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東芝、待機時の消費電力7μW実現の無線LAN対応LSI向け低消費電力技術を開発

2011-04-25

待機時の消費電力7μWを実現した無線LAN対応LSI向け低消費電力技術を開発

〜高速化技術との組み合わせで、従来製品比で9割以上の消費電力削減〜


 当社は、携帯端末向けにIEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LAN対応LSIの低消費電力化技術を開発しました。今回試作したチップでは、待機時に動作する回路を最小限にし、常時電源が供給される電源制御回路に厚膜トランジスタを採用することなどにより、待機時の消費電力を7μWにしました。なお、開発した技術は、90nm CMOSプロセスを用いて検証しました。

 携帯機器や家電機器の多機能化が進み、携帯電話でエアコンのスイッチを遠隔操作したり、デジタルカメラで撮影した画像を、無線通信を通して携帯電話で閲覧したり、サーバに送信するなど、新しい機能を実現するために無線LAN搭載のニーズが高まっています。一方で、携帯機器に組み込まれる無線LAN対応LSIは、消費電力の低減が大きな課題となっています。

 今回開発したチップには、携帯機器に搭載された場合の使い方を考慮し、通信時の「通常モード」、受信待ち受け時の「スリープモード」、待機時の「ディープスリープモード」の3つの動作モードを用意し、それぞれに対応する低消費電力技術を搭載しました。「通常モード」時の動作電力の削減には、1.0V動作する低電圧セルと、当社独自の低消費電力フリップフロップ回路を採用しました。「スリープモード」時には、チップ内部を複数のブロックに分割してそれぞれの電源をオン・オフ制御するとともに、動作周波数を切り替えることにより、消費電力を削減します。「ディープスリープモード」時は、「スリープモード」時と同じ電源、周波数制御に加え、常時オンとなる電源制御回路には厚膜トランジスタを使用してリーク電流を低減しました。

 これらの技術の導入により、各動作モードでの消費電力を削減し、特に「ディープスリープモード」時においては消費電力7μWを実現しました。

 また、IEEE802.11n SISO (Single Input Single Output)準拠の高速通信を実現することで通信時間を短縮し、消費電力の少ない待機時間を伸ばすことによって、動作時の平均消費電力の削減にも貢献しています。
これらの低消費電力技術および高速化技術を組み合わせることで、従来製品比で9割以上の消費電力削減を実現しました。

 なお、本成果については、横浜で開催中の低消費電力半導体に関する国際学会COOL Chips XIVにおいて4月22日に発表します。


以上

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