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富士経済、ユーティリティーシステムのメンテナンス・監視サービスの国内市場調査結果を発表

2014-09-19

自家発電、受変電関連、熱源システムなど、ユーティリティシステムの
メンテナンス、監視サービスの国内市場を調査

―2020年度市場(2013年度比)―
●産業用太陽光発電システムのメンテナンスサービス市場 604億円(3.7倍)
―法定点検に加え、性能診断や洗浄などのサービスの導入により市場は拡大―
●パッケージエアコンのメンテナンスサービス市場 1,259億円(33.9%増)
―ビル用マルチエアコンの出荷拡大に伴いメンテナンスの需要も増加―


 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、自家発電システム、受変電関連システム、熱源システムなどのユーティリティシステムを対象として、それらのメンテナンスサービス、遠隔監視・状態監視サービスといったストックビジネスの市場動向を調査した。その結果を「ユーティリティシステムにおけるストックビジネスの現状と将来展望」にまとめた。
 報告書では、自家発電システム4品目、受変電関連システム3品目、熱源システム8品目、その他ユーティリティシステム4品目の計19品目を対象に、ICT技術の活用により高機能化が進むストックビジネス市場の現状を分析し、今後を予測した。
 なお、メンテナンスサービス市場は保守点検や故障対応などの作業にかかる人件費や交換部品・消耗部品などの費用を対象とし、遠隔監視・状態監視サービス市場は導入時のイニシャルコストを除いた年間サービス料を対象とした。

<注目市場>
 ●産業用太陽光発電システム(公共向け含む)のストックビジネス国内市場

 ※表資料は添付の関連資料「表資料1」を参照

【メンテナンスサービス】
 メンテナンスサービス市場は、契約時一括またはスポット的に発生する料金を年間サービス料相当に配分して算出した。市場動向は、システムの出力規模で大きく異なっている。
 FIT(固定価格買い取り制度)によって太陽光発電システムの経済性が一層重視されるようになり、発電状況を良好に保つための定期的なメンテナンスの必要性が認知されつつある。2013年度の市場は前年度比68.0%増の163億円となった。特に、高圧分野(出力50kW〜2MW未満)におけるメンテナンスの外部委託が急増した。
 高圧分野や特別高圧分野(2MW〜)では、義務付けられた法定点検に加え、今後は性能診断や洗浄などのサービスの導入が進むとみられる。低圧分野(10〜50kW未満)においてもメンテナンスの必要性が認知されてきており、システム導入時のメンテナンスサービスの導入率上昇が期待される。今後も各分野で市場は拡大し、2020年度には2013年度比3.7倍の604億円が予測される。

【遠隔監視・状態監視サービス】
 サービス事業者がデータセンターなどを通じてシステムの運転状況を24時間監視することでトラブルの早期発見を行うサービスであり、2013年度の市場は前年度比2.5倍の15億円となった。
 出力100kW以上の高圧分野や特別高圧分野を中心に導入されている。事業収益が重視される2MW以上の大規模システムでは、故障や不具合による発電量低下の早期発見とメンテナンスが収益向上に直結するため、今後は接続箱(ストリング)単位の詳細な計測サービスの導入が標準化すると想定される。低圧分野向けは、住宅用向けサービスを産業用向けに拡大させたサービスが多く、パワーコンディショナの監視のみに機能を限定するなど、システムを簡素化してイニシャルコストを抑制するタイプが多い。低圧分野向けは、定着に時間がかかるが、保守人員の不足やメンテナンス業務効率化の観点により徐々に導入が増加するとみられる。
太陽光発電システムの設置数増加に伴い、各分野で成長が期待され、2020年度の市場は、2013年度比5.5倍の82億円が予測される。

 ●パッケージエアコン(店舗・設備用、ビル用マルチ)のストックビジネス国内市場

 ※表資料は添付の関連資料「表資料2」を参照

【メンテナンスサービス】
 メンテナンスサービス市場は、年間の定期点検サービス料を対象とした。2013年度の市場は、前年度比4.9%増の940億円となった。ビル用マルチエアコン向けが市場の8割を占めている。ビル用マルチエアコンは設置されたビル全体のメンテナンスの一環として、定期的な保守契約が結ばれることが多く、定期点検の実施率は店舗・設備用のパッケージエアコンに比べて高い。
 ビル用マルチエアコンの出荷増加が、市場拡大に寄与すると見られ、2020年度は2013年度比33.9%増の1,259億円が予測される。今後は、ビル用マルチエアコン向けを中心に、ビッグデータ活用による最適制御や省エネ運転を実現するサービスも期待される。

