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NTTデータ、医療機関と臨床検査会社をつなぐ共同ネットワーク基盤サービスを提供
医療機関と臨床検査会社をつなぐセキュアな共同ネットワーク基盤サービスの提供を決定
〜臨床検査受託業界の大手エスアールエル社とLSIメディエンス社が利用を予定〜
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、医療機関と臨床検査会社の一元的なネットワーク基盤を構築し、2015年12月より「L−AXeS エルアクセス(TM)」としてサービス提供を開始することを決定しました。
医療機関と臨床検査会社では、現在電子データや紙媒体を用いて検査依頼や結果報告のやりとりが行われています。しかし医療機関が電子データを用いて複数の臨床検査会社を利用する場合、各社それぞれのネットワーク回線の敷設に対応する必要がある上、回線のセキュリティーレベルにもばらつきがあることから、煩雑化するネットワーク回線管理やセキュリティーの確保が業界全体の課題となっていました。
そこでNTTデータはこれまで医療・決済分野等で培った堅牢なネットワーク構築における技術を基盤として、本サービスの開発・提供を行うことを決定しました。これにより、医療機関と臨床検査会社はセキュアなネットワーク環境下で電子データによる検査依頼・結果報告を行うことが可能となります。なお、現時点で、臨床検査受託業界を代表する、株式会社エスアールエル(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:小川 眞史、以下:SRL)、株式会社LSIメディエンス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:吉原 伸一、以下:LSIM)の2社が本サービスのファーストユーザーとなり、年内に利用を開始することを予定しています。
今後NTTデータは利用拡大を図り、5年間で12,000医療機関への導入を目指します。また、本ネットワークを基盤とした新たなサービスの構築を検討しています。
【背景】
近年、画像診断装置等の遠隔メンテナンスや、複数の医療機関の診療情報を連携させる地域医療連携システムなど、医療分野におけるネットワーク利用が増えており、この流れは今後も拡大することが見込まれます。臨床検査受託業界においても、各社が検査依頼・結果報告のオンライン化に向けた取り組みを進めています。しかし、オンライン化を進めるに当たり、検査依頼・結果報告のように個人情報を含む医療情報を扱うネットワーク回線について、十分なセキュリティー対策を行うための費用は臨床検査会社にとって負担になるという課題があります。
また、すでに検査データのやりとりをオンライン化している医療機関においては、目的に応じて複数の臨床検査会社を利用する際には各社独自のネットワーク敷設への対応をしなければならず、複数のネットワーク回線管理が負担となっています。
そのような状況を踏まえ、NTTデータは複数の事業者で共有できる業界横断的なネットワーク構築の構想を進めてきました。今般、その構想の第一段階として、臨床検査受委託業務における検査依頼データ・結果報告データを安全に流通させる「L−AXeS エルアクセス」の開発を行い、提供を開始することとしました。
【概要】
「L−AXeS エルアクセス」は、検査依頼・結果報告の電送を行うネットワーク基盤を共有することができるサービスです。
医療機関および臨床検査会社は、Webブラウザー上から「検査依頼・結果報告ファイルのアップロード/ダウンロード」や「送信状況の確認」、「ユーザー管理」等が行えます。
また、本サービスを利用する臨床検査会社間での連携においても、同様の機能が利用可能です。
・参考資料は添付の関連資料を参照
【特長】
◆堅牢なセキュリティーを確保
NTTデータがレセプトオンライン接続サービスや地域連携サービス等で提供している「IPsec+IKE」(注1)接続である「@OnDemand(R)」(注2)を採用することにより、医療情報を扱うネットワークとして適切なセキュリティーを確保できます。また、当社の医療・決済分野等での実績を生かした堅牢な共同利用センターの運営を行います。これにより、臨床検査会社はセキュアな環境で業務を効率化できるほか、導入コストや回線管理にかかる業務コストを削減することができます。
◆業務効率化
従来媒体等の授受により行っていた検査依頼・結果報告をオンライン化することにより、検査完了から報告までのタイムラグが削減され、医療機関・臨床検査会社双方の業務効率化のみならず、最終的には検査を受ける方々に対するサービスを向上することができます。また、医療機関と共同利用センターを接続する回線は、医療機関で現在利用しているインターネット回線をそのまま使用することができるため、既存の回線を改廃することなくセキュリティーを向上させることができます。
【今後の展開について】
NTTデータは臨床検査会社における「L−AXeS エルアクセス」の利用を推進するとともに、臨床検査会社による医療機関への提供支援を実施することで、5年間で12,000医療機関への導入を目指します。
また、NTTデータは、自社の医療分野および他分野におけるソリューションと、本サービスを利用する臨床検査会社が持つ医療分野におけるノウハウとを組み合わせ、今後本ネットワーク上において臨床検査データの流通のみならず、検体流通や検査料金決済への取り組みも検討しています。
【標準価格】
医療機関1接続ごとの料金
初期料金:25,000円(税抜)月額:1,350円〜2,300円(税抜)
※料金は接続の方法により異なります。
※この他、本サービスの共同利用センターと臨床検査会社を接続するための費用等が必要となります。
(注1)インターネット上に暗号化となりすまし防止を実現するVPN通信の仕組みです。
厚生労働省が定める「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠しています。
(注2)レセプトオンライン請求用の専用ネットワークをインターネット上で手軽に利用できる医療機関向けサービスです。
現在お使いの環境に専用ルーターを設置するだけで、医療ガイドラインに準拠したセキュアな環境を構築。さまざまな用途で活用可能です。
http://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2008/071500.html
http://www.healthcare-on-demand.jp(外部リンク)
*「L−AXeS エルアクセス」は株式会社NTTデータの商標です。
*「@OnDemand」は株式会社NTTデータの登録商標です。
*その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。