イマコト

最新の記事から注目のキーワードをピックアップ!

Article Detail

旭化成、旭化成建材の杭工事施工物件のデータ流用等で中間報告書を公開

2016-01-14

<目次>

 ※目次は添付の関連資料を参照


第1章 当委員会の概要

I 当委員会の設置経緯及び目的
 旭化成は、横浜市都筑区の共同住宅(以下「本件マンション」という。)のD棟とそれに隣接するB1棟との渡り廊下手すりのエキスパンション部に段差が生じ、D棟側が約2センチメートル低くなっていること(以下「本件段差」という。)が発覚したことをきっかけに、子会社である旭化成建材株式会社(以下「旭化成建材」という。)が本件マンションにおいて施工した杭工事(以下「本件杭工事(1)」という。)に施工不良が存在する可能性があること、並びに本件杭工事に関する2006年(平成18年)4月付け施工報告書(以下「本件施工報告書」という。)に添付された、電流計データ(2)及び流量計データ(3)(以下、電流計データ及び流量計データを併せて単に「データ」ということもある。)について、データ流用、切り貼り又は人為的加筆による改ざん(以下、まとめて単に「流用」ということもある。)が行われた可能性があることを覚知した(以下「本件データ流用」という。)。以上の情報は、本件マンションの元請業者である三井住友建設株式会社(以下「SMC」という。)からもたらされたものである。なお、本件マンションの建築主は、三井不動産レジデンシャル株式会社(以下「三井不動産レジ」という。)、設計者及び元請業者は、SMC、本件マンションのうち、杭工事のみに関して、SMCの下請負人となったのは、株式会社日立ハイテクノロジーズ(以下「日立ハイテク」という。)であり、旭化成建材は、本件マンションの杭工事に関して、日立ハイテク下請負人になった者である。旭化成建材は、実際の杭工事を、a社及びb社に下請負させて施工した。
 そこで、旭化成は、本件杭工事に関して、(1)事実関係の調査(本件施工報告書に添付されたデータの調査を含む。)、(2)本件杭工事により施工された杭の安全性調査、(3)原因の究明、及び(4)今後の再発防止策に関する検討に取り組むことを目的として、2015年(平成27年)10月14日に、代表取締役副社長執行役員の平居正仁を委員長とする調査委員会(以下「社内調査委員会」という。)を設置した。
 さらに、旭化成は、本件杭工事に関して、(1)社内調査委員会が実施する調査結果の検証、(2)事実関係の調査(本件施工報告書に添付されたデータの調査を含む。)、(3)原因の分析、(4)再発防止策の提言、及び(5)旭化成建材が施工した過去10年間の杭工事施工実績の調査方法等に関する指導及び助言に取り組むことを目的として、2015年(平成27年)10月22日に、当委員会を設置した。

 ところで、本件マンションは、A−1棟、A−2棟、B−1棟、B−2棟、B−3棟、C−1棟、C−2棟及びD棟の計8棟からなる共同住宅である。本件マンションの敷地内には、これら8棟の共同住宅のほかに、共用棟、保育所その他の付属棟(以下「付属棟」という。)が存在するが、当委員会の設置の目的は、もっぱら、ダイナウィング工法(以下「DW工法」という。)(4)が用いられた上記8棟の杭工事に関する調査を実施することにある(5)。
 なお、現時点においては、旭化成建材が施工した本件マンション以外の杭工事においてもデータ流用の事実が判明しているため、当委員会では、原因の分析及び再発防止策の提言にあたっては、本件マンションに留まらず事実関係の調査を行う必要があると考えている。
 本中間報告書では、原則として、先行して調査を行ってきた本件杭工事に限定した範囲で、これまで行った調査の概要、原因分析及び再発防止策の概要について報告することとする。


II 当委員会の構成
 当委員会は、下記の3名で構成されている。
  委員長:弁護士 鈴木 和宏
  委員:弁護士 大森 一志
  委員:弁護士 沖田 美恵子

 なお、当委員会の各委員は、これまで旭化成及び旭化成建材と業務上の契約関係等利害関係はない。


III 当委員会による調査方法・内容

1 関係資料の精査
 本調査では、旭化成建材に現存する本件杭工事に関する契約書類、本件施工報告書その他工事関係書類等の精査・検証を実施した。
 また、社内調査委員会は、合計50名(一部の対象者については複数回)の関係者に対してヒアリングを実施したところ、当委員会では、そのヒアリング結果についても精査・検証を実施した。


2 ヒアリングの実施
 本調査では、本件杭工事の事実関係、背景事情等を明らかにするために、本件杭工事に関与した者等11名に対して(一部の対象者については複数回)、ヒアリングを実施した。
 また、建築物の杭工事に関する専門的知見を得るために、外部専門家4名に対してもヒアリングを実施した。ヒアリング実施済みの対象者は下記の表のとおりである。


(注釈)

(1) 本中間報告書でいう本件杭工事には、以下に述べる付属棟の杭工事を含まない。
(2) 電流計によって記録された、杭工事の際の掘削時のオーガー駆動装置(杭打ち機の一部である。)の電流値のデータのことをいう。
(3) 流量計によって記録された根固めの施工時間、根固めの範囲、根固め液としてのセメントミルク(水にセメントを添加混合したものをいう。)を注入するために掘削ビットを上下に反復する速度、セメントミルクの瞬間流量等を計測したデータのことをいう。根固めとは、杭の先端部に、根固め液として、あらかじめ定められた量のセメントミルクを注入して杭の先端部を球根状にし、杭の先端部をあらかじめ設計されたとおりに固定する作業のことをいう。
(4) DW工法の詳細については、第2章において述べる。
(5) 付属棟の杭工事には、DW工法とは異なる工法(RODEX工法)が用いられたことから、本中間報告書でいう本件マンションには、付属棟を含まないこととする。なお、本件マンション及び付属棟の杭工事では、合計810本の杭が打設されたところ、本件マンションについて、DW工法により打設された杭は473本であった。


 ※リリース詳細は添付の関連資料を参照


Related Contents

関連書籍

  • 死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    詩歩2013-07-31

    Amazon Kindle版
  • 星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    前田 徳彦2014-09-02

    Amazon Kindle版
  • ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    大久保 明2014-08-12

    Amazon Kindle版
  • BLUE MOMENT

    BLUE MOMENT

    吉村 和敏2007-12-13

    Amazon Kindle版