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東京商工リサーチ、8月の「円安」関連倒産の調査結果を発表
〔特別企画〕
「円安」関連倒産
〜8月は今年最少の5件〜
2015年の円相場は、8月になり中国経済の減速懸念から金融市場が動揺し、8月24日のニューヨーク外国為替市場の円相場は一時、1ドル=116円台まで円高に急伸した。
こうしたなか8月の「円安」関連倒産は5件(前年同月22件)にとどまった。中国経済の減速を背景に、国際商品市場での供給過剰懸念からニューヨーク原油先物市場で原油価格が約6年半ぶりに、1バレル40ドルを割り込んだ。また、鋼材価格の下落に歯止めがかからないなど、円安が必ずしもコスト高に直結しない面もみられ、経営環境は変動している。
■8月の倒産事例
服飾資材販売のワイケイノーション(株)(TSR企業コード:400893371、愛知県)は、各種服の裏地や肩パッド、ボタン、ファスナーなど様々な服飾資材の卸売を手がけ、大手商社を主体に販路を確保していた。しかし、同業他社との競合が厳しかったところに、円安による仕入価格の上昇から収益が圧迫され、支えきれなくなり破産を申請した。
■2015年1−8月の産業別、卸売業が5割増
2015年1−8月の「円安」関連倒産は109件(前年同期比41.7%減、前年同期187件)にとどまっている。産業別では、運輸業が前年同期比83.5%減(73→12件)と減少が目立ったのに対して、卸売業は同50.0%増(34→51件)と増加が目立った。今後も輸入原材料、商品などを扱う企業の動向が注目される。
※表資料・グラフ資料は添付の関連資料を参照