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OKIセミコンダクタ、自動風切り音除去フィルタ内蔵のオーディオCODEC「ML26127」をサンプル出荷

2010-12-14

OKIセミコンダクタが 業界初、自動風切り音除去フィルタ内蔵

オーディオCODEC「ML26127」をサンプル出荷開始

〜マイク録音時に混入する風切り音を自動で抑制する新機能を搭載〜


 ロームグループのOKIセミコンダクタは、このたび業界で初めて自動風切り音除去フィルタを内蔵した16bitモノラルオーディオCODEC LSI 「ML26127」を開発し、サンプル出荷を開始しました。

 自動風切り音除去フィルタとは、マイク録音時に混入する風音を自動的に抑制し、録音音質を向上させる機能で、録音再生機能付きのポータブル機器に最適な商品として開発を行いました。

 また、本LSI では、録音レベルが急変した直後の音を聞き取り易くするファーストリリースALC 機能、各種ノイズ低減回路、小型スピーカでも大音量を出力できるOKIセミコンダクタ独自技術のLoudSound 機能を搭載し、音質向上を図るとともに、2.46mm×2.46mm、厚さ0.4mm のW−CSP (注1)パッケージを採用し、超小型・薄型化を実現しています。本商品は10 月よりサンプル出荷を開始しており、2011 年3 月より月産200 万個の体制で量産を開始する予定です。生産拠点は、前工程はOKIセミコンダクタ宮城(宮城県)、後工程はOKIセミコンダクタ(八王子市)で行う予定です。

 近年、デジタルスチルカメラなどの機器にも高画質の動画撮影機能が搭載されるようになり、動画品質の向上と共に、録音音質向上のニーズも高まっています。

 ポータブル機器においてマイク録音を行う場合、本来録音したい音声と同時に、マイクに風が当たることで発生する風切り音を録音してしまい、音声が聞き取り難くなることがあります。

 従来のオーディオCODEC LSI では、固定された低域周波数帯をフィルタすることで、この風切り音を抑制していました。このようなフィルタを使用した場合、風音のレベルに関わらず、常に一定の低域周波数帯域の音声が抑制されるため、必要な音声までも抑制され良好な音質が得られません。

 そこで、OKIセミコンダクタでは、こうした状況に着目し、自動風切り音除去フィルタを開発しました。この機能より、自動的に風切り音を検出した後、風音のレベルによってフィルタする風切り音の抑制量を適応的に変化させ、必要な音声をより聞き取りやすく録音することを可能としました。さらに、「ML26127」では、これまで培ってきたサウンド・音響処理技術を活用し、ファーストリリースALC 機能、各種ノイズ低減回路、LoudSound 機能などの音質向上機能を搭載しています。また、機器の小型化ニーズへ対応して実装スペース不足を解消するため、本LSI はW−CSP パッケージング技術による超小型・薄型化を実現しています。

 OKIセミコンダクタは今後も小型、薄型パーソナルモバイルアプリケーションに向けて、豊かな音を表現できるオーディオLSI 商品のラインアップを増やしていきます。なお、オーディオLSI の技術および商品に関しては、OKIセミコンダクタのサイトをご覧ください。
 (http://www.okisemi.com/jp/semicon/speech_audio/index.html


<ML26127 の特長>

自動風切り音除去フィルタ搭載
 マイクに風が当たることで発生する風切り音を自動的に検出する機能と、検出した風音を抑制するのに最適な適応型フィルタを搭載しました。自動風切り音除去フィルタにより本来録音すべき音声を聞き取りやすくすることが可能となります。

ファーストリリースALC 機能搭載
 マイク録音を行う際、マイクから出力される信号を一定の音量に保つためにALC(オート・レベル・コントローラ)が使用されます。しかし、急激な音量制御を行うと音の抑揚が失われてしまい、一方で緩やかな音量制御を行うと突発的な音がマイクへ混入した時にその直後の音量が聞き取りにくくなるといった問題があります。この問題を解決するために「ML26127」では突発的なノイズを検出した場合のみ音量制御を速くする改良を行いました。この機能により音の抑揚を保ちつつ、拍手などの突発音が発生した直後の音声も聞き取ることができるようになりました。

