独ライカカメラ、最適な描写性能などを実現した「ライカS（Typ　００７）」を発売

新製品：ライカS
より最適な描写性能と、高いハンドリング、レスポンスを実現


　ライカカメラ社（Leica　Camera　AG、本社：ドイツ・ヴェッツラー、以下ライカ）は「ライカS　システム」のラインアップに、新たな最上位モデル「ライカS（Typ　００７）」を投入します。新たな「ライカS」は先行モデルをさらに発展させ、「ライカCMOS」センサーや「ライカ　Maestro（マエストロ）II」イメージプロセッサーを始めとする斬新なコンポーネントを多数装備。ミドルフォーマットフォトグラフィーという分野に新たな次元を切り拓くモデルです。

　静止画では、最高の速写性能、データ転送の高速化（データ転送時の速度）、きわめて高感度なセンサー、そしてあらゆる状況に対応できる撮影モードの組み合わせが実現しました。さらに今回、抜群の高画質による動画撮影も可能になったことで、最大限の機動力と情熱が求められる撮影現場において、ミドルフォーマットならではの卓越した描写性能を存分に発揮できるようになりました。「ライカS」はミドルフォーマットカメラ独自の特長を多数装備しており、撮影のワークフローを大幅に加速し、簡素化します。カメラ本体が新しくなったのに加えて、新たなレンズ「ライカ　ズミクロン　S　１００mm　f／２　ASPH．」も登場。「ライカS　システム」の能力をさらに拡大します。このポートレート用望遠レンズは、明るさと描写性能に新たな基準を打ち立てる画期的なレンズです。さらに今回、新たなエントリーモデル「ライカ　S−E（Type　００６）」も、「ライカS　システム」ファミリーの一員に加わりました。

　ライカのプロフェッショナルフォト部門のトップを務めるシュテファン・シュルツは次のように述べています。「「ライカS」は「ライカS　システム」の発展がもたらした当然の成果です。デジタル専用に開発された「ライカS　システム」というコンセプトが、ミドルフォーマットの写真の世界に新たな基準を打ち立てる一方で、３５mm一眼レフが持つスピードとハンドリングをも実現していることを再認識させるモデルです。耐久性や信頼性、そして汎用性も備えていることを考えれば、妥協を許さない写真家にとっては、新しい「ライカS」が第一の選択肢になることでしょう」。


■高品質と高速化を実現する新たな撮像素子と画像プロセッサー
　「ライカS」の最も画期的なイノベーションは、新開発の「ライカCMOS」センサーと「Maestro（マエストロ）　II」イメージプロセッサーです。これらのコンポーネントにより「ライカS　システム」のスピードと汎用性は飛躍的に向上し、今までミドルフォーマット分野では実現不可能だった高いレベルに到達しています。「ライカS（Type　００７）」は、毎秒最大３．５コマという連写機能枚数バーストレート、フルフレームミドルフォーマットというセンサーでのフルハイビジョン動画および４K動画の撮影、高速『ライブビュー』モード、そしてあらゆるISO設定での卓越した描写性能を備えた、ミドルフォーマット分野における新基準を改めて証明するモデルです。２GBのバッファメモリにより高速シーケンスでもスムーズな撮影を確保しているほか、連写機能枚数の能力を２倍超に強化したにもかかわらず、新採用のフォーカルプレーンシャッターにより、最低１５万ショットという大幅な長寿命化も実現しています。


■動く被写体を捉える高速の予測AFモジュール
　オートフォーカスシステムが刷新され、より高速になったうえ、フォーカシングの信頼性と精度も向上しています。「ライカS（Typ　００７）」では、動く被写体をシャープに捉えて迅速な追尾を確保するため、予測オートフォーカスモードを装備しました。これはカメラが被写体の動きを記録し、撮影時の被写体までの距離を割り出す機能です。魅惑的な描写性能および高速の連写性能と相まって、「ライカS」はアクティブなプロフォトグラファーにふさわしい新たな基準を打ち立てるカメラとなりました。


