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富士経済、スキンケア9品目とフレグランス5品目の国内化粧品市場調査結果を発表
スキンケア9品目、フレグランス5品目の国内化粧品市場を調査
−2012年見込−
◆全顔用シートパック【スキンケア】 327億円(前年比5.8%増)
〜価格帯別の使い分けが進み、香り訴求・自然派訴求などバリエーションも広がる〜
◆オードトワレ【フレグランス】 125億円(前年比5.9%増)
〜ライフスタイル提案型ブランドが牽引、使いやすさから初心者の需要獲得〜
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、2012年2月から6分野38品目の化粧品の国内市場について、3回に分けて調査を行う。その第1回目の調査結果を報告書「新・化粧品マーケティング要覧2012 No.1」にまとめた。
この報告書ではスキンケア9品目、フレグランス5品目の国内市場動向を調査分析した。なお、第2回目ではヘアケア・ヘアメイクとメンズコスメティックス、第3回目ではメイクアップとボディケアの市場調査結果を発表していく。
<調査結果の概要> *表形式は添付の関連資料を参照
1.スキンケア市場
2011年 2012年見込 前年比
9,992億円 1兆8億円 100.2%
スキンケアは、洗顔料、クレンジング、化粧水、乳液、モイスチャー、美容液、パック、スポットケア、マッサージの9品目を対象としている。
2011年のスキンケア市場は前年比0.8%減の9,992億円と6年ぶりに1兆円を割り込んだ。2011年にプラスとなったのは9品目中、モイスチャー、パック、スポットケアの3品目で、2012年はそれらに加え化粧水、乳液、美容液の市場も拡大し、全体市場も前年比0.2%増の1兆8億円が見込まれる。
経済環境の悪化が顕著となった2008年以降は需要が低価格帯品へ移行しており、2011年もセルフブランド市場において価格が1,000円未満の商品の投入が相次いだ。また、オールインワンタイプ(モイスチャーに分類)の商品増加により使用アイテム数の減少とケアの簡略化が進んでいる。一方で、東日本大震災後には東日本を中心として外出自粛が顕著となり、空いた時間を利用し自宅で時間をかけてスキンケアを行う美容液やシートパックなどのスペシャルケアに対する需要が高まった。スペシャルケアは需要開拓余地も大きいと見られ、今後スキンケア市場の活性化への寄与が期待される。
◇モイスチャー
2011年 2012年見込 前年比
モイスチャー 1,496億円 1,535億円 102.6%
オールインワン 366億円 403億円 110.1%
※オールインワンはモイスチャーの内数。
モイスチャーは、アンチエイジング需要に対応した高機能クリームが市場を牽引してきた。しかし、2008年以降は経済環境の悪化により、化粧品、乳液、美容液、クリームなどの機能を併せ持ち、洗顔後のケアを一つで完了できるオールインワンタイプの商品が、ケアの簡略化とスキンケア商品の購入価格を抑えたい消費者のニーズを捉えており、実績を伸ばしている。
オールインワンタイプは、ドクターシーラボ「ドクターシーラボ アクアコラーゲンゲル」や新日本製薬「ラフィネ」などの通販ブランドが好調に推移している。また、カネボウコスミリオンやpdcよりセルフブランド商品の投入が積極的に行われ、ドラッグストアや量販店への展開も進んでいる。
2011年の市場はモイスチャー全体でも前年比5.7%増の1,496億円、オールインワンタイプでは前年比26.6%増の366億円となった。しかし、セルフブランド商品が増加することで、オールインワンタイプ内でも通販ブランドからセルフブランドの低価格品へのシフトが懸念される。2012年もモイスチャー全体、オールインワンタイプ共に市場は拡大するものの伸びは鈍化すると見られ、モイスチャー全体で前年比2.6%増の1,535億円、オールインワンタイプでは前年比10.1%増の403億円が見込まれる。
◇パック
2011年 2012年見込 前年比
パック 554億円 565億円 102.0%
シートパック(全顔用) 309億円 327億円 105.8%
※シートパックはパックの内数。
パックは、全顔用のシートパックが市場を牽引している。2000年代半ばには、シートパックのセルフブランド商品の台頭により単価の低下が進み市場は縮小したが、価格低下によってシートパックの使用頻度が増加し、2010年より拡大に転じた。
更に、デイリーケアの低価格帯セルフブランドとスペシャルケアの高価格帯カウンセリングブランドなど、シートパックの使い分けが進んでおり、2011年の市場はパック全体でも前年比6.1%増の554億円、全顔用のシートパックでは前年比15.3%増の309億円となった。
シートパックの高価格帯ブランドでは、「アンフィネス」(アルビオン)や「ノエビア リフトクイーン3Dマスク」(ノエビア)などの、フェイスラインを包み込み引き上げるシート形状を採用しリフトアップ効果の高さを訴求する商品が登場している。一方、低価格帯ブランドでは、「ピュアスマイル」(サンスマイル)や韓国系ブランドなどが人気となった他、香りによるリラックス効果を訴求した商品や、自然派を訴求した商品などが登場しており、バリエーションが広がっている。
◇美容液
2011年 2012年見込 前年比
美容液 1,925億円 1,935億円 100.5%
ブースター 160億円 167億円 104.4%
※ブースター(導入美容液)は美容液の内数。
美容液は高価格帯のアイテムが多いが、価格よりも効果を重視する消費者が多い。効果別には美白や抗老化などの比率が高いが2009年の「ランコム ジェニフィック」(日本ロレアル)発売以降、スキンケアアイテムの浸透を助けるブースター商品(導入美容液)の投入が行われ、市場が拡大している。2011年のブースター市場は10.3%増の160億円となり、2012年も引き続き好調に推移し、4.4%増の167億円が見込まれる。
2.フレグランス市場(並行輸入品除く)
2011年 2012年見込 前年比
フレグランス 340億円 340億円 100.0%
オードトワレ 118億円 125億円 105.9%
※オードトワレはフレグランスの内数。
フレグランスは、パルファン、オードパルファン、オードトワレ、ライトフレグランス、メンズフレグランスの5品目を対象としている。
2000年代のフレグランス市場は制度品メーカーの注力度低下によるアイテム数の削減や、海外ブランドの並行輸入品の増加により、市場低迷が続いていた。香りによる癒しを生活に取り入れることを提案した"ライフスタイル提案型ブランド"の好調な推移が牽引するかたちで、2010年の市場は拡大に転じた。
2011年もライフスタイル提案型ブランドが堅調に推移し需要を下支えしたものの、東日本大震災による消費マインドの低下や新商品投入の抑制などマイナス要因が見られ再び縮小した。2012年も全体としては横ばいが見込まれる。しかし近年、衣料用柔軟剤、ルームスプレー、制汗