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アズビルと東北大、東日本大震災の被災企業支援で協定締結
アズビル(株)と東北大学が東日本大震災被災企業の支援で協定を締結
アズビル株式会社(旧社名:株式会社 山武、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:曽禰 寛純)と東北大学大学院工学研究科情報知能システム研究センター(所在地:仙台市青葉区 センター長:安達 文幸、略称:IIS 研究センター)は、双方が保有する画像処理技術の学術面での発展ならびに産業における応用分野の開拓、さらには東日本大震災被災地域の企業支援を目的として協定を締結いたしました。
アズビル株式会社は、1997年より東北大学と画像処理分野の共同研究を開始し、いち早く画像処理の産業化に対する知見を深め、数多くの製品化を実現しています。
東北大学IIS研究センターは、東北地域の産業活性を目的として、東北地域の企業向けにさまざまな技術指導を行っています。2011年に青木孝文教授(東北大学副学長およびIIS研究センター副センター長)が理事長である「東北画像処理ビジネス推進協議会」を設立し、以来画像処理技術の地域企業への技術指導を進めています。現在は参加する被災地域の企業において、技術の実用化、事業化をいかに進めるかが課題となってきました。
このような背景の中、アズビル株式会社と東北大学は協定を締結し、2011年3月の東日本大震災における東北の復興をさらに加速させるための支援を実施することにしました。具体的には、東北の被災地企業で構成される「東北画像処理ビジネス推進協議会」に対して、アズビル株式会社と東北大学との共同研究成果として共同で特許を保有する高度な画像処理技術である「位相限定相関法の実施権」について利用制限を緩和することとしました。
位相限定相関法は画像マッチングに用いる画像処理の1つで、従来の手法と比較して、画像の僅かな違いを高精度に計測することができます。アズビル株式会社では指紋照合装置や工業用の位置決め用画像センサに応用して製品化していますが、セキュリティや工業分野だけでなく医療分野など幅広い応用展開が期待される技術です。
今回の協定により、被災地の企業は同特許を含む独自のソフトウェアの開発が可能となり、かつ一定条件のもとでは特許使用料を減免されることとなります。技術の実施権について利用制限を緩和することで、試作品を開発してPRしたり、ユーザーの評価を受けるところまでを無料で実施できるようになり、中小企業にとっての開発費負担や事業リスクを低減します。また、アズビル株式会社では、同協議会の企業に対して画像処理の事業化に向けた技術指導、事業化支援も合わせて行います。
アズビル株式会社および東北大学は、この施策を通じて被災地の一刻も早い復興を願っています。