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NEDO、太陽熱発電に関するチュニジア共和国との共同プロジェクトの開始に合意
太陽熱発電に関するチュニジア共和国との共同プロジェクトの開始に合意
―NEDO・チュニジア政府による太陽熱複合発電プロジェクト―
大畠経済産業大臣、村田NEDO理事長は、第2回日本・アラブ経済フォーラム(※1)において、ジュイニ・チュニジア開発・国際協力大臣、シェルビ・チュニジア産業技術大臣と合意した太陽熱発電の共同プロジェクトの開始に関する共同声明を発表しました。
本プロジェクトの開始にあたり、NEDOは、チュニジア開発・国際協力省(MDIC)、産業・技術省(MIT)と、フィージビリティスタディ(FS)の開始に関する協力協定(MOU)を締結しました。
また、本FS事業は、NEDOからの委託を受けて、三井造船株式会社と大成建設株式会社が実施します。
【太陽熱複合発電のイメージ】
※添付の関連資料を参照
1.共同プロジェクトの概要
1.チュニジア国エルボルマ地区に、5MWe規模の集光型太陽熱発電(CSP)と20〜40MWe規模のガスタービンコンバインドサイクル発電(GTCC)の複合発電プラントを建設します。
2.NEDOは、太陽熱発電設備の提供と試運転の実施とともに運営、保守のノウハウを提供し、MDICとMITは、NEDOに協力して設備の運営、管理、保守等を行います。
3.NEDOは、CSPのFS業務を三井造船と大成建設に委託し、MDICとMITは、GTCCのFS業務をチュニジア電力ガス公社再生可能エネルギー局に委託します。
4.MDICとMITは免税等の必要な協力を行うとともに、現地の法と規制に従い、当CSP実証プロジェクトの遂行に必要な許認可等を与えます。
5.今後のプロジェクト遂行スケジュールとしては、CSPのFS事業について2011年上期を目処に取りまとめる予定です。
2.背景と経緯
・本プロジェクトは、チュニジア政府が進める再生可能エネルギー導入計画「チュニジア・ソーラー・プラン(※2)」(TSP)の一環として実施するもので、海外では初めてとなる大規模な太陽熱発電(タワー型ISCC(※3))に関するナショナルプロジェクトです。
・2010年7月23日、松下副大臣は、ジュイニ・チュニジア開発・国際協力大臣とプロジェクトの実施に関する共同声明を発表しました。また、NEDOとMDIC、MITは、2010年7月23日付けで本共同プロジェクトを含む再生可能エネルギーに関する2国間協力の合意書(LOI)を締結しました。
・第2回日本・アラブ経済フォーラムにおいて、村田NEDO理事長とジュイニ・チュニジア開発・国際協力大臣、シェルビ・チュニジア産業・技術大臣との間でMOUが署名されました。また、FSの実施者を三井造船株式会社と大成建設株式会社とすることについて決定しました。
・NEDOは、豊富な日射量を有するチュニジアで実証に取り組むことで日本の優れた太陽熱技術の海外展開を後押しするとともに、世界的なエネルギー問題の解決に貢献することを目指します。
関連リンク
太陽熱発電に関するチュニジアとの共同プロジェクトのFSを開始(プレスリリース)
http://app3.infoc.nedo.go.jp/informations/koubo/press/AT1/nedopress.2010-07-21.8134167167/
第2回日本・アラブ経済フォーラム
http://www.jaef-registration.org/index.html
【用語解説】
※1.日本・アラブ双方の閣僚とビジネスの代表が一体となり、貿易、投資、エネルギー、科学技術、人的資源開発などの幅広い分野で、日本とアラブ諸国との経済関係の強化の具体的方策を議論するため、2009年に日本とアラブ連盟との間で設立されたもの。第2回となる今回はチュニジア国チュニスにおいて12月11〜12日に開催されました。
※2.2010年から2016年までの太陽エネルギーの利用を中心とした全40事業からなる、チュニジアの再生可能エネルギー導入計画です。
※3.タワー型太陽熱・複合ガス発電(ISCC:Integrated Solar Combined Cycle)のことです。