イマコト

最新の記事から注目のキーワードをピックアップ!

Article Detail

MSD、CETP阻害剤「Anacetrapib」がCHD患者対象の第III相試験で安全性・有効性目標を達成

2010-11-25

CETP阻害剤 Anacetrapib がCHD患者を対象とした第III相試験において、 安全性および有効性の目標を達成

ニュージャージー州ホワイトハウス ステーション発、2010年11月17日:


 Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.のCETP阻害剤 anacetrapib の第III相試験であるDEFINE(Determining the EFficacy and Tolerability of CETP INhibition with AnacEtrapib)の結果が、本日発表されました。本試験には1,623例の冠動脈疾患(CHD)またはCHD相当のリスクを有する患者が組入れられ、主要評価項目である安全性でanacetrapibはプラセボと有意差は認められませんでした。平均血圧の変化にanacetrapib投与群とプラセボ投与群間で有意な差はなく、また、血清電解質やアルドステロン値にも有意な差は認められませんでした。76週の治療期間中に、事前に規定された心血管エンドポイント(心血管死、心筋梗塞、不安定狭心症、もしくは脳卒中と定義)が発生したのはanacetrapib投与群で16例(2.0%)だったのに対して、プラセボ投与群では21例(2.6%)(p=0.40)でした。24週時点でanacetrapibは、すでにスタチンによる治療を受けてガイドライン推奨のLDL−C目標値に達していた患者のLDL−Cを40%低下(81mg/dlから45mg/dlに対してプラセボでは82mg/dlから77mg/dl、p<0.001)させ、さらにHDL−Cを138%上昇(40mg/dlから101mg/dlに対してプラセボでは40mg/dlから46mg/dl、p<0.001)させました。DEFINE試験の結果は本日、米国心臓協会(AHA)学術集会で発表され、同時に『New England Journal of medicine』誌オンライン版に掲載されました。

 Merck Research Laboratoriesのシニア・バイスプレジデント兼心血管系フランチャイズ統括責任者Michael Mendelsohn博士は次のように語りました。「これらの結果は有望なもので、当社がanacetrapibの更なる開発の継続を決定する根拠になります。大規模な心血管臨床アウトカム試験においてanacetrapibを継続して検討していくことに期待しています」


Anacetrapibの安全性と有効性

 DEFINE試験は、すでにスタチンの投与を受け、ガイドラインで定められたLDL−C目標値に達しているCHD患者またはCHD高リスクの患者1,600例以上を対象とした、18カ月間の試験でした。本試験は、継続中のスタチン療法またはスタチンと他の脂質異常症治療薬の併用にanacetrapib1日100 mgを上乗せした場合の脂質改善効果、安全性および忍容性を評価するためにデザインされました。

 anacetrapib投与群とプラセボ投与群の血圧のベースラインからの平均変化量に有意差は認められず(収縮期血圧0.2mmHg、p=0.83、拡張期血圧0.0mmHg、p=0.96)、また血圧上昇が報告された患者の割合も両群に有意差は認められませんでした。76週の治療期間中、血清電解質(ナトリウム、カリウム、クロールおよび重炭酸塩)に臨床的に重要な変化を認めた患者数はanacetrapib投与群とプラセボ投与群との間に有意差はなく(p値の範囲は0.25〜0.99)、76週にわたりアルドステロン値のベースラインからの平均変化量にも、両群間の差はありませんでした(それぞれ20.4pg/mLと18.4pg/mL)。また、anacetrapib投与群にもプラセボ投与群にも、横紋筋融解症(脂質低下薬にまれに伴う重度の筋障害)の発症例はありませんでした。肝酵素上昇(正常値上限の3倍以上の値が連続2回)が認められたのは、anacetrapib投与群1例に対して、プラセボ投与群8例でした。

 CETP阻害剤のクラスにおける初期の開発品であったtorcetrapibでは、死亡と心血管イベントの増加を引き起こすことが認められました。DEFINE試験では、重篤な心血管系有害事象と死亡例は、原因を問わず全て盲検化した状態で外部の独立判定委員会が判定しました。また、事前に規定した心血管複合エンドポイントの一部ではありませんでしたが、血行再建と心不全の報告を収集して判定しました。DEFINE試験において、事前に規定した判定対象心血管イベントの発生例はanacetrapib投与群で16例(2.0%)に対してプラセボ投与群では21例(2.6%)で(p=0.40)、冠血行再建術施行例はanacetrapib投与群ではプラセボ投与群より有意に少数であり(それぞれ8例と28例、p<0.001)、理由を問わない死亡例はanacetrapib投与群で11例、プラセボ投与群では8例でした(p=0.5)。これらの結果に基づいて、自信を持って大規模心血管臨床アウトカム試験でのanacetrapibの検討に進むことが出来ます。

 副作用、重篤な有害事象、および重篤な副作用の発生率はanacetrapib群とプラセボ群で同程度(それぞれ11.4%対10.7%、15.2%対14.8%、0.2%対0.5%)でした。治験中止の理由となる臨床症状の有害事象および副作用の発生率もまた、anacetrapib投与群とプラセボ投与群で同程度(それぞれ5.4%対5.7%、2.7%対2.2%)でした。

