患に関する調査研究班」が２００９年に実施した全国疫学調査によると、国内での２００９年単年中の推定患者数は１５名と報告されています。嚢胞性線維症の原因は生体内のＣＦＴＲ（塩素イオンチャネル）の遺伝子異常ですが治療法は確立していないため、呼吸器症状に対する去痰剤や気管支拡張剤の投与、感染症に対する吸入および全身性抗菌剤の投与など、対症療法を行っているのが現状です。

　「プルモザイム（Ｒ）」は、嚢胞性線維症の患者さんの粘液・痰中に大量に含まれ粘稠性を高くしている好中球由来のＤＮＡを分解し、喀痰を容易に排出させることにより肺機能を改善し、重症の気道感染症に罹患する頻度を減らすために使用されます。海外では、欧米をはじめとする約７０カ国で承認され、標準治療の一つとして位置付けられており、年間約５万人の患者さんが使用しています。

　中外製薬は、この極めて稀で難治性の高い疾患である嚢胞性線維症の患者さんへ、呼吸器症状のより適切なコントロールを可能にする新たな治療選択肢として「プルモザイム（Ｒ）」を提供することにより、治療に貢献して参ります。


＊「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は「欧米では使用が認められているが、国内では承認されていない医薬品や適応について、医療上の必要性を評価するとともに、公知申請への該当性や、承認申請のために追加で実施が必要な試験の妥当性を確認すること等により、製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発促進に資すること」を目的として設置されたものです。


以上


【ご参考】
　販　売　名：プルモザイム（Ｒ）吸入液２．５ｍｇ
　一　般　名：ドルナーゼ　アルファ（遺伝子組換え）
　効能・効果：嚢胞性線維症における肺機能の改善
　用法・用量：通常、ドルナーゼ　アルファ（遺伝子組換え）として２．５ｍｇを１日１回ネブライザーを用いて吸入投与する。なお、患者の状態に応じて１回２．５ｍｇを１日２回まで吸入投与することができる。
　承　認　日：２０１２年３月３０日
　薬価基準収載日：２０１２年５月２９日
　販売開始日：２０１２年６月８　日
　使用期限：２年
　薬　価：プルモザイム（Ｒ）吸入液２．５ｍｇ　６６６４．８０円／１管

※「プルモザイム（Ｒ）」は、Ｆ．ホフマン・ラ・ロシュ社（スイス）の登録商標です。


　＊製品画像は添付の関連資料を参照