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サノフィ、抗マラリア剤プリマキンリン酸塩の製造販売承認を申請

2015-05-01

医療上の必要性の高い未承認薬
マラリアプリマキンリン酸塩の製造販売承認申請について


 サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ファブリス・バスキエラ、以下「サノフィ」)は、三日熱マラリアおよび卵形マラリアの根治治療薬として開発中のプリマキンリン酸塩(以下「プリマキン」)について、本日、厚生労働省に製造販売承認申請を行いましたのでお知らせします。

 プリマキンは、三日熱マラリアおよび卵形マラリアにおいて赤血球中のマラリア原虫を殺滅する急性期治療(殺シゾント薬投与)が行われた後、肝細胞中に残存する休眠原虫(ヒプノゾイト)を殺滅する三日熱マラリアおよび卵形マラリアの根治治療薬です。

 プリマキンは、三日熱マラリアおよび卵形マラリアの唯一の根治治療薬として、今日まで既に60年以上に亘り、国内外で臨床使用されており、海外では、エビデンス(*)に基づきWHOおよび各国のガイドライン等で本剤の臨床使用が推奨されています。日本では本剤は未承認ですが、他の代替薬がないことから、熱帯病治療薬研究班(**)に所属する医療機関にて、海外と同様の用法・用量で根治治療を目的に長年治療において使用されてきました。同研究班が長年国内で蓄積したデータおよび海外データに基づき、「寄生虫症薬物治療の手引き−2014−」が作成され、本剤の臨床使用が推奨されています。

 このような背景から、日本熱帯医学会および日本感染症教育研究会より「成人および小児マラリア患者でのプリマキンの効能申請」に関する開発要望があり、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において評価がなされ、医療上の必要性が高い薬剤として2012年4月、サノフィは開発要請を受けました。

 サノフィは「日本の健康と笑顔に貢献し、最も信頼されるヘルスケアリーダーになる」というビジョンのもと、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬の開発推進に積極的に協力し、日本の患者さんや医療関係者へ更なる貢献を続けてまいります。


以上


*Galappaththy GNL,Omari AAA,Tharyan P.Primaquine for preventing relapses in people with Plasmodium vivax malaria.Cochrane Database of Systematic Reviews 2008,Issue3.

 Galappaththy GNL,Tharyan P,Kirubakaran R.Primaquine for preventing relapse in people with Plasmodium vivax malaria treated with chloroquine.Cochrane Database of Systematic Reviews 2013,Issue 10.art.No.:CD004389.[DOI:10.1002/14651858.CD004389.pub3]

**厚生労働科学研究費補助金・医療技術実用化総合研究事業(臨床研究・治験推進研究事業)
 「わが国における熱帯病・寄生虫症の最適な診断治療体制の構築」(略称:熱帯病治療薬研究班)


・三日熱マラリアおよび卵形マラリアについて
 マラリアは、ハマダラカがマラリア原虫を媒介することにより生じる感染症です。
 ヒトに感染するマラリア原虫は、Plasmodium属のPlasmodium vivax(三日熱マラリア原虫)、Plasmodium ovale(卵形マラリア原虫)、Plasmodium falciparum(熱帯熱マラリア原虫)、Plasmodium malariae(四日熱マラリア原虫)、サルマラリア原虫の1種であるPlasmodium knowlesiの5種類です。
 WHOの報告(1)によると、2012年には全世界で2億700万人がマラリアに罹患し、死亡は627,000人と推定され、サハラ以南のアフリカを除く地域でのマラリアの罹患患者数は33,300,000人、そのうち三日熱マラリアが50%を占めると推定されています。
 現在、国内でみられるマラリアは、土着マラリアではなく輸入マラリアです。国内では、2003〜2012年に、熱帯病治療薬研究班に所属する医療機関にて、本剤が投与された三日熱マラリアおよび卵形マラリアの患者数は94例(2)でした。

 1.World Health Organization.WORLD MALARIA REPORT 2013
 2.Travel Medicine and Infectious Disease(2014)http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1477893914002191#


プリマキンについて
 三日熱マラリアおよび卵形マラリアの治療は、血液中のマラリア原虫を殺滅する殺シゾント薬を用いて発熱等の急性期の臨床症状を改善します。しかし、肝細胞内に残存する休眠原虫のために急性期の症状が改善して1ヵ月〜数ヵ月、時には1年程度の期間を経て再発することがあり、肝細胞内の休眠原虫を殺滅して完全治癒するためにプリマキンが使用されます3。
 3.Cox−Singh J,Singh B.Knowlesi malaria:newly emergent and of public health health importance?.Trend Parasitol.2008;24(9):406−10.


・サノフィについて
 サノフィ・グループは、フランス・パリに本社を置きグローバル事業を統合的に展開するヘルスケアリーダーです。世界100カ国に11万人以上の社員を擁するサノフィは、糖尿病治療、ヒト用ワクチン、革新的新薬、コンシューマー・ヘルスケア、新興市場、動物用医薬品、新生ジェンザイムの7つを成長基盤として、患者さんのニーズにフォーカスした治療ソリューションの創出・研究開発・販売を行っています。サノフィは、パリ(EURONEXT:SAN)およびニューヨーク(NYSE:SNY)に上場しています。
 日本においては、約2,650人の社員が、「日本の健康と笑顔に貢献し、最も信頼されるヘルスケアリーダーになる」をビジョンに、医薬品の開発・製造・販売を行っています。詳細は、http://www.sanofi.co.jpをご参照ください。



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