【遠隔監視・状態監視サービス】
 ビル用マルチエアコンの設置が多い中規模のオフィスビルを中心に導入され、2013年度の市場は前年度比4.2%増の173億円となった。新規設置の際に導入するケースが増えており、現在は新規の10%前後で導入されている。遠隔監視・状態監視サービスは、メーカーが主体となって展開しており、定期点検とセットで提供され、長期契約となるのが一般的である。メーカーでは、故障の早期発見や故障予知による対応の迅速化に加え、自社製品のリプレイス需要獲得や蓄積した運用実績を元にした省エネ提案につなげている。

<調査結果の概要>
 ■ユーティリティシステムにおけるストックビジネスの国内市場

 ※表資料は添付の関連資料「表資料3」を参照

 市場の成長は、対象となるユーティリティシステムの導入拡大が鍵となる。FIT開始後から設置が急増した産業用太陽光発電システムや、高効率かつ個別分散型の機器への転換が進む空調システムなどの普及が成長をけん引するとみられる。また、遠隔監視・状態監視サービスの導入率上昇とサービス内容の高付加価値化に伴う単価上昇も市場の拡大を後押しすると期待される。

【メンテナンスサービス】
 2013年度のメンテナンスサービス市場は、9,325億円となった。今後も各品目向けが順調に成長するとみられ、2020年度は2013年度比13.3%増の1兆564億円が予測される。
 自家発電システム4品目の市場は、2013年度に前年度比6.3%増の1,465億円となった。定期的なメンテナンスの実施が義務付けられている非常用ディーゼルエンジン発電システム向け、スポット契約が一般的な非常用ガスタービン発電システム向けが合わせて5割を占めている。今後は産業用太陽光発電システム向けの需要が増加し、市場拡大をけん引するとみられ、2020年度は2013年度比32.5%増の1,941億円が予測される。
 受変電関連システム3品目の市場は、2013年度に前年度比1.2%増の2,118億円となった。高圧受電設備向けが9割弱を占めている。産業用太陽光発電システムの設置に伴う高圧受電設備の需要増加に加え、産業用UPSがデータセンター向けで拡大が期待され、2020年度の市場は2013年度比10.2%増の2,334億円が予測される。
 熱源システム8品目の市場は、2013年度に前年度比0.7%増の3,283億円となった。パッケージエアコン、冷凍・冷蔵ショーケースや貫流ボイラなど、普及台数が多い品目向けが中心である。ビル用マルチエアコンの出荷増に伴うメンテナンスサービス需要の増加により、2020年度の市場は2013年度比7.2%増の3,521億円が予測される。
 その他ユーティリティシステム4品目の市場は、2013年度に2,459億円となった。昇降機向けが大部分を占めている。

【遠隔監視・状態監視サービス】
 2013年度の遠隔監視・状態監視サービス市場は、前年度比2.5%増の1,308億円となった。同サービスの普及進度は品目によって大きく異なる。今後は、自家発電システム向けや熱源システム向けがけん引し、毎年2%前後の拡大を続けるとみられ、2020年度は2013年度比13.6%増の1,486億円が予測される。

<調査対象>
■自家発電システム
 ディーゼルエンジン発電システム、ガスエンジン発電システム、ガスタービン発電システム、産業用太陽光発電システム(公共向け含む)

■受変電関連システム
 高圧受電設備(キュービクル)、特別高圧受電設備、産業用UPS

■熱源システム
 貫流ボイラ、ターボ冷凍機、吸収式冷凍機、チリングユニット、パッケージエアコン、ガスヒートポンプ、冷却塔(クーリングタワー)、冷凍・冷蔵ショーケース

■その他ユーティリティシステム
 PSA酸素発生装置・PSA窒素発生装置、LNG気化設備、昇降機、純水製造装置・超純水製造装置

<調査方法>
 富士経済専門調査員による参入企業及び関連企業・団体などへのヒアリング及び関連文献調査、社内データベースを併用

<調査期間>
 2014年4〜6月


以上


 資料タイトル :「ユーティリティシステムにおけるストックビジネスの現状と将来展望」
 体裁     :A4判 200頁
 価格     :書籍版 150,000円+税
          PDF/データ版 160,000円+税
          書籍版・PDF/データ版セット 170,000円+税
 調査・編集  :株式会社富士経済 東京マーケティング本部 第二統括部 第四部
          TEL:03−3664−5821 FAX:03−3661−9514
 発行所    :株式会社富士経済
          〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
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          この情報はホームページでもご覧いただけます。
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