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ノバルティス、パーキンソン病治療薬「スタレボ配合錠 L50、L100」を薬価基準収載し発売

2014-12-04

パーキンソン病治療薬「スタレボ(R)配合錠 L50、L100」
薬価基準収載ならびに新発売のお知らせ
服薬錠数を減らして患者さんの服薬時の負担を軽減する配合剤


 ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:ダーク・コッシャ)は、「パーキンソン病〔レボドパ・カルビドパ投与において症状の日内変動(wearing−off現象(*1))が認められる場合〕」を適応とした、「スタレボ(R)配合錠 L50、L100」(一般名:レボドパ/カルビドパ水和物/エンタカポン、以下「スタレボ」)が、本日付で薬価基準に収載されましたことをお知らせいたします。なお、発売日は本年12月8日を予定しています。

 ※製品画像は添付の関連資料を参照


 「スタレボ」は、産生が減少することでパーキンソン病の運動障害などを引き起こすと考えられているドパミンの前駆体(*2)である「レボドパ」、ドパ脱炭酸酵素阻害剤(DCI)である「カルビドパ水和物」、および末梢カテコール−O−メチル基転移酵素(COMT)阻害剤である「エンタカポン」の3成分の配合剤です。本剤は、wearing off現象の認められるパーキンソン病の患者さんが、1回あたりの治療で、レボドパ・カルビドパ配合剤とエンタカポンを併用した場合と同等の治療効果を1剤で得られるよう開発されました。
「スタレボ」は、1回のwearing off現象に対する服薬錠数を確実に減らすことで患者さんの服薬時の負担を軽減するとともに、服薬管理がより簡便となることから、さらなる服薬コンプライアンスの向上が期待されます(1)。

 ノバルティス ファーマ株式会社 代表取締役社長であるダーク・コッシャは次のように述べています。「パーキンソン病の患者さんでは嚥下機能の低下がみられ、疾患が進行することで経口薬の嚥下負担が増す方もいらっしゃいます(2)。このような患者さんにとっては、wearing off現象の治療のための服薬回数や薬剤錠数の増加は負担となります。新たなレボドパ配合剤である『スタレボ』の発売により、wearing off現象の認められるパーキンソン病の患者さんの服薬時の負担が軽減し、QOLが向上することを願っています」

 「スタレボ」は、フィンランドのオリオン・ファーマ社により創製・開発され、ノバルティス ファーマ社(スイス)が導入した薬剤です。海外ではStalevoRの製品名で2003年に米国で最初に承認されて以来、世界90カ国以上で承認されています。

 国内では、2008年よりノバルティス ファーマ株式会社が開発を始め、その後、2012年に「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」での検討結果に基づき厚生労働省より開発要請を受けました。


パーキンソン病について>
 パーキンソン病は、50〜60歳代で発症することの多い、中脳黒質のドパミン産生神経細胞が変性・脱落する進行性の神経変性疾患で、国内における患者数は約15万〜18万人と推定されています(3)。発症原因は不明ですが、脳内でのドパミンの不足がさまざまな運動障害を引き起こすと考えられており、主な症状は静止時振戦、筋固縮、無動、及び姿勢反射障害です。


パーキンソン病治療について>
 パーキンソン病の治療ではドパミンを補充するレボドパの経口投与が中心であり、レボドパの末梢での代謝を阻害し、より効率的にレボドパを脳内へ移行させる目的で、レボドパ・DCI配合剤(*3)が広く用いられています。しかしながら、疾患の進行に伴いレボドパの薬効持続時間(on時間)が短縮し、次の服薬前に効果が消失するwearing off現象が認められ、患者さんの日常生活に支障を来たすこともあります。この短縮したレボドパの薬効持続時間を延長させる目的で、もうひとつの末梢でのレボドパ代謝酵素であるCOMTを阻害するエンタカポンをレボドパ・DCI配合剤と併用する治療が開発され、この組み合わせは、wearing off現象を改善する治療として、「パーキンソン病治療ガイドライン2011」においても推奨されています(3)。


<エンタカポン(製品名:「コムタンR」)について>
 エンタカポンは、創製・開発元であるフィンランドのオリオン・ファーマ社よりノバルティス ファーマ社(スイス)が導入した薬剤です。海外ではCOMTANRとして、1998年にフランス、オーストリアで発売以来、アメリカ、スイスなど世界70カ国以上でパーキンソン病におけるwearing−off現象の改善を目的に使用され、多くのパーキンソン病患者さんの日常生活動作(ADL)の改善ならびにQOLの向上に貢献しています。

 日本では「コムタンR錠100mg」の製品名で、2007年4月より、レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジドとの併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing−off現象)の改善を適応として発売されています。

 *1 wearing−off現象:レボドパの薬効時間が短縮し、レボドパ服用後数時間を経過するとレボドパの効果が消退する現象を言います。レボドパの効果が現れている“on”時間と、レボドパの効果が切れている“off”時間をレボドパの服薬時間に応じて1日に何度も繰り返すことが特徴です。レボドパ・DCI配合剤治療患者の30%にみられ、レボドパ・DCI治療歴が長いほど発現頻度が高くなるとの報告があります(4)。

 *2 前駆物質:代謝され薬効を発揮する前の物質のことを意味します。ドパミン血液脳関門を通過できないため、通過できるようドパミンを化学的に修飾したレボドパが治療薬として用いられています。

 *3 レボドパ・DCI配合剤:DCIはドパ脱炭酸酵素阻害剤のことで、COMTのほかに末梢でレボドパを代謝するもう一つの酵素(ドパ脱炭酸酵素)の働きを阻害する薬剤です。配合剤にはレボドパ・カルビドパまたはレボドパ・ベンセラジドの組み合わせがあります。


<参考資料>
 1.Myllyla V2006
 2.Pfeiffer RF 2003
 3.パーキンソン病治療ガイドライン2011(日本神経学会)
 4.中村 他1997


■ノバルティス ファーマ株式会社について
 ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体の2013年の売上高は579億米ドル、研究開発費は99億米ドル(減損・償却費用を除くと96億米ドル)でした。ノバルティスは、約133,000人の社員を擁しており、世界150カ国以上で製品が販売されています。詳細はインターネットをご覧下さい。http://www.novartis.co.jp/


以上


<参考資料>

 ※添付の関連資料を参照




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