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IDC Japan、国内企業のOpenStack導入状況に関するユーザー調査結果を発表
国内企業におけるOpenStackの導入状況に関するユーザー調査結果を発表
・サーバー仮想化実施企業の7.0%がOpenStackを本番環境で使用、ICT企業では40%近くが導入に向けて取り組んでいる
・OpenStackは関心/勉強から具体的な導入を計画/検討するフェーズへ移行
・クラウドの迅速な構築と運用効率化に対する期待が高い
・最大の課題はOpenStackエンジニア不足、年2回のバージョンアップへの対応に不安も
IT専門調査会社IDC Japan株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1−13−5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03−3556−4760)は、国内企業のITインフラにおけるOpenStackの導入状況に関する調査結果を発表しました。本調査では、サーバー仮想化を実施している企業および組織を対象としたアンケート調査を2016年3月に実施し、459社から有効回答を得ました。また、2015年7月に実施した前回調査との比較を行いました。
OpenStackはオープンソースソフトウェア(OSS)のクラウド基盤/管理ソフトウェアとして、およそ4万人もの規模からなるオープンソースコミュニティで開発されています。WalmartやeBay、BMWのようなグローバル大手企業での採用事例が出ており、企業向けのクラウド基盤として注目を集めています。
こうした市場背景の中、IDCではサーバー仮想化を実施している国内企業に対してOpenStackの導入状況を調査しました。この結果、「すでに本番環境で使っている」の回答割合が7.0%となり、前回調査の4.5%から3.5ポイント上昇しました。「試験的に使用し、検証している」は8.3%で、前回調査と比較してほぼ変化が見られませんでした。今回調査では「使用する計画/検討がある」の回答割合が前回調査の5.2%から大きく上昇し17.9%になり、導入に向けて具体的な動きが出てきていることが分かります。また、「OpenStackを知らない」の回答割合が前回調査よりも8.5ポイント下がっており、認知度も上昇していることが判明しました。
また、OpenStackの導入状況について、情報サービスプロバイダーやシステムインテグレーターのようなICT関連サービスを主力事業としている企業と、それ以外の製造や流通、金融、一般サービスなどを主力事業としているNon−ICT企業に分けて分析しました。この結果、ICT企業では「すでに本番環境で使っている」の回答割合が8.2%、「試験的に使用し、検証している」が10.8%、「使用する計画/検討がある」が20.5%となり、合計で約40%のICT企業がOpenStackの導入に向けて取り組んでいることが判明しました。またNo−ICT企業でも本番環境で使用、検証中、計画/検討の回答を合計すると約30%の企業が、OpenStackの導入に向けて取り組んでいることが分かりました。ICT企業に限らず、多くのNon−ICT企業での導入が期待されます。
さらにOpenStackを本番環境で使用、検証中、計画/検討している企業に対して、OpenStackに期待する効果について質問したところ、「クラウド基盤の運用の効率化」が25.7%で最も回答が多く、「クラウド環境の構築の迅速化」が21.7%、「アプリケーション開発の迅速化」が21.1%となっています。OpenStackはクラウド基盤の運用効率化に加え、スピード向上に対する期待が高いことが判明しました。そして、「自社エンジニアのスキルアップ」が19.7%と続いており、これはICT企業だけで見ると22.1%と最も多い回答で、OpenStackを通じてエンジニアのスキルが向上することへの期待が表れています。
OpenStackを使用していく上での課題については、「OpenStackに精通しているエンジニアが少ない」が28.3%と最も回答が多く、「セキュリティの脆弱性に不安がある」が25.7%で続きました。これらはOpenStackに限らずOSSを企業で使用していく上での共通した課題であるとIDCでは推定しています。3番目に多い回答として「半年ごとのメジャーリリースに合わせた対応ができない」が19.7%となりました。半年ごとのメジャーリリースはOpenStackの大きな特徴の1つですが、このバージョンアップのスピードに追従することができない企業が約2割あり、課題と表裏一体となっていることが判明しました。また「ネットワーク環境の構築/管理が難しい」の回答も19.7%を占め、OpenStackのネットワークはNeutronコンポーネントに対する課題が残されている結果となりました。
IDC Japanソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷 光浩は「国内におけるOpenStackは関心/勉強のフェーズから具体的な導入を計画/検討するフェーズへと移った。ヤフーやNTTグループをはじめとし、既に導入から使用フェーズに入っている先進的な企業も増えつつある。現状はOpenStackスキルのあるエンジニアのリソースは限られているため、短期間で加速度的に導入が進むとは考えにくいが、着実に導入する企業は増えていくことが予測される。OpenStackの導入を検討している企業は事前にしっかりと課題を抽出し、導入プロジェクトを滞りなく進めていくことが重要である」と述べています。
今回の発表はIDCが発行したレポート「2016年 国内インフラストラクチャソリューション市場 ユーザーニーズ動向調査」(JPJ40606816)にその詳細が報告されています。本レポートでは、アンケート調査結果をもとに、国内ユーザー企業におけるITインフラのニーズ動向について集計/分析しています。仮想化の運用管理状況、OpenStack/Dockerの導入状況、ハイブリッドクラウドに対する意識などについて、詳細に分析を行っています。
(※詳細についてはIDC Japanへお問い合わせ下さい。)
レポート概要はこちら
>2016年 国内インフラストラクチャソリューション市場 ユーザーニーズ動向調査
http://www.idcjapan.co.jp/Report/Software/jpj40606816.html
<参考資料>
OpenStackの導入状況に関するユーザー調査結果
*添付の関連資料を参照
◆一般の方のお問い合わせ先
IDC Japan(株)セールス
TEL:03−3556−4761
FAX:03−3556−4771
Email:jp-sales@idcjapan.co.jp
URL:http://www.idcjapan.co.jp