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大成建設、CO2排出80%減の「環境配慮コンクリート」を開発

2014-09-12

CO2排出80%減、「環境配慮コンクリート」を実施適用


 大成建設株式会社(社長:山内隆司)は、コンクリートにおける産業副産物の使用割合を極限まで高めた「環境配慮コンクリート」を開発、実施適用しました。産業副産物を使用することでCO2の排出が抑えられるため、製造に由来するCO2排出量を実施工で80%削減することが可能です。エネルギー問題や地球温暖化問題の解決に貢献することが期待されます。


【CO2削減に向けた取り組み】
 一般的なコンクリートでは、CO2排出量の90%近くが製造過程において排出されます。そこで近年では、コンクリートの主要材料であるセメントの一部を、CO2排出が少ない産業副産物の高炉スラグやフライアッシュなど(注1)と置換した混合セメントを使用することで、CO2排出量を抑制する取り組みがなされています。
 当社でも高炉スラグなどの置換率をコントロールし、構造物に求められる性能や材料の供給体制に応じながらも、環境負荷低減が可能なコンクリートの研究・開発を進めています。


【セメントを使用しないコンクリートを開発、実施適用】
 一般的に、コンクリートの材料として高炉スラグを多量に用いると、アブサンデン現象と呼ばれる、仕上がり表面が脆くなる現象が生じ易くなります。また、冬季や夏季の施工では、硬化や強度の発現が遅くなったり、ひび割れが発生することも懸念されます。
 これらの課題を克服するため、当社では高炉スラグの硬化を促進するために用いる刺激剤の改良に着目しました。刺激剤の材料と、その組み合わせについて研究を重ねた結果、最適な配合を見出し、セメント全てを高炉スラグに置換しても、アブサンデン現象を抑制でき、夏季や冬季の施工安定性に優れた本コンクリートを開発しました。


【実施施工により性能を確認】
 年間を通した安定性を実施工において確認すべく、夏季施工として2013年8月、JFEスチール東日本製鉄所京浜地区圧延工場(神奈川県川崎市)に、また冬季施工として2013年2月、当社技術センター建設ICT実験棟(神奈川県戸塚区)において実施適用しました。
 その後モニタリングの結果、ひび割れの発生がなく、硬化や強度発現が順調であり、コンクリートの材料製造に関わるCO2排出量も、従来と比較して約80%削減できたことを確認しました。汎用性、実用性を重視しており、いずれも24N/mm2クラスの強度で実施しています。
 今後とも、構造物の特徴や材料の供給体制にあわせて環境負荷を低減したコンクリートを積極的に提案していく予定です。


 (注1)高炉スラグ:銑鉄の製造で排出される、鉄鉱石の不純物と副原料である石灰石と燃料の灰からなる副産物。
  フライアッシュ:発電所などのボイラーで石炭を燃焼したときに回収される微粉末の灰。

 (注2)高炉セメント(B種)
  ポルトランドセメントと高炉スラグを混合したJISで定められるセメント。一般にはスラグ含有率40〜45%のものが流通。グリーン購入法の調達品目である(平成25年度 特定調達品目調達ガイドライン(案)、国土交通省)。


 ※参考画像は添付の関連資料を参照





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