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富士経済、ICT・エレクトロニクス技術を活用したヘルスマネジメント市場の調査結果を発表

2011-08-01

ICT・エレクトロニクス技術を活用した
ヘルスマネジメント市場の調査を実施
システム/サービス、機器、デバイスの合計は2020年に5,344億円(10年の1.7倍)


 総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、健康人、または罹病予備群向けの効率性を重視した健康管理サポート関連の市場について調査を実施した。その結果を報告書「2011 ヘルスマネジメント関連市場の現状と将来展望」にまとめた。

 この報告書では、ICT・エレクトロニクス技術をコア技術として、健康人、または罹病予備群向けの効率的な健康管理サポートをヘルスマネジメントとした。そして、ヘルスマネジメント市場をシステム/サービス(機器とコンピュータ類で構成される分析システムおよびシステムを利用した分析サービス)、機器(センサを内蔵した健診装置)、デバイス(主に生体情報の検知センサ)の3市場に分類し、それぞれの市場の実態を分析し、今後を展望した。


<調査結果の概要>
 ヘルスマネジメント関連市場は生活習慣病予防との関連が強く、メタボリックシンドローム層(生活習慣病予備群)のスクリーニング、改善支援を効率良く行うために考案されたものが多い。このため医療情報システムや診断装置のベンダが医療情報システムの横展開として参入しているケースが多い。これらの医療情報システムを扱うベンダは基本的にBtoBのビジネスであり、BtoCへの展開はやや不得手であった。しかし、健康管理はあくまでも個人が対象となることから、BtoC(またはBtoBtoC)を重視したソリューション展開が重要視され始めている。また、市場拡大にはBtoBからBtoCへのシフトが必要不可欠であり、BtoC市場を意識したニーズの取り込み、インフラ整備が活発となっている。ストレスによる不定愁訴、体調不良が幅広い年齢層で広がり、糖尿病や睡眠時無呼吸症候群など、個別の罹病対策を求めるユーザーが多く、センサ、機器レベルで研究開発が進められ、対応機器も出てきている。


 ※表は添付の関連資料を参照


 2010年のヘルスマネジメント市場(システム/サービス、機器、デバイス)は、3,142億円となった。7割以上を機器市場が占めているが、2020年に向けてシステム/サービス市場の拡大が予測される。各システム/サービスでターゲット層の拡大を図っていることや健康機器との連携に注力している点が拡大の要因として挙げられる。特に、システム/サービスと機器との連携による健康支援やアドバイスに注力する企業が増えており、今後さらに連携が進むと考えられる。

 システム/サービス市場は、2010年に275億円であったが、機器との連携が進み市場が着実に拡大しており、2020年の市場は643億円と予測される。個人ユーザーをターゲットとした生活習慣改善サービス、女性向けヘルスケアサービスが8割以上(2010年)を占める。生活習慣改善サービスは、機器連携による健康支援や助言が評価されている。女性向けヘルスケアサービスは、女性をターゲットとした健康支援サイトによる生理周期や健康情報の提供によって需要が増加している。スマートフォンへの対応も進んでおり、引き続き会員数の増加が予測される。食習慣改善サービスや保健指導支援システムは、企業や健保組合、自治体が主なターゲットで、システム構築コストが高く、個人向けサービスに比べ伸びは低い。しかし、保健指導や食事アドバイスなどの提供を検討する企業や団体は多く、順調に拡大していくと予測される。
 機器市場は、2010年の2,258億円から、2020年には3,930億円になると予測される。既に普及している歩数計、ヘルスメータ、血圧計、体温計などは、高い伸びは見込めないものの一定の需要を維持するとみられる。尿糖計、ブレスチェッカーといった手軽に計測できる機器の市場が拡大しており、また、うつ病や不定愁訴が社会問題となっていることからストレス状態の測定が可能なストレスモニタが拡大するとみられる。さらに、ライフレコーダーやスリープスキャナといった生活リズムにおける生体情報を収集する機器も需要が拡大しており、生体情報と生活リズムの両面から見ることで、個人ごとに細かく健康を支援することが可能になるとみられる。
 デバイス市場は、2010年に608億円で、2020年には772億円に拡大すると予測される。使い捨て、もしくは交換タイプであるバイオセンサが80%以上(2010年)を占めている。においセンサ、バイオセンサは頻繁に交換することから安定した需要が見込まれる。においセンサは現状では口臭とアルコール検知が目的となっているが、細かな成分測定によるがん検知やストレス検知の研究開発が進められている。ホコリセンサ、花粉センサ、イオン発生モジュールは、直接生体情報を検知するものではないが、空間情報を把握するために利用されている。特に、ホコリセンサとイオン発生モジュールは空気清浄機に搭載されており、花粉対策・インフルエンザ対策による空気清浄機市場の拡大に伴い、市場が拡大すると予測される。


<注目市場>

● 生活習慣改善サービス  2011年見込 86億円  2020年予測 280億円
 Webを介した個人利用者の健康管理(運動管理、健診、メンタル管理など)サービスを対象とする。主に糖尿病・心臓病・がんなどの生活習慣病の予防を目的としたサービスである。歩数計やヘルスメータなどの機器を利用し日常の運動量、生体情報を測定し、それらのデータを分析し現状の健康状態と生活習慣病罹病リスクの予測などのサービスを提供する。インターネットインフラの普及、健康測定機器のネットワーク化などICT利用環境の進化が背景となり、サービスの受容性は高まっている。特定健診・保健指導の施行が大きく影響しており、メタボリックシンドローム層への積極的支援から動機付け支援まで行う保健指導支援システムのサブシステムとして採用されるケースも多い。生活習慣病は一般的に肥満が要因となっていることから、肥満対策としての健康チェックをサポートするタイプのサービスが多い。具体的な特定疾病対策を講じたサービスも現れている。

