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日本イーライリリー、「サイラムザ」が切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する適応追加の承認を取得

2016-06-24

抗悪性腫瘍剤「サイラムザ(R)点滴静注液100mg、同点滴静注液500mg」
切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する適応追加の承認を取得


 日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:パトリック・ジョンソン、以下、日本イーライリリー)は、6月20日、抗悪性腫瘍剤「サイラムザ(R)点滴静注液100mg、同点滴静注液500mg」(一般名 ラムシルマブ[遺伝子組み換え] 以下、「サイラムザ」)について、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する治療薬として適応追加の承認を取得しました。

 今回の承認取得は海外、多施設共同、プラセボ対照、二重盲検、無作為化、第III相試験(REVEL試験)と国内多施設共同、プラセボ対照、二重盲検、無作為化第II相試験(JVCG試験)の結果に基づいています。
 REVEL試験では、プラチナ製剤を含む化学療法を施行中又は施行後に増悪した進行・再発非小細胞肺癌患者を対象として、プラセボドセタキセルとラムシルマブ+ドセタキセルを比較しました。非扁平上皮型(73%)及び扁平上皮型(26%)の非小細胞肺癌患者を6大陸26ヶ国で1,253例を組み入れ、無作為に各治療群に振り分けました。有効性の主要評価項目は全生存期間で、副次的評価項目は無増悪生存期間と奏効率等でした(1)。REVEL試験は、進行・再発非小細胞肺癌の二次治療において化学療法と併用する生物学的製剤の効果を示した初めての第III相試験であり、組織型に関わらず全生存期間を化学療法単独よりも改善することを明らかにしました。またJVCG試験は、進行・再発の非小細胞肺癌に対するプラチナ製剤を含む1次化学療法(維持療法の有無は問わず)施行中又は施行後に進行したIV期非小細胞肺癌患者を対象として、プラセボドセタキセルとラムシルマブ+ドセタキセルを比較し、日本人のみで実施しました。有効性の主要評価項目は無増悪生存期間で、副次的評価項目は全生存期間、奏効率等でした。結果は、REVEL試験と同様の傾向でした。

 サイラムザは、血管新生阻害剤で、がんの増殖および転移に関わる血管新生において重要な働きを示す血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR−2)に対するヒト型モノクローナル抗体です。

 サイラムザは、2015年3月に治癒切除不能な進行・再発の胃癌で、本年5月に治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌の治療薬として日本では承認されています。また、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の治療薬としては、2014年12月に米国で最初に承認され、また、本年1月欧州でも承認されています。

 日本イーライリリー株式会社研究開発本部オンコロジー領域医学部長 江夏 総太郎は、今回の承認について次のように述べています。「サイラムザは血管新生において重要な役割をもつVEGFR−2を選択的に阻害することを可能にした新薬として非小細胞肺癌に対し承認されました。これは、海外第III相REVEL試験にてこれまで示すことが難しいとされてきた再発非小細胞肺癌患者さんの全生存期間を延長することに成功したからです。再発された患者さんにとって、そして長年、選択肢が限られていた臨床に携わっている方には、サイラムザは希望の光です。
 我々は患者さんの声に応えることのできる新薬であるサイラムザを上市できることに大きな喜びを感じています。
 我々は、肺癌と闘う患者さんのために新薬の創出にコミットし今後も研究開発に邁進します。」


■非小細胞肺がんについて
 日本における2011年の非小細胞肺がんの罹患全国推計値は111,858例で、年齢分布の影響を除去した罹患率では、がん全体の中で第3位(男女計)を占め、発症頻度の高いがんと言えます。また、非小細胞肺がんはがんによる死亡の第1位(男女計)であり、毎年約75,000人が非小細胞肺がんによって亡くなっています(※)。

 ※国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html


■血管新生について
 がん患者さんでは、血管新生により腫瘍自体に血液を供給する新たな血管が形成され、腫瘍の増殖および転移につながります。一部の腫瘍は血管内皮細胞増殖因子(VEGF)と呼ばれるタンパク質を生成します。これらのタンパク質は血管内皮細胞のVEGF受容体に結合して腫瘍周辺に新たな血管を形成し、腫瘍を増殖させます。
 VEGFタンパク質が血管と結び付くのを阻害することは、血管新生および腫瘍に栄養を与える血液供給を遅らせることによって腫瘍増殖を抑制するのに役立ちます。3つの既知のVEGF受容体のうち、VEGFR−2はVEGF誘発性の腫瘍血管新生と最も密接に関係しています。


■ラムシルマブ(サイラムザ(R))について
 ラムシルマブは血管新生阻害薬です。ラムシルマブは、in vivo 動物モデルで血管新生を阻害しました。
 VEGFR−2に特異的に結合することにより、VEGFR−2のリガンドであるVEGF−A、VEGF−C、およびVEGF−Dの結合に競合し、VEGFR−2の活性化を阻害する抗VEGFR−2抗体です。VEGF受容体2は血管新生を引き起こすVEGFの主要な受容体です。胃がん、肺がん、大腸がんを含むいくつかのがん種において、これらのリガンドとVEGFR−2の相互作用に関連した腫瘍血管新生が生じるといわれています(2,3,4,5)。


 *リリース詳細は添付の関連資料を参照



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