大日本印刷グループ、機能性素材や医薬原薬などを製造する宇都宮工場を本格稼動開始

DNPファインケミカル宇都宮　７月に宇都宮工場が本格稼動開始
有機合成技術を活かし、電子材料向け機能性素材と医薬原薬を生産



　大日本印刷株式会社（以下：DNP）のグループ会社である株式会社DNPファインケミカル宇都宮（＊）は、機能性素材や医薬原薬などを製造する宇都宮工場（栃木県栃木市）を、７月２５日に竣工させ、本格的な稼動を開始します。

　＊２０１３年２月１日にDNPファインケミカル福島より社名変更しました


【背景】

　DNPファインケミカル宇都宮は、福島県南相馬市に拠点を置き、機能性素材や医薬原薬などの製造・販売を行っていましたが、２０１１年３月に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故により、工場所在地が警戒区域に指定されたため操業停止を余儀なくされていました。同社工場の早期の操業再開に向け検討した結果、DNPが書籍や商業印刷物を製造する宇都宮工場の敷地内に新工場を建設することとし、２０１２年４月に着工しました。２０１３年７月２５日の竣工に先立って、３月に機能性素材の生産設備が稼動を開始し、６月には医薬原薬および中間体の生産設備も稼働を開始しています。７月に高圧反応設備が稼動を開始する予定で、これをもって本格的な操業開始となります。


【新工場の概要】

　新工場では、DNPファインケミカル宇都宮が持つ優れた有機合成技術を活かして、従来主力としていた医薬原薬および中間体を生産するほか、DNPが製造する電子材料などに使用される機能性素材も生産拡大を図ります。

　今回、大型設備の導入に加え、クリーンルームを備えた原薬精製設備を増強しました。生産体制も２４時間操業とすることで、リードタイムの短縮を図るとともに、安定供給の体制を構築しています。また、新製品の速やかな開発と量産への移行のために、５０L〜１，５００Lクラスの反応缶９基を有するテストプラントを併設し、パイロット生産の体制も強化しました。合成棟では、医薬品生産ゾーンと機能性素材生産ゾーンを明確に区分し、それぞれの厳密な管理体制のもとで生産を行います。

■機能性素材生産ゾーン
　環境エネルギーやディスプレイなどの紫外線硬化樹脂やカラーレジストといった電子材料に使用する機能性素材を生産します。DNPおよび、DNPグループの株式会社DNPファインケミカルと連携し、機能性素材の開発体制を強化し、新工場での生産拡大を図っていきます。

■医薬品生産ゾーン
　医薬原薬・中間体を生産します。各国の品質保証規格に適合した信頼性の高い生産体制を構築し、化学合成プロセスを最適化することにより、コスト競争力の向上を図っていきます。

　所在地：栃木県栃木市西方町本城１０６２　宇都宮西中核工業団地
　建築面積：１，９８８m２
　延床面積：８，４１４m２（合成棟：鉄骨造４階建て）
　投資額：４７億円


【今後の取り組み】

　DNPファインケミカル宇都宮は、DNPグループおよび外部の企業へ機能性素材を販売します。また、ジェネリック（後発）医薬品や合成新薬を中心に医薬原薬・中間体を販売するほか、受託合成にも対応し、震災前の状態を早期に回復したうえで、さらなる事業拡大をめざします。


【DNPファインケミカル宇都宮について】

　商号：株式会社DNPファインケミカル宇都宮
　本社：栃木県栃木市西方町本城１０６２　宇都宮西中核工業団地
　設立：２００６年８月４日
　資本金：１億円
　　　　　　　（DNP１００％子会社である株式会社DNPファインケミカルの１００％出資）
　代表者：野坂良樹
　事業内容：電子材料用有機化合物の開発製造
　　　　　　　　医薬原薬・中間体の開発製造
　　　　　　　　写真用感光材料・昇華用染料等の色材用有機化合物の開発製造


　大日本印刷株式会社
　本社：東京都新宿区市谷加賀町１−１−１
　社長：北島義俊
　資本金：１，１４４億円

　株式会社DNPファインケミカル
　本社：神奈川県横浜市緑区青砥町４５０
　社長：野坂良樹
　資本金：２０億円（DNP１００％）


※参考画像は、添付の関連資料を参照