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京大、100kW風車を搭載した浮体式洋上風力発電施設の洋上設置に成功

2012-06-16

100kW風車を搭載した浮体式洋上風力発電施設の洋上設置に成功
−系統連系を行う浮体式洋上風力発電施設としては国内初



 このたび、京都大学を含む環境省浮体式洋上風力発電実証事業委託業務の受託者グループは、系統連系を行う浮体式洋上風力発電施設としては国内初となる100kW風車を搭載した浮体式洋上風力発電施設の長崎県五島市椛島周辺海域での洋上設置を6月9〜11日に実施し、これに成功しました。本成果は、本学が戸田建設株式会社、日本ヒューム株式会社、佐世保重工業株式会社とともに2009年9月に実施したハイブリッドスパー型10分の1モデルによる浮体式洋上風力発電プラットフォーム実海域実験の成功に引き続くもので、本学が代表となって受託した平成22年度環境省浮体式洋上風力発電実証事業における成果を踏まえて実施されたものです。


<目的>
 国内の中長期的な温室効果ガスの排出削減を進めるため、太陽光発電風力発電などの再生可能エネルギー導入の推進がますます重要となっています。我が国は、排他的経済水域の面積が世界第6位の海洋国であり、洋上には風力発電の大きな導入ポテンシャルを有することが明らかになっています。また、洋上は風速が強く、その変動が少ないため、安定かつ効率的な発電が見込まれ、その実用化が期待されています。

 洋上風力発電のうち、水深が浅い海域には着床式が適していますが、導入ポテンシャルのより大きな比較的深い水深の海域に対応するためには浮体式を採用する必要があります。しかしながら、浮体式洋上風力発電は世界的にも実証段階であり、国内での導入事例もありません。

 このため、環境省では、我が国初となる2MW級の浮体式洋上風力発電実証機1基を実海域に設置することを目指して2010年度から実証事業を開始しており、受託者グループは、これまでに候補海域の選定(長崎県五島市椛島周辺)、環境影響調査や風力発電施設の設計・建造・設置に係る検討を実施してきました。

 今回の100kW風車を搭載する小規模試験機設置の目的は、環境影響や安全性に関する情報を収集して周辺地域関係者の安心感の醸成に努めるとともに、風や波による浮体の揺れが設計どおりになっているか、揺れる浮体に搭載された風車によっても計画どおりに発電できるか、等を検証した上で、2013年度に設置を予定している2MW級の浮体式洋上風力発電実証機の建造や風車制御にその成果を反映することにあります。

 なお、実証海域として選定した五島市椛島周辺海域は、気象・海象観測を通じて年平均風速約7.5m/s(海上60m)が見込める一方、有義波高1m以下の出現頻度が年間約89%と穏やかであることを確認しており、洋上風力発電に好適な自然環境条件を有しています。


※以下、「特徴および形状寸法」などは添付の関連資料「リリース詳細」を参照

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