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理化学研究所とアステラス製薬、「アルツハイマー病の解明と新規創薬標的の探索」で共同研究開始

2011-11-11

アルツハイマー病の解明と新規創薬標的の探索」で共同研究開始
理研脳科学総合研究センターとアステラス製薬が早期創薬開発を目指し戦略的提携


 独立行政法人理化学研究所(理事長:野依良治)とアステラス製薬株式会社(社長:畑中好彦、以下「アステラス製薬」)は、「アルツハイマー病の発症機構の解明と新規創薬標的の探索」を目的とする5年間の共同研究契約を締結しましたので、お知らせします。
 社会的課題であるアルツハイマー病の克服に向けて、理研脳科学総合研究センター(理研BSI、センター長:利根川進)の基礎研究とアステラス製薬の創薬研究という双方の研究基盤を活かして相乗効果を上げ、画期的な新薬の創製へとつなげることを目指します。


1.背 景
 アルツハイマー病を含む認知症は、2020年には国内の患者数が325万人に達すると予測されており(出典:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」)、今後も、高齢化社会の進展に伴い患者の増加が見込まれています。認知症の約半分を占めるアルツハイマー病は、患者を抱える家族ならびに社会的負担が非常に大きい疾患であるため、その克服は、医療先進国として早急に取り組むべき課題です。しかし、現時点では根本的な治療法や予防法が確立されておらず、対症療法だけに依存している状況です。抜本的な治療法の確立には、発症メカニズムの全容解明と、それに基づいた本質的な新規治療薬の創製が不可欠です。
 理研BSI神経蛋白制御研究チームは、脳内の病原性タンパク質を分解(排除)する機構の解明を通じて、神経変性疾患および脳老化の診断・予防・治療のための基礎的知見を得ることを目的とした研究を行ってきました。特に、アルツハイマー病を重点課題として位置づけ、2011年7月には重要な原因物質(アミロイドβペプチド)に関する新たな知見をもたらしています。
(2011年7月4日プレス発表:お知らせhttp://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2011/110704/index.html
 今回、理研社会知創成事業創薬・医療技術基盤プログラムの協力のもと、理研BSIにおける基礎研究の成果、基盤となる技術と、アステラス製薬の創薬の研究基盤を戦略的に活かし、両機関がアルツハイマー病の発症機構の解明と、そこから得られる新規創薬標的の探索および検証に向けた共同研究に取り組むことに合意しました。


2.共同研究概要
 アルツハイマー病モデル動物の病態解析や患者さんの組織試料の解析により標的候補分子を抽出すると同時に、見いだした候補分子についてアルツハイマー病発症機構への関与を調べ、創薬標的としての妥当性を検証します。


3.研究担当チーム
 独立行政法人理化学研究所脳科学総合研究センター神経蛋白制御研究チーム
 チームリーダー 西道 隆臣(さいどう たかおみ)
 〒351−0198 埼玉県和光市広沢2−1

 アステラス製薬株式会社
 研究本部 薬理研究所 神経科学研究室
 〒305−8585 茨城県つくば市御幸が丘21


参考;
1.独立行政法人理化学研究所
 独立行政法人理化学研究所は、科学技術(人文科学のみに係るものを除く)に関する試験および研究などの業務を総合的に行うことにより、科学技術の水準の向上を図ることを目的とし、日本で唯一の自然科学の総合研究所として物理学、工学、化学、生物学、医科学などにおよぶ広い分野で研究を進めています。研究成果を社会に普及させるため、大学や企業との連携による共同研究、受託研究等を実施しているほか、知的財産権の産業界への技術移転を積極的に進めています。

2.独立行政法人理化学研究所脳科学総合研究センター
 脳科学総合研究センター(RIKEN Brain Science Institute,理研BSI)は、1997年10月に設立されました。理研BSIは、わが国の脳科学研究の中核拠点として国内外から優れた研究者を結集し、総合的な研究を展開しています。設立以来、数多くの優れた研究成果と人材を輩出し、世界有数の脳科学の研究拠点として国際的な認知を得ています。学際的かつ融合的な研究体制を特徴とし、脳のミクロな分子機構にはじまり、神経細胞、神経回路、よりマクロな現象である認知や記憶と学習の仕組み、さらに言語の獲得、脳とコンピューターなど、個体、行動、社会までを対象として、理論と実験を交えながら、医学、生物学、物理学、工学、情報科学、数理科学、心理学など多彩な学問分野を背景にした研究を進めています。

3.アステラス製薬株式会社
 アステラス製薬株式会社は山之内製薬と藤沢薬品工業が合併して2005年4月に誕生した医療用医薬品を中核事業とするグローバル製薬企業です。特に泌尿器領域と移植領域では、世界のリーディングカンパニーとしての地位を既に確立しています。「泌尿器」「移植・免疫疾患及び感染症」「がん」「精神・神経疾患」「糖尿病合併症及び代謝性疾患」の5領域を重点研究領域に掲げ、新薬が求められる疾患に焦点を合わせ、革新的な新薬を創製すべく研究開発を行っています。また、独創的な研究テーマの継続的な創出のために、自社研究のみならず先進的な社外研究機関との密接な研究提携にも積極的に取り組んでいます。

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