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グラクソ、抗悪性腫瘍剤「ヴォトリエント」の全例調査の承認条件が解除

2015-09-16

抗悪性腫瘍剤「ヴォトリエント(R)」の全例調査の承認条件解除について


 グラクソ・スミスクライン株式会社(社長:フィリップ・フォシェ、本社:東京都渋谷区、以下GSK)は、抗悪性腫瘍剤「ヴォトリエント(R)錠200mg」(一般名:パゾパニブ塩酸塩、以下「ヴォトリエント(R)」)に関し、厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において使用成績調査(全例調査)の結果が報告され、厚生労働省より承認条件解除の連絡を受けましたのでお知らせいたします。

 「ヴォトリエント(R)」は2012年9月28日に「悪性軟部腫瘍」の効能・効果で製造販売承認を取得しており、その際の承認条件1として使用成績調査(全例調査)が付されておりました。

 1 承認条件:国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること

 今回の承認条件の解除は、厚生労働省に提出した本調査の集計結果(584例)から、承認条件である使用成績調査(全例調査)の適切な実施により、患者背景、安全性及び有効性に係る情報が収集され、その情報に基づいて本剤の適正使用に必要な措置が講じられていると判断された結果です。

 GSKの社長 フィリップ・フォシェはこの度の承認条件解除について次のように述べています。
 「ヴォトリエント(R)の全例調査は、多くの臨床の先生方によるご協力のもとにデータを集積し、この度承認条件解除を迎えることができました。収集されたデータは、実臨床に基づく貴重な安全性ならびに有効性データとして、今後の更なる適正使用の推進に寄与するものと確信しています。なお、本剤は、今年3月に完了したノバルティス ファーマへのがん領域事業の移管にともない、現在ではノバルティス ファーマが医療関係者の皆様への情報提供活動を担っています。移管に伴う製造販売承認の承継に係わる諸手続きが進行中であり、GSKは引き続き本剤の安全管理に係わる有害事象の収集に努めてまいります。」


○「ヴォトリエント(R)」について
 「ヴォトリエント(R)」は、グラクソ・スミスクライン社が発見・開発したマルチキナーゼ阻害薬です。「血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)」、「血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)」、「幹細胞因子受容体(c−Kit)」という主に3つの標的に作用し、血管内皮細胞の増殖を抑制し、血管新生を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示します。本剤は、進行性腎細胞がんに対する治療薬として2009年に米国で初めて承認を取得して以来、世界90ヵ国以上で承認を取得しています。また、進行性悪性軟部腫瘍の治療薬としても世界80ヵ国以上において承認を取得しています。国内では、悪性軟部腫瘍の効能・効果にて2012年9月に厚生労働省より製造販売承認を取得し、2012年11月より販売しています。また、2014年3月17日には根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に対する適応追加承認を取得しています。


○がん領域事業のノバルティス ファーマ株式会社への移管について
 GSKは2015年3月2日付でがん領域事業をノバルティス ファーマに移管いたしました。この事業移管により、GSKのがん領域の製品はノバルティス ファーマに譲渡されましたが、これら製品の製造販売承認の承継につきましては、医薬品医療機器等法に従い、現在必要となる諸手続きを進めています。


<参考資料>
 ●「ヴォトリエント(R)」の使用成績調査(全例調査)について

 目的:
  ・本剤の使用実態下における安全性及び有効性に関する情報を収集し、以下の事項を把握する
  ・未知の副作用
  ・副作用の発現状況
  ・安全性、有効性に影響を及ぼす要因
 調査対象:
  患者 承認日以降本剤が投与された全症例
  (保険償還前の薬剤供給プログラムの対象症例含む)
 調査方法:全例調査方式
 観察期間:
  標準的な観察期間は本剤投与開始から1年間
  1年以内に投与を中止・終了した場合、その時点までの有害事象の有無を確認する
 調査実施:期間 2012年9月(承認日)〜承認条件解除日まで
 目標:
  症例数 300例(解析予定症例数)
  登録例数が調査を予定する症例数に到達後も一定期間登録を継続する


 ・安全性解析対象症例584例において502症例(85.96%)が投与を中止・終了していた。投与中止・終了理由の内訳は、病勢の増悪が54.58%(274/584例)と最も多く、次いで有害事象31.47%(158/584例)、来院せず(転院含む)8.76%(44/584例)等であった
  ・本剤との関連性が否定できない有害事象(以下、副作用)は467例1,720件であり、副作用発現症例率は79.97%(467/584例)であった。器官別大分類別の副作用発現症例率は、「血管障害」39.90%(233/584例)が最も多く、次いで「胃腸障害」36.13%(211/584例)、「臨床検査」24.32%(142/584例)、「一般・全身障害および投与部位の状態」及び「肝胆道系障害」各21.58%(126/584例)等であった。
  ・重篤な副作用は29.28%(171例280件)であり、報告された事象は気胸3.94%(23/584例)、肝機能異常3.08%(18/584例)等であった。



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