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帝人、木材資源と高機能繊維の融合による木造建築物用集成材の技術開発を開始

2015-02-07

木材資源と高機能繊維の融合による木造建築用AFRWの技術開発について


 帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:鈴木 純)は、このたび、高機能繊維を使用した木造建築物用集成材(*)(AFRW:Advanced Fiber Reinforced Wood)を開発し、木造中低層建築物への展開に向けた技術開発プロジェクトを開始することとしました。

 *集成材:木材の大きな節や割れなどの欠点を取り除き、その繊維方向を平行に揃えて、厚さ、幅、および長さの方向に補強材を接着した木質材料。人工素材にはない木の良さを活かした材料であり、自由な形状や長さにできることから、品質の安定した木質材料として、和室用の部材から大型建築物まで幅広く利用されている。

 近年、東日本大震災など地震災害による建築物の被災を背景として、安心・安全な建築物に対する需要が高まる中、建築物の軽量化や耐震性に優れるという観点から木造構造が注目されています。また、断熱性や意匠性、リラックス効果、設計の自由度などの特性からも木材の活用が見直されており、さらに林業の再活性化なども求められています。このような背景から、平成22年に定められた公共建築物等木材利用促進法では、体育館、福祉施設、地域官公庁などの低層公共建築物の木材化が求められていますが、木材の剛性の低さや、それによる意匠性の制約などにより進捗が遅れているというのが現状です。

 こうした中、当社は建築物への木材活用を促進するソリューションとして、アラミド繊維や、グループ企業である東邦テナックス株式会社(http://www.tohotenax.com/tenax/jp/index.php)の炭素繊維で長年培ってきた繊維強化複合材料におけるノウハウを基に、高機能繊維を使用した木造建築物用AFRWを開発しました。一例として、補強繊維として炭素繊維を使用した集成材(CFRW:Carbon Fiber Reinforced Wood)は、一般的に木造の中低層建築物に用いられる集成材に、剛性の高い薄肉化した炭素繊維複合材を貼り合わせたもので、木材の2倍以上の曲げ剛性が実証されています。また、このCFRWを建築材の梁などに使用することで、建築物の耐久性や意匠性が向上することがわかっており、これらの効果から、幅広く木材を適用させることが期待できます。

 ※参考画像は添付の関連資料を参照


 このように帝人は、靱性や剛性といった異なる強度特性を有するアラミド繊維炭素繊維、およびそれらのハイブリッドによるAFRWの技術開発を進め、木造建築物への適用に向けたノウハウを集積して、顧客ニーズに応える形で大空間建築物や中層ビルへの展開を目指していきます。

 また、当プロジェクトは、帝人グループが発展戦略における成長コンセプトの1つとして掲げた「高機能複合材料による顧客価値の実現」の一例となるものであり、これを契機として、より積極的に社会的ニーズの大きい建築構造材向けの複合材料開発に取り組んでいきます。

 なお、このAFRWの開発は、経済産業省四国経済産業局http://www.shikoku.meti.go.jp/)が高機能素材の活用により成長市場への展開を目指して取り組んでいる「次世代マテリアル・クラスター四国」のプロジェクトとして位置づけられており、帝人は、木質構造や木質材料などを研究している高知大学などと連携し、四国産業の活性化や林業の再興にも貢献していきます。




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