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富士キメラ総研、仮想化・クラウドコンピューティング環境に進化する国内ICT基盤市場の調査結果を発表

2012-03-23

仮想化・クラウドコンピューティング環境に進化する
国内ICT基盤市場を調査


―2015年度市場予測―
 ●クラウド基盤ソリューション市場 10年度比 2.2倍 6,650億円
 ●クラウド基盤サービス市場 10年度比 2.7倍 3,022億円
 ●ネットワークサービス市場 10年度比 9.4%増 1兆4,911億円


 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 田中 一志 03−3664−5839)は、2011年11月から2012年1月にかけて、クラウドコンピューティングのICT基盤市場を調査してこの市場の動向を把握し、今後の市場予測と展望を行った。
 この調査では、クラウドコンピューティングのICT基盤市場のうち、クラウド基盤ソリューション(2品目)、クラウド基盤サービス(2品目)、基盤SaaS(8品目)、関連製品から、ハードウェア(10品目)・ソフトウェア(5品目)、ネットワークサービス(4品目)を対象とし、その市場規模推移や占有率、各市場とその環境を分析して動向を把握し、今後の予測・展望を行った。

 その結果を報告書「2012 SaaS・ICT基盤市場総調査(下巻:ICT基盤市場編)」にまとめた。

 なお、ネットワーク経由のSaaS(Software as a Service)の国内サービス市場は、1月27日のプレスリリースで10年度1,786億円、15年度予測は10年度比66%増の2,958億円とその市場を発表している。
 産業が空洞化し国内市場が頭打ちのなか、今後の日本のICT産業はクラウドコンピューティングによって新規需要を創造し、世界市場にビジネス展開することが重要となる。これまで遅れていた中小企業も費用対効果を考慮しつつクラウドコンピューティング導入を進めて企業競争力を高めて行く。
 東日本大震災は、企業及びキャリア/サービスプロバイダ、データセンタ事業者のICTインフラ構築構想に大きな変化をもたらした。物理的な距離による遅延や外部へのデータ配置によるセキュリティ問題などを懸念しICTインフラの外部委託を敬遠していた企業も、データの損失リスクやシステムダウンリスクに対するBCP(事業継続計画)対策として、クラウドコンピューティングに対するニーズを重視している。

<調査結果の概要>
 ●仮想化・クラウド環境向けICT基盤市場
市場は、プロダクトベンダ、SIer、通信事業者、データセンタ事業者、クラウド事業者によって構成される。

 ※表資料は、添付の関連資料を参照


 仮想化・クラウドコンピューティング環境向けICT基盤市場は、タブレット端末、サーバ、ストレージ、ルータ/スイッチといった関連製品(特にハードウェア)が牽引し、14年度には1兆円を突破、15年度には1兆1,593億円に拡大すると予測する。
 15年度のクラウド基盤サービス市場は、企業がICT基盤を"所有から利用"へ着実に移行するため、自社所有型システムを中心に対応するクラウド基盤ソリューション市場を上回る伸長(10年度比174%増)になると予測する。セキュリティ管理やコンテンツ配信などの基盤SaaS市場は、クラウド基盤のソリューションやサービス、汎用SaaS市場の拡大に伴い、付加価値を高める周辺サービスとして堅調に拡大すると予測する。特に画像や動画通信の増大やPC、モバイル端末、TVなど利用端末が多様化し、スマートフォンも登場して通信量の増加と大量アクセスに対応するコンテンツ配信プラットフォームに対するニーズが更にWeb運営事業者に高まると予測する。
 国内のICT環境は仮想化・クラウド化し、今後はサーバを中心とした仮想化からストレージやネットワークの仮想化構築も進む。信頼性を最重要視する大企業など一部の企業では自社所有型システムの構築が主体となるものの、一般企業では"所有から利用"への流れが加速してPaaS(Platform as a Service)/IaaS(Infrastructure as a Service)やSaaSなどの利用型パブリッククラウド市場が一層拡大すると予測する。

<注目される市場>
 ・クラウド基盤ソリューション(仮想化クラウド環境、シンクライアント環境)
 ・10年度 3,023億円 15年度予測 6,650億円(10年度比220.0%)
 この市場は、仮想化機構を利用して複数の仮想マシンを1台の物理サーバ上で稼動させる「仮想化環境」、複数の仮想化環境のリソースをプール化・一元管理化する「統合環境」、システム運用を標準化・自動化した「クラウド環境」へと進化する。そして仮想化クラウド環境市場は10年度2,543億円と、国内のOSやミドルウエアなどのプラットフォームソリューション全体市場の9%規模から、15年度には同21.5%の5,700億円に拡大すると予測する。
 現状では一部の先進的企業で複数の仮想化システムを統合して自動化する例も見られるが、大部分の企業は情報系サーバやファイルサーバなど限定したクラウドシステムを個別に手動で運用して統合環境を構築する段階に留まっている。ただ大震災後はクラウド環境に対する期待が高まって、今後は一気にクラウド環境構築を検討する企業が増加すると予測する。
 シンクライアント環境のシステム設計・構築から運用・保守までの市場は10年度480億円であったが、15年度では950億円に拡大すると予測する。企業のセキュリティ目的からニーズが年々拡大し続けており、この分野も大震災後のBCP意識が追い風となっている。またスマートデバイスの普及や、クラウドコンピューティングの認知度が向上して、外出先や自宅などからオフィスPCにリモートアクセスするニーズも高まりが見られる。

