ＩＲジャパン、ＰＴＣヒーター向けに最適化された車載用の高信頼性ＩＰＳをサンプル出荷開始

インターナショナル・レクティファイアー
車載用の高信頼性ＩＰＳ（インテリジェント・パワー・スイッチ）をサンプル出荷開始
〜　ＰＴＣ（正温度係数）ヒーター向け、耐圧４０Ｖで低オン抵抗　〜


　パワー・マネジメント（電源管理）技術で世界をリードするインターナショナル・レクティファイアー・ジャパン（ＩＲジャパン）株式会社（本社：東京都新宿区）は２４日、ハイサイド（＊１）構成の車載用ＩＰＳ（インテリジェント・パワー・スイッチ）「ＡＵＩＲ３３２０Ｓ」のサンプル出荷を開始しました。補助のＰＴＣ（正温度係数）ヒーター向けに最適化されています。ＩＰＳは、保護回路と制御回路を備えたパワーＭＯＳＦＥＴで、スイッチに適しています。

　ＡＵＩＲ３３２０Ｓは、オン抵抗（内部抵抗）が非常に低いことが特徴で、接合部温度２５℃のときの最大値は４ｍΩです。より小さなヒートシンク（冷却器）で、より大きな電流を供給できるので、システムの実装面積を縮小できます。この新しい耐圧４０ＶのＩＰＳは、診断用途向けに、マイクロコントローラに追加データを供給するための負荷電流の正確なモニタリングが可能な電流検出機能を備えています。
　ＡＵＩＲ３３２０Ｓは、過電流や過熱の保護機能を備えているので、短絡保護の間でさえ、信頼性の高い動作が可能で、しかもＥＭＩ（電磁干渉）雑音を制限するための滑らかなターンオン／ターンオフ波形を提供します。パッケージは５ピンのＤ２Ｐａｋ、動作電圧範囲は６Ｖ〜２６Ｖ、過電流シャットダウンの設定範囲は１０Ａ〜５５Ａ、過熱時にシャットダウンするしきい値は１６５℃です。

　ＰＴＣヒーターは現在、広く採用され、車内の快適さを向上しています。しかし、大電流が要求され、自動車の内部に配置される用途なので、安全性と信頼性は、厳しい設計要件です。非常に低いオン抵抗、電流検出機能、包括的な保護機能を備えたＡＵＩＲ３３２０Ｓは、このようなＰＴＣヒーターに対して、信頼できる最適化されたソリューションです。

　ＩＲ社の車載品質のＩＰＳは、ゼロ・ディフェクトを目標とするＩＲ社の車載品質イニシアチブの対象製品として、完全自動化されたウエハー・レベルの目視検査に加え、動特性や静特性の試験を行っています。今回の製品は、車載部品の品質規格ＡＥＣ−Ｑ１００に準拠しています。部材は鉛フリーで欧州の規制ＲｏＨＳ（特定物質の使用規制）に準拠しています。品質基準はＩＲ社のホームページ（http://www.irf.com）から入手できます。
　ＡＵＩＲ３３２０Ｓ　の１０万個購入時の単価は、１．２２米ドルからの予定です（米国での参考価格）。データシートと画像データはＩＲジャパンのホームページ（http://www.irf-japan.com）から入手できます。


　※製品画像は添付の関連資料を参照


＜用語説明＞
＊１）ハイサイド：大電力スイッチング回路の出力に同極性のパワーＭＯＳＦＥＴ（通常はｎチャネル）を直列に接続して（トーテムポール出力）、ハーフブリッジ回路を構成した場合、上側のＭＯＳＦＥＴをハイサイドＭＯＳＦＥＴ（電流を供給する役割）、下側のＭＯＳＦＥＴをローサイドＭＯＳＦＥＴ（電流を吸い込む役割）と呼びます。


＜インターナショナル・レクティファイアー（ＩＲ（Ｒ））社について＞
　ＩＲ社はパワー・マネジメント（電源管理）技術のリーダーです。ＩＲ社のアナログＩＣ、アナログ／デジタル混在ＩＣ、最先端デバイス、電源のシステムや部品は、コンピュータの性能向上や、世界で最も電力消費の大きいモーターの省エネに貢献しています。コンピュータ、省エネ家電、照明器具、自動車、衛星・航空・防衛システムなどの主な製造企業は、次期製品の性能向上のためにＩＲ社のパワー・マネジメント・ソリューションに頼っています。本社は米国カリフォルニア州エルセグンド。ホームページはhttp://www.irf.comです。


＜特許および商標に関する注意＞
　ＩＲ（Ｒ）はＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ　Ｒｅｃｔｉｆｉｅｒ　Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎの登録商標です。当資料に記載されるその他の製品名の商標はそれぞれの所有者に帰属します。