Article Detail
フジタ、製作が容易で高性能な座屈拘束ブレース「FIRSTブレース」の普及を開始
製作が容易で高性能な「FIRSTブレース」の普及を本格化
株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:上田卓司)は、製作が容易で耐震性の高いフジタ式座屈拘束ブレース「FIRSTブレース(※1)」を開発し、普及を本格的に開始しました。すでに、物流倉庫5棟、生産工場1棟、事務所ビル1棟の新築工事で適用しており、学校と病院の耐震改修工事にも適用しています。今後も、新築、改修を問わず、積極的にご提案し、建物の高耐震化のニーズに応えてまいります。
一般にブレースは、引張強度に比べて、圧縮強度が座屈によって低くなるという面があります。「FIRSTブレース」は座屈しないブレースとして開発したもので、耐震部材として2013年に一般財団法人 日本建築総合試験所から建築技術性能証明(※2)を取得しています。
座屈拘束ブレースは、軸力を伝える芯材を座屈拘束材で覆い、圧縮強度が低下する座屈を防止した部材です。圧縮時にも引張時と同等の耐力と変形性能を発揮させることができます。
「FIRSTブレース」は、芯材のH形鋼、座屈拘束材の鋼管ならびに芯材と座屈拘束材の間のモルタルで構成しています。芯材の材端部はカバープレートによって補強を施します。座屈拘束材は円形または角形の鋼管を用います。モルタル充填部には鋼製型枠を用いて空洞を設けており、これにより、モルタルの量を少なくできるだけでなく、芯材が圧縮変形したときに芯材端部の補強部がモルタルに干渉することを防止できます。また、芯材とモルタルおよび鋼製型枠との接触面にはアンボンド材(摩擦力をなくすシート状のゴム材)を貼付しており、芯材の軸力が周囲へ伝わらないようにしています。鋼製部分の製作は一般の鉄骨部材として鉄骨製作工場で行い、モルタルの充填は、プレキャスト部材製作工場で行う場合と現場施工とする場合があります。このように、構成が簡易で、製作には特殊な技術が不要なことから、低コストを実現しています。
「FIRSTブレース」の活用により、地震による建物の損傷を防ぎ、長期にわたって建物を安全・安心に使用することができます。
※1 FIRSTブレース:Fujita Improved and Reinforced Steel Braceの略称。
※2 GBRC性能証明 第12−34号
*参考資料は添付の関連資料を参照