 24週時点で、anacetrapib群ではプラセボ群に比べて平均LDL−Cが40%低下(81mg/dlから45mg/dlに対してプラセボでは82 mg/dlから77mg/dl、p<0.001)し、平均HDL−Cでは138%上昇(40mg/dlから101mg/dlに対してプラセボでは40mg/dlから46mg/dl、p<0.001)しました。プラセボと比較して、anacetrapibはさらに平均アポリポタンパク質A−1(アポ A1: HDL粒子の主要タンパク成分)を45%上昇させ、平均アポ B(LDLを含むアテローム産生性リポタンパク粒子の主要タンパク成分)を21%低下させ、平均non−HDL−Cを32%減少させました(全評価項目でp<0.001)。anacetrapibはLp(a)(LDL様粒子)の中央値をプラセボに比べて36%低下させました。脂質の変化はすべて、76週の治療期間中にわたって維持されました。両治療群間でC反応性タンパク(CRP)の変化に有意な差はありませんでした。LDL−Cが25mg/dL未満に低下した患者については治験中止とすることが事前に規定されていましたが、これが適用されたのはanacetrapib投与群の18%、プラセボ群では1例でした。

 「今回得られたこれらの追加データによって、次の重要な段階である大規模臨床アウトカム試験でanacetrapibを継続して検討する当社の熱意が高まります」と、Merck Research Laboratoriesのグローバル臨床開発兼薬事部門心血管疾患担当バイスプレジデントのイェール・ミッチェル博士は述べました。


20カ国で1,600例以上の患者が18カ月の試験に参加

 DEFINEは、CHD患者またはCHD相当のリスクがある患者を対象として、継続中のスタチン療法(単独または他の脂質異常症改善薬と併用で)に加えてanacetrapib1日100mgを投与した際の脂質改善効果、安全性および忍容性を評価するためにデザインされた無作為化二重盲検プラセボ対照試験でした。20カ国の153施設で合計2,757例の患者のスクリーニングを行い、1,623例がanacetrapibかプラセボのいずれかの群に割り付けられました。スタチン使用中、もしくは、それに加えて他のLDL−C低下療法も受けていた患者のベースラインのLDL−C値は50〜100mg/dL、HDL−C値は60mg/dL未満、トリグリセリド値は400mg/dL以下でした。

 有効性の主要評価項目は24週間投与後のLDL−Cのベースラインからの変化率で、それに加えて安全性と忍容性(すなわち有害事象、電解質およびアルドステロンを含む安全性の臨床検査、血圧、心電図および理学的検査を含むバイタルサイン)を76週の治療期間にわたって評価しました。有効性の副次評価項目は76週におけるLDL−Cのベースラインからの変化と、24週間および76週間投与後のHDL−C、non−HDL−C、アポBおよびアポA−1でした。

 安全性評価に用いた事前に規定された心血管複合エンドポイントは、心血管死、非致死性心筋梗塞、脳卒中、および不安定狭心症による入院でした。重篤な心血管系有害事象と理由を問わない死亡はすべて、盲検化した外部の独立判定委員会が判定しました。血行再建と心不全の報告を収集して判定しましたが、これは事前に規定した心血管複合エンドポイントの一部ではありませんでした。外部の独立した安全性監視委員会が試験期間中を通して定期的に非盲検の安全性データを審査して患者の安全性を保証しました。統計解析はすべて、独立した統計データ解析センターが行いました。


Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.について
 Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.は世界中が健康であるための努力を続けるグローバルヘルスリーダーです。Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.は米国およびカナダ以外の地域ではMSDの名称で知られています。処方せん医薬品、ワクチン、生物学的療法および一般向けならびにアニマルヘルスケア製品の提供を通じてお客様と協力し、世界140か国以上で事業を展開して革新的なヘルスケア・ソリューションを提供しています。さらに、さまざまなプログラムを通じて医薬品を必要とする人々への医薬品の寄付や供給を行い、医薬品へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。詳細については、 http://www.merck.com/ をご参照ください。

Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.の将来に関する記述についての注記
 このプレスリリースは、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。
 これらの将来に関する記述には、製品開発、製品の潜在力、会社の計画、目標、期待と意図その他の、歴史的事実ではない記述が含まれている場合があります。
 こうした記述は、Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合もあります。

 とりわけ以下の要因については、将来に関する記述で述べたものと実際の成果が異なる可能性があります:医薬品業界の規制やヘルスケア関連法に対する影響;Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性について;Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.の特許権や画期的製品の保護の有効性への依存について;米国や国際的な規制・保健政策の新規制定や変更、並びに訴訟や規制措置の対象となる可能性について;。

 Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.は、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.に関するForm 10−Kの2009年度年次報告書、およびSECのインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できる米国証券取引委員会(SEC)に対するこの他の提出書類で確認できます。

Related Contents

関連書籍

  • 死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    詩歩2013-07-31

    Amazon Kindle版
  • 星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    前田 徳彦2014-09-02

    Amazon Kindle版
  • ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    大久保 明2014-08-12

    Amazon Kindle版
  • BLUE MOMENT

    BLUE MOMENT

    吉村 和敏2007-12-13

    Amazon Kindle版