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KDDI研究所など、電子透かし入り動画コンテンツの高速生成技術を開発

2013-10-12

電子透かし入り動画コンテンツの高速生成技術を開発
ユーザ情報の埋め込みを実現
配信動画の違法アップロード抑止へ


 KDDI研究所と、三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(取締役社長:森田温/以下、MDIS)は、ユーザ(コンテンツ購入者)ごとに異なる電子透かしを埋め込んだ動画コンテンツを高速に生成する技術を共同で開発しました。本技術を利用すると、10分の電子透かし入り動画コンテンツをおよそ2秒(ビットレート7Mbps、サイズ約500MB)で生成でき、実用レベルの高速化が可能となります。動画コンテンツ配信サービスで本技術を利用すると、配信された動画が違法アップロードされた際に電子透かしによって行為者を容易に特定することができます。

【背景】
 コンテンツサービス市場の拡大に伴い、動画コンテンツの流通が急速に進む反面、インターネット上での動画コンテンツの違法流通の拡大は正規の流通を脅かすほどになっているといわれています。このため、各サービス事業者は、自社の暗号化/復号技術と再生用アプリを用いてコンテンツを保護するDRM(※1)や、動画ファイルに著作権情報やユーザ情報を埋め込む電子透かし(※2)といった技術で違法流通を抑止しています。しかし、DRMは独自コンテンツ保護技術の開発と維持にコストがかかり、電子透かしはユーザ情報の埋め込み及びその後のエンコード処理に時間(動画コンテンツの実時間程度)がかかるため、ユーザの配信要求毎に電子透かしを埋め込むことは困難でした。

【今回の成果】
 本技術では、1つのコンテンツに対し異なる電子透かしを埋め込み、エンコード処理した動画コンテンツを予め数種類用意しておき、配信時にユーザ情報に基づいてコンテンツファイルを抽出、再結合し配信します。動画のエンコード処理では前後フレームとの差分を利用するため、単純に任意のフレームで抽出/結合をすると絵が崩れたり、劣化したりしますが、本開発ではエンコード処理や抽出/結合を適切に行うことで、この問題を解決しています。さらに、動画全体がなくても一部の動画データからユーザ情報を取り出せるようにするため、フレームに埋め込む情報量や再結合前に抽出する動画データ量などにチューニングを施しています。結果として数十秒から数分程度の動画があればユーザ特定可能なレベルに最適化することができました。

【今回使用した映像用電子透かし】
 本技術開発に使用した映像用電子透かしはMDISで製品化したものであり、動画コンテンツに各種加工を行っても電子透かしの情報を読み出すことができる耐性を備えています。また、電子透かし埋め込みによる画素の変化は人間が通常、認識できないほど軽微です。(製品URLはこちら)

【今後の展望】
 今後は、動画コンテンツ配信事業者向けのサービスとして早期商用化を目指すとともに、更なる高速生成化の実現を目指していきます。


以上


 ※1:DRM(Digital Rights Management)
 デジタルコンテンツの著作権を保護し、利用や複製を制限する技術の総称。ユーザが特定の再生ソフトウェアiTunesWindows Media Playerなど)を使い、暗号化されたコンテンツを復号しながら再生する方式が一般的である。暗号化に使われる鍵(キー)は再生ソフトウェア内に隠されているか、あるいはネットワーク上からダウンロードされることが多い。

 ※2:電子透かし
 画像や動画、音声などのマルチメディアデータに、画質や音質にはほとんど影響を与えずに特定の情報を埋め込む技術。


 *参考資料は、添付の関連資料を参照

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