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東京商工リサーチ、4月の「東日本大震災」関連倒産状況の調査結果を発表
[特別記事]
「東日本大震災」関連倒産
〜4月は8件、4カ月ぶりに10件を下回る〜
4月の「東日本大震災」関連倒産は8件だった。前月の3月(28件)が事業停止中の企業整理決定の増加などから2年11カ月ぶりに前年同月を上回ったが、4月は4カ月ぶりに10件を下回り、震災関連倒産は再び収束傾向を強めた。震災から4年を経過して累計が1,606件に達した。
■4月の倒産事例
有機農産物卸の(有)ナチュラルシードネットワーク(TSR企業コード:320774570、千葉県)は、有機農産物の取扱いに限定して全国の生産者のネットワークを広げ、商社との業務提携による販路拡大などによりピーク時の平成20年3月期には年商2億5,080万円をあげていた。しかし、東日本大震災による福島第一原発事故による風評被害から24年3月期の年商が1億5,954万円まで落ち込み赤字を計上した。その後も安価な外国産農産物との競合から経営改善を図れず破産を申請した。
電線工事の勝鹿建設(株)(TSR企業コード:292363800、東京都)は、架空・地中配電線工事を主力とし、ピーク時には完工高22億6,076万円をあげていた。しかし、東日本大震災による原発事故で東京電力関連の仕事が激減し、平成26年1月期の完工高が5億2,618万円まで落ち込んだ。この間、受注減少に関する補償問題を裁判所で解決を図るよう進めてきたが、結審の目途が立たず、業績改善の見込みもないため破産を申請した。震災関連倒産は発生ペースが鈍化しているが、震災の影響をいまだ払拭できない企業は多く、影響の大きさがうかがえる。
※表・グラフ資料は添付の関連資料を参照
※参考資料は添付の関連資料を参照