■内蔵の無線LAN、GPSシステム、レベリングエイドが精度とワークフローの簡素化をアシスト
　現在、プロ用ミドルフォーマットデジタルカメラとしては「ライカS」のみがGPSモジュールを内蔵しており、必要に応じて撮影地の地理的位置データを画像のExifデータに記録できるとともに、時間（内蔵時計）も自動的に設定できます。この緯度と経度に基づいて、コンピューターにインストールされた適切なソフトウェア（たとえば本機に付属しているAdobe(R)　Photoshop(R)　Lightroom(R)）で各画像の正確な位置を地図上に表示し、対応する地名を登録することができます。また、新たに搭載された二軸レベラー（アルコール水準器）が読んだ情報をビューファインダー内に表示するので、外付けのレベラーを使わなくても、水平面と垂直面を確認してカメラをきわめて正確に設置できます。さらに、カメラ本体に無線LANモジュールを内蔵しているため、スマートフォンやタブレットのアプリと組み合わせれば、離れた場所からカメラ操作や『ライブビュー』モードによる画像確認が可能になります。そのためワークフローが簡素化し、より直感的に作業を行えます。


■液晶モニターの改善および表示の最適化
　「ライカS」は解像度９２１，６００画素のモニターを採用しています。対角線の長さは３インチで、sRGBの色空間を持っているうえ、コントラストと明るさも向上しているため、あらゆる状況下で被写体と画像の確認を最大限に行えます。モニター画面のカバーガラスには、丈夫で傷が付きにくいコーニング社のゴリラガラスを採用しています。

　「ライカS」は上面パネルの設計を改良し、より大きな半透過型液晶ディスプレイを搭載するとともに、表示する情報の内容も最適化しました。そのためたとえ明るい直射日光の下でも、読み取りやすさを確保しています。上面に新たに装備した２種の操作ボタンにより、「ライブビュー」モードの選択と動画撮影の操作をダイレクトに行えます。


■高い耐久性
　「ライカS」カメラは日常的に長期にわたってご利用いただけるよう設計・製造しています。新採用のステンレス製バヨネットにより、たとえ非常に過酷な使用状況下でも、耐久性が確実に向上しています。「ライカS（Typ００７）」は、「Sシステム」が持つ実証済みの優れた品質特性を全て備えています。もちろんこれには３０×４５mmという大型の「ライカ　プロフォーマット」撮像素子と、隅々に至るまで均等な明るさを確保するマイクロレンズテクノロジーも含まれています。「ライカS」のカメラとレンズは非常に堅牢にできていて、ほこりや雨などの影響を防ぐ密封構造になっています。また「ライカS　システム」独自のデュアルシャッターコンセプトを採用し、最高１／４０００秒という高速なフォーカルプレーンシャッターや、最高１／１０００秒までのシャッター速度にフラッシュを同調できるCSレンズのセントラルシャッターのいずれかをユーザーが選択できます。現在、「ライカS　システム」のレンズは１０種類をラインアップしており、うち６種類はセントラルシャッター付きです。これらのラインアップにより主要な焦点距離を全てカバーするとともに、高品質のチルト／シフト・レンズも提供しています。また、アダプターを使用して、他社製の中判カメラ用レンズを「ライカS」でお使いいただくことも可能です。たとえば「ライカS　アダプターH」を使用すれば「ハッセルブラッドH」レンズを、そして「ライカS　アダプターC」を使用すれば「コンタックス６４５」レンズを、オートフォーカス、セントラルシャッター（ハッセルブラッド）、自動絞りなどのレンズ機能もそのままに、全ての「ライカS　システム」カメラに装着できるようになります。

　「ライカS」は最大限の信頼をおいてお使いいただけるよう、妥協のない頑丈な構造を採用するとともに、コンパクトフラッシュカードとSDメモリーカードの個別スロット、さらに改善された省エネ性能、傷が付きにくいディスプレイなど、細部に至るまで配慮を尽くしています。このように「ライカS」は、スタジオでも条件の悪いロケーションでも最高品質の成果を達成できる、理想的できわめて信頼性の高いカメラです。

　「ライカS」には「ライカ　プロテクションプラン（LPP）」を用意しています。このプランは、３年間の保証延長や修理時の代替機貸し出しをはじめ、多数のメリットを提供するものです。

　「ライカS（Typ　００７）」は、ライカストアおよびライカS　システム認定特約店にて、２０１５年発売予定です。


　※製品画像・リリース詳細は添付の関連資料を参照