 ・クラウド基盤サービス(データセンタ・PaaS/IaaS、DaaS)
 ・10年度 1,102億円 15年度予測 3,022億円(10年度比274.2%)
 この市場は、仮想化技術によって集められたIT資源をネットワーク経由で利用するオンデマンド型のサービスであるPaaS/IaaS、DaaSを対象としている。PaaSとIaaS市場は10年度の120億円から、15年度には5.2倍の620億円に拡大すると予測する。従来型サービスに代わり、初期コストを抑えてIT資源を利用できるメリットからユーザー規模が急増しているほか、社内向け業務システムとして利用する企業も増加している。複数ユーザー向け共有型サービスは認知度が向上し、サービス信頼性も向上しており引き続き高い成長を予測する。
 DaaS(Desktop as a Service)はデスクトップPCの運用・管理体制を一新する必要があり長期利用コストが自社所有型より高くなるため伸び悩んでいる。しかしクラウドサービスに対する注目度が高まり、DaaS提供事業者が増加してサービスの認知度が向上し、大手通信事業者による大規模自社導入や数千〜万単位の大規模案件が見られたため11年度は前年度比12.5倍、30億円と大幅に市場が拡大したと見込む。

 ・関連製品(サーバ、ストレージ、ルータ/スイッチなど15品目)
 ・10年度 1,592億円 15年度予測 4,447億円(10年度比279.3%)
 ハードウェアでは、タブレット端末が10年度の43億円から、15年度には26.3倍の1,130億円に拡大、サーバも15年度には1.8倍の705億円に拡大、ストレージが15年度には2.8倍の775億円に、ルータが同じく2倍の400億円に市場を拡大して牽引していくと予測する。法人向けクライアント端末には、シンクライアント専用端末、タブレット端末、スレートPCなど、多様な業務内容や利用用途に合わせた端末が利用される環境が更に進行する。特にタブレット端末は最大の不安要素であったセキュリティ対策に目処が立ち、販促ツール、プレゼンテーションツールの需要中心に更に拡大していくと予測する。外回り要員向け需要が中心に拡大し、Wi−FiタイプではWi−Fiモバイルルータやスマートフォンによるテザリングが活用され需要が増える。
 ソフトウェアでは、仮想化・クラウド環境構築のベースとなるサーバ仮想化ソフトが10年度83億円から15年度140億円に拡大し、次いでセキュリティ対策目的のシンクライアントソフトの実績が10年度の64億円から15年度で117億円と拡大を予測する。サーバ仮想化ソフトは、11年以降もサーバの統合と集約によりストレージ、ネットワーク周辺機能が一層強化されていくと予測する。
 シンクライアントソフトは、比較的安価なSBC(サーバにアプリケーションやデータを置く)方式による市場が先行して立ち上がったが、その後VDI(仮想化マシーンにOS、アプリ、データを置く)方式のニーズが急速に高まっている。

 ・ネットワークサービス(高速/超高速デジタル専用線、携帯電話(法人)、リモートアクセスなど4品目)
 ・10年度 1兆3,633億円 15年度予測 1兆4,911億円(10年度比109.4%)
 ネットワークサービスは、仮想化・クラウド環境に特化したネットワーク部分のみ算出することが困難であるため全体市場を対象としている。
 仮想化・クラウド環境が増加してネットワークのトラフィックが混雑し、より広帯域のネットワークニーズが高まると予測する。法人向け携帯電話サービスでは、3G対応のタブレット端末の需要拡大、M2M(ネットワーク機器間)通信モジュールの需要拡大が予測される。こうしたデータ通信の拡大が法人市場の伸びに大きく貢献すると予測する。
 企業のプライベートクラウドやクラウドサービス利用を拡大することで、ネットワーク全体の広帯域対応、トラフィックが集中するデータセンタ接続回線の大容量化が一層求められて行く。

<調査対象>
 ●クラウド基盤ソリューション 仮想化・クラウド環境構築ソリューション、シンクライアント環境構築ソリューション
 ●クラウド基盤サービス データセンタ・PaaS/IaaS、DaaS
 ●基盤SaaS 販売管理・課金プラットフォーム、GIS、CTI、コンテンツ配信プラットフォーム、セキュリティ管理、ログ収集・管理、IT資産管理、タイムスタンプ
 ●関連製品
 ・ハードウェア クライアント端末、サーバ、クラウド統合パッケージ、ストレージ、SANスイッチ/ダイレクタ、ストレージ仮想化アプライアンス、ルータ/スイッチ、L4−7スイッチ、WAN高速化装置、UTMアプライアンス
 ・ソフトウェア サーバ仮想化ソフト、ストレージ仮想化ソフト、シンクライアントソフト、仮想化・クラウド運用管理ソフト、バーチャルアプライアンス
 ●ネットワークサービス 専用線サービス、VPNサービス、携帯電話サービス、リモートアクセスサービス

<調査方法>
 富士キメラ総研専門調査員による参入企業・関連団体などへの直接面接を基本としたヒアリング調査および、弊社データベース、外部関連情報などを補足活用して調査・分析した。

 <調査期間>2011年11月〜2012年1月


以上


 資料タイトル:「2012 SaaS・ICT基盤市場総調査(下巻:ICT基盤市場編)」
 体裁:A4判 274頁
 価格:97,000円(税込み101,850円)
    CD−ROM付価格 107,000円(税込み112,350円)
    集計ファイルセット価格 127,000円(税込み133,350円)
 調査・編集:富士キメラ総研 研究開発本部 第二研究開発部門
    TEL:03−3664−5818 FAX:03−3661−5275
 発行所:株式会社 富士キメラ総研
     〒103−0001東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 F・Kビル
     TEL03−3664−5839(代)FAX 03−3661−1414
     e−mail:info@fcr.co.jp
 この情報はホームページでもご覧いただけます。
 URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
     http://www.fcr.co.jp/


【報告書 目次】

 ※添付の関連資料を参照

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