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大日本印刷、顧客対応力や競争力強化で情報ソリューション事業部を新設
顧客対応強化に向けてトータルソリューション創出の組織再編
既存3事業部を情報ソリューション事業部として統合
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、情報コミュニケーション部門のさらなる顧客対応力や競争力の強化に向け、10月1日に情報コミュニケーション事業部、IPS事業部、CBS事業部を統合し、情報ソリューション事業部を新設します。
【背景と目的】
社会や生活者の価値観の変化、情報ネットワークの進展やビジネスのグローバル化など、企業を取り巻く環境が変化する中、印刷やネットワークなどに関わる情報コミュニケーションビジネスにおける事業環境も大きく変化しており、提供する製品やサービスも多様化しています。こうした中、ITサービ会社やソフト開発会社などと競合も厳しさを増してきており、この競争を勝ち抜くためには、顧客の課題を総合的に捉え、DNPの強みを活かしたソリューションを提供することが重要となっています。今回、各事業部門が長年培ってきた専門性を更に深化させるとともに、それらの専門性を広く連携することで、今まで以上に顧客の課題に対するソリューションを提供できる体制を構築するために、3事業部を統合することとしました。
【既存3事業の事業内容】
情報コミュニケーション事業部は、メーカーや流通などを中心に、企業のセールスプロモーション活動をより効果的にする製品やサービスを提供しています。チラシやカタログの印刷だけでなく、その印刷用のデータを活用し、パソコンや携帯電話、スマートフォン向けのウェブサイト、デジタルサイネージ(電子看板)などに情報を配信する「クロスメディアコミュニケーション事業」を推進しています。
IPS事業部は、金融機関などを中心に、ICカードや利用明細をバリアブルに印刷するIPS(Information Processing Services)など、企業の重要情報や生活者の個人情報を扱う製品やサービスを業界最高水準のセキュリティ基盤を構築し提供しています。また、利用明細やカード発行に関わるデータ処理、パーソナルなデータプリント、封入・封緘から発送作業など、関連する業務全体を請け負うBPOサービスを提供しています。
CBS事業部は、カード発行機などのシステム機器、ホログラム、ICタグ、デジタルペンなどを中心にセキュリティや業務効率を支援する製品、サービスを提供しています。
【情報ソリューション事業部の戦略】
社会変化のスピードと生活者の価値観の多様化に対応して、企業活動にはより高度で正確な情報が必要とされています。ビジネスプロセスやコミュニケーション活動にとどまらず、社会と生活者、生活者同士のコミュニケーションなど、幅広い情報との接し方がバリューチェーンの形成に深く関わっています。DNPは顧客企業のパートナーとして、情報に関するあらゆる課題に最適なソリューションをグローバルに展開し、顧客価値の最大化を実現します。
1.独自性の高い情報ソリューションを創出
新事業部では、従来からの顧客基盤を相互に活用し、相互の製品・サービスを組み合わせて独自性の高い、より効果的なソリューションを提供します。各事業部の専門領域において培ってきた技術力や開発力、ノウハウを融合させることで、より顧客のニーズに対した新しいソリューション開発を行います。
2.パーソナル・マーケティングを強化
ウェブサイトや店頭など、多種多様なコミュニケーションチャネルを通して行われる企業と生活者とのコミュニケーションを活性化させます。特に、今後拡大が予測される生活者ひとり一人とのダイレクトな情報のやりとりに対して、各事業部の有するノウハウの相乗効果によって情報メディアの最適化を図ります。販促メディアとデータプリントサービスの融合など、顧客のパーソナルなビジネス展開を支援するための製品・サービスの開発を推進します。
3.BPOサービスを強化
顧客企業の間でニーズの高まるBPO(Business Process Outsourcing)への対応を強化します。業務プロセスを代行して効率性を高めることで、顧客メリットを創出します。当社では従来から、金融関係の事務センター業務、カスタマーセンターやキャンペーン事務局の運営等を中心に事業を展開してきましたが、事業部統合により、それぞれの強みを活かして顧客層の拡大と提供サービスの拡充を図ります。
4.組織体制について
現在、関東と関西を中心に展開する営業拠点及び生産拠点については、当面、現体制を維持しますが、新たなソリューションを創出する各企画開発部門については、全体を統括する責任者をおき、連携を推進する体制とします。また、新事業部全体のビジョンや成長戦略、M&Aを立案する組織として、事業企画部門を統合し、シナジーの創出を進めていきます。なお、間接部門については、重複する人員を再配置して合理化を図っていきます。
【情報ソリューション事業部の概要】
所在地:東京都新宿区榎町7
大阪府大阪市西区南堀江1−17−28 なんばSSビル
従業員数:約6,500名
製造拠点:10拠点
榎町(東京)、赤羽(東京)、王子(東京)、神谷(東京)、小豆沢(東京)、高島平(東京)、蕨(埼玉)、牛久(茨城)、奈良(奈良)、小野(兵庫)
【今後について】
DNPは、顧客のワークフロー全体の課題解決につながるソリューションの開発を進めるとともに、先般、業務提携を締結した日本ユニシス株式会社と連携して、クラウド環境でのITサービスを活用し、企業の基幹システムと連動したソリューションの開発・提供を目指していきます。