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ノバルティス、呼吸器感染治療薬「トービイ吸入液300mg」製造販売承認を取得

2012-10-03

嚢胞性線維症における緑膿菌による呼吸器感染治療薬
「トービイ(R)吸入液300mg」製造販売承認を取得



 ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:三谷 宏幸)は、本日、嚢胞性線維症における緑膿菌による呼吸器感染に伴う症状改善を適応として「トービイ(R)吸入液300mg」(一般名:トブラマイシン、以下「トービイ」)の製造販売承認を取得しました。

 「トービイ」は、アミノグリコシド抗生物質であるトブラマイシンの吸入用製剤です。
 ネブライザーとコンプレッサーを用いて1日2回28日間噴霧吸入し、その後28日間の休薬を1サイクルとして投与を繰り返します。本剤は、吸入によって効率的にトブラマイシンを肺に到達させることで、緑膿菌の感染増悪を抑制し、呼吸機能の低下を防ぐ薬剤です。これまでの静脈注射による投与と異なり、自宅療法が可能です。なお、トブラマイシンの吸入療法は、WHOや欧米のガイドラインなどで、嚢胞性線維症の緑膿菌感染症に対する標準的な治療法として位置づけられています。

 嚢胞性線維症(cystic fibrosis:CF)は、欧米では重篤な疾患として知られていますが、日本では極めて稀な疾患で、最新の疫学調査(2009年時点)での国内推定患者数は15名と推定されています。嚢胞性線維症は、生体内のCFTR(クロールイオンチャネル)の遺伝子変異が原因で膵や気道の分泌腺が機能不全をきたし、消化器障害や呼吸器症状を引き起こす難治性の遺伝性疾患ですが、根本的な治療法は確立しておらず、対症的治療が行われているのが現状です。嚢胞性線維症は、細菌による持続的な呼吸器感染症から引き起こされる呼吸器症状の憎悪のコントロールが難しく、患者さんの生命予後にも影響を及ぼすことから、その代表的起炎菌である緑膿菌の感染治療が特に重要となります。
本剤は、2010年「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(*)での評価に基づき厚生労働省より開発要請を受け、欧米での臨床データ〔1,2〕および日本人での臨床使用経験に関する情報を用いて2011年8月に申請を行っています。

 みよし市民病院(愛知県)院長の成瀬 達先生は、次のように述べています。「嚢胞性線維症はわが国では非常に稀な病気ですが、子供の頃より呼吸器感染症を繰り返すため呼吸不全となります。今回、欧米の診療ガイドラインで推奨されているトブラマイシンの吸入療法が承認されたことで、患者さんの呼吸機能と生命予後の改善が期待できるようになりました。患者さんやそのご家族にとっては大変な朗報です」

 「トービイ」は、1997年に米国でTOBI(R)の製品名で初めて承認されて以来、現在では欧州連合(EU)を含む世界40カ国以上で承認を取得しています(2012年9月現在)。

 *医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議:欧米では使用が認められているが、国内では承認されていない医薬品や適応について、医療上の必要性を評価するとともに、公知申請への該当性や、承認申請のために追加で実施が必要な試験の妥当性を確認すること等により、製薬企業による「未承認薬・適応外薬」の開発促進に資することを目的として設置された会議です。



※以下、「参考資料」などリリースの詳細は添付の関連資料を参照


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