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味の素、川崎工場に新排水処理設備を導入
川崎工場に新排水処理設備導入、
排水中窒素濃度を法規制値の1/15に低減
〜投資額33億円、最新排水処理技術採用〜
味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)は、国内主力生産拠点の川崎工場において、33億円を投じ、最新の排水処理技術で排水中の窒素濃度を大幅に低減することのできる、新排水処理設備を導入しました。
今回導入した新排水処理設備では、最新の排水処理技術、微生物脱窒素法(以下BDN法)を採用しました。これまでの排水処理方法では、窒素の一部を分解することができず、そのまま排出されていましたが、新たなBDN法では、数種の微生物を使って窒素を分解することができます。これにより、排水の汚れを示す生物化学的酸素要求量(BOD)(※1)は10ppm以下、プランクトンなどの大量発生を引き起こす全窒素量(T−N)は5ppm以下に抑制します。これは、法規制値の15分の1を下回る数値です。(下図参照)
新排水処理設備で処理された排水は多摩川に排出されます。また、有機物を分解した後に排出される汚泥は、有機質肥料の原料として有効利用されます。
【新排水処理設備】
※添付の関連資料を参照
川崎工場においては、今回の新排水処理設備導入にあたり、2年半にわたって工場全体で排水量削減の取り組みを行い、水を使わない洗浄法、洗浄頻度や時間の見直しなどにより排水量を約40%削減しました。この取り組みは、新排水処理設備の建設費用削減だけではなく、エネルギー節減や水資源の保護にもつながる活動となりました。
味の素グループでは、世界一のうま味調味料やアミノ酸メーカーとして、21世紀の人類社会の課題である「地球持続性」「食資源の確保」「健康な生活」の解決に貢献するため、地球持続性を考慮した当社の「味の素グループ・ゼロエミッション計画」(※2)の2011−2013年度の目標達成を目指すとともに、今後も事業拠点の地域との共生に努めます。
※1 生物化学的酸素要求量(BOD):水中の微生物が有機物(汚れ)を分解するときに消費した酸素量。BODが高いほど有機物(汚れ)が多い。
※2 味の素グループ・ゼロエミッション計画(2011−2013年度):
(1)水資源の保全:使う水は最小限に、使った水はきれいにして自然に返す
(2)CO2削減:省エネ追求、エネルギー転換、低環境負荷発酵への深化
(3)廃棄物の3R(Reduce,Reuse,Recycle):廃棄物の削減、資源化率の向上
【法規制値と新排水処理設備による排水のBOD量および全窒素値】
※添付の関連資料「参考資料」を参照
<新排水処理設備 概要>
(1)設備名称:川崎工場新排水処理設備
(2)設備面積:3,211m2
(3)処理能力:4,200kl/日
(4)処理法:微生物脱窒素(BDN)法
(5)放流先:多摩川
(6)本稼働:2012年4月
<味の素株式会社 川崎工場 概要>
(1)所在地:神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号
(2)工場長:森 重徳
(3)操業開始:1914年
(4)主な生産品目:「ほんだしR」「Cook DoR」「味の素R」各種業務用調味料、各種アミノ酸等
(5)工場従業員数:約600名
※参考画像は、添付の関連資料を参照