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大成建設、地盤変形を坑内から計測できるトンネル先行変位計測システムを開発

2016-04-14

トンネル先行変位計測システム『TN−Monitor』を開発
切羽前方の微細な地盤変形を正確に把握


 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、都市部のトンネル工事において山岳トンネル工法(NATM)を用いて施工する際、切羽前方の微細な地盤変形をトンネル坑内から詳細に計測できる、トンネル先行変位計測システム『TN−Monitor(Taisei NATM Monitor)』を開発しました。この度、本計測システムを福岡市地下鉄七隈線博多駅(仮称)工事に初適用しています。

 都市部でのトンネル工事では、トンネルの掘削進路周辺に地中インフラ構造物が存在することが多く、これらに対する掘削の影響を常時監視し、大きな変状が生じる前に適切な対策を講じていく必要があります。しかし実際には、地上のビルや道路、建築物基礎等がボーリング調査を阻害するため、常時監視することが困難であるという課題がありました。
 これらの課題を解決するために、当社は都市部でのトンネル工事を安全かつ合理的に進めることが可能な、トンネル先行変位計測システム『TN−Monitor』を開発しました。

 本計測システムは、下図1の通り、トンネル坑内から切羽前方の約20m前方に、地盤の上下方向の変形量から沈下分布状況を計測する「SAA(*1)」、トンネル前方からトンネル内に押し出してくる地盤の動きを捉える「T−REX(*2)」、計2種類の計測機器を設置します。これらの計測機器から取得したデータにより、トンネルを掘進する際の前方の地盤の様子を詳細に把握することができます。


 本計測システムの特徴は、以下の通りです。
 (1)「SAA」より計測した沈下分布状況からは、近接するインフラ施設への影響の程度や、断層などの不良地盤の位置や規模が把握できます。また、「T−REX」より計測した地盤の押出し量からは、トンネル切羽前方の地盤の硬さを評価し、切羽の崩壊を防ぐための補強ボルトの長さや本数などの仕様を決定できます。

 (2)「SAA」並びに「T−REX」を、トンネルの掘削方向とほぼ平行に設置することにより、トンネル全線にわたって計測できます。また、掘削の影響が及ばない約20m前方の位置まで設置し、地盤の変位を詳細に捉えることができるため、必要に応じて地盤補強を先行して行うことができます。

 (3)「SAA」並びに「T−REX」にて取得した沈下、変位分布データ(*3)は直ちに整理され、トンネル現場に設置された表示装置で常に確認することができ、技術者、現場作業員間で施工情報を共有できます。

 今後は、既存のオフィスビルや住宅、道路や地中の上下水道配管などのインフラ施設への影響が懸念されるトンネル工事などの土木工事において、地盤内に存在する断層などの位置や規模を正確に把握するために、本計測システムの適用を進めていきます。

 ※参考資料は添付の関連資料を参照





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