LoudSound 機能搭載
 ポータブル機器はデザイン性/小型化を追及するために小さなスピーカが搭載される傾向にあります。OKIセミコンダクタ独自のLoudSound は、小型スピーカの音量を改善するデジタル音響処理技術で、1.5〜2 倍の音量を出力することが可能です。

電源環境によらず安定したオーディオ性能実現
 昨今の録音機器では大容量のFlash メモリにデータを保存するものが多く、そのFlash メモリ書き込み時に大きな電流を消費するため電源電圧が変動し、それが電源を経由してノイズが重畳する問題が発生するようになってきました。ML26127 は電源ノイズ除去比率 PSRR (注2)約90dB の性能があり、苛酷な電源環境でも安定した録音・再生を実現することができます。

5 バンド ノイズ除去用ノッチフィルタ(注3)
 小型機器では内部に搭載しているコンデンサが特定周波数の音を発生するケースが増えています。本機能はコンデンサが発生する特定周波数のノイズを取り除くのに最適なフィルタで、機器に合わせて周波数を任意に設定することができます。

ラインアンプに独自アルゴリズムの高速起動/ポップノイズ軽減回路搭載
 ラインアンプの起動/停止時は、通常DC カップリングコンデンサへの充放電電流がポップノイズとして聞こえます。ML26127 は、相反する高速起動とポップノイズ軽減を独自のアルゴリズムで両立しました。

超小型パッケージ技術採用
 本LSI は、基板の実装面積縮小に有効な超小型パッケージW−CSP ( 2.46mm×2.46mm 厚さ0.4mm)を採用しています。


【OKIセミコンダクタ CODEC LSI の比較表】
 ※ 関連資料参照


【販売計画】
 ○商品名          ML26127HB
 ○サンプル出荷時期   出荷中
 ○サンプル価格      500円(税別)
 ○評価ボード出荷時期  出荷中
 ○量産出荷時期      2011年3月

【商品の概要/特長】
 ○モノラルマイク入力アンプ、モノラルマイク駆動用バイアス回路
 ○LoudSound 機能搭載
 ○ALC / リミッター:ファーストリリース機能搭載
 ○モノラルCODEC
   1. モノラルADC SNR 92dB
   2. モノラルDAC SNR 95dB
 ○同時録音再生可能
 ○CODEC 部電源用オンチップレギュレータ(注4)
 ○外付けコンデンサが不要なコンポジット信号出力用ビデオアンプ
 ○ビデオアンプゲイン: 6dB,9dB,12dB
 ○ビデオアンプ入力インピーダンス:75Ω〜300Ω
 ○マイク入力 :1 モノラル
 ○スピーカーアンプ:モノラル8Ω 420mW (THD (注5) = 10%)
 ○独立ラインアンプ:ポップノイズ低減機能、出力振幅2.5Vpp
 ○豊富な音響機能を選択可能


【用語解説/注釈】

(注1)W−CSP(Wafer Level Chip Size Package):ウェハー状態で一括してパッケージングを行う技術。チップと全く同じ外形寸法にまでLSI パッケージを小型化できる。

(注2)電源電圧変動除去比率PSRR(Power Supply Rejection Ratio):電源電圧の変化に対する出力の影響を示す。大きな値ほど電源電圧の変動に対して、出力が安定していることを示す。

(注3)ノッチフィルタ: 特定周波数のゲインを減衰させることで、特定周波数のノイズを除去することができるフィルタ。録音時に重畳する特定周波数のノイズを除去するために使用する。

(注4)レギュレータ:外部ノイズなどによる電流の乱れを補正し、安定した電流を供給する回路。

(注5)THD(Total Harmonic Distortion 全高調波歪率) : 信号の歪の程度を表す値で、高調波成分全体の基本波成分に対する比をdBで表現したもの。


お問い合わせ
 URL:http://www.okisemi.com/jp/toiawase/index.html

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