●KIOSK健診システム  2011年見込 2.3億円  2020年予測 25億円
 ドラッグストア、スーパーなどの店頭で、健診サービスを提供するシステムである。KIOSK端末(パネルコンピュータ)、解析ソフトウェア、プリンタ、各検査機器などで構成される。KIOSK端末や汎用PCで問診データを入力し、付属の生体情報収集機器を利用してデータ計測を行う。通常不特定多数の来店顧客に対する無料サービスとして提供されている。健診結果はプリンタで印刷され、利用者自身が確認する。必要に応じて店舗内スタッフ(薬剤師・栄養士)などに相談もできる。利用者(来店客)のメリットとしては気軽に無料で利用できること、店舗側のメリットとしては、健診サービスによって来店客数を増やし、店舗経営の活性化に繋げられることが挙げられる。課題は導入コストが高いこと、設置スペースが必要なことなどである。

●ストレスモニタ  2011年見込 1.1億円  2020年予測 9億円
 ストレスチェックは神経機能の測定、唾液の検査、手汗の検査などのいくつかの検査方法があるが、ここでは神経機能を測定することでストレス状況を評価する装置を対象とした。血圧計、心電心拍計を装着し、収集データから交感神経、副交感神経の状態を解析し、ストレス状況をリアルタイムで視覚的に表示することができる。病院、心療内科、企業内の診療所などへの展開が中心であるが、メンタルトレーニングなどでの利用も想定しており、利用可能シーンは幅広い。認知度が低いものの、うつ病などが社会問題化していることもあり、ストレスチェックの必要性や重要性は非常に高いと考えられる。現在のストレス測定は、不健康の目安となる指標が決められていないことから、今後の市場拡大には早い段階での基準作成が鍵となる。

●スリープスキャナ  2011年見込 29億円  2020年予測 90億円
 圧力センサによって呼吸、脈拍、体動を測定し、独自のアルゴリズムによる計算で睡眠時無呼吸症候群スクリーニングおよび睡眠の質を計測する機器である。介護などで使用される離床センサは対象外とした。ベッドセンサタイプと体に機器などを装着するタイプに分類される。ベッドセンサタイプは、圧力センサが組み込まれたマットをベッドパッドなどの下に敷くことで、呼吸、脈拍、体動を測定し、解析ソフトにより眠りの質などを測定する。機器装着タイプは、呼吸やいびきなどを圧力センサで検知することで睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を行う。医療機関、健康保険組合、自治体から宿泊施設や一般消費者まで採用シーンが広いことから、今後も市場は拡大するとみられる。社会問題となった睡眠時無呼吸症候群の検査が可能な点も市場を後押しする要因となる。しかし、医療機器であるため、広告・宣伝活動ができないことから、認知度向上が課題として残る。

●ホコリセンサ  2011年見込 15億円  2020年予測 25億円
 空気中に飛散するカビ、ダニなどのアレルギーを引き起こすホコリなどを検出する機器である。以前は空気清浄機やエアコンに搭載されていたが、現在は空気清浄機がメインである。LED光源を用いてホコリと光の反射から飛散濃度を検知し、制御系の機器に信号を発する。この市場は花粉症やインフルエンザの流行に伴う空気清浄機市場の拡大に連動しており、2009年は新型インフルエンザの流行によって市場が拡大したが、その反動から2010年は微減となった。しかし、空気清浄機はインフルエンザ、花粉症、アレルギー性疾病に対する需要が多いことから、継続した需要が見込まれる。空気清浄機以外のアプリケーションとして、オフィスビルや病院を始めとする産業用機器への展開がさらに進むとみられる。産業分野への導入にはセンサの小型化、検査精度の向上が必要である。


<調査対象>

*システム/サービス:生活習慣改善サービス、食習慣改善サービス、保健指導支援システム、KIOSK健診システム、ホームヘルスケアシステム、女性向けヘルスケアサービス、遠隔検診システム

*機 器:歩数計/活動量計、ヘルスメータ(体重計/体組成計/体脂肪計)、血圧計、体温計、尿糖計、血糖値測定器、骨密度計測器、ブレスチェッカー、ストレスモニタ、ライフレコーダー、インテリジェンストイレ、スリープスキャナ、パルスオキシメータ、末梢血管モニタリング装置、生体検知対応携帯電話、フィットネスゲーム、フィットネスマシン、マッサージチェア、空気清浄機(除菌型)

*デバイス:モーションセンサ、圧力センサ、シリコンマイク(呼吸音センサ、体内音センサ)、においセンサ、ホコリセンサ、花粉センサ、イオン発生モジュール、バイオセンサ、超音波センサ


<調査方法>

 富士経済専門調査員による対象先企業などへの直接面接取材を基本に、電話ヒアリング、各種公表資料などにより補完。

<調査期間>

 2011年4月〜6月


以 上

 資料タイトル:「2011 ヘルスマネジメント関連市場の現状と将来展望」
 体    裁 :A4判 211頁
 価   格  :97,000円(税込み101,850円)
 調査・編集 :富士経済 大阪マーケティング本部
          TEL:06−6228−2020(代) FAX:06−6228−2030
 発 行 所 :株式会社 富士経済
         〒103−0001東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 F・Kビル
         TEL03−3664−5811 (代) FAX 03−3661−0165
         e−mail:info@fuji-keizai.co.jp
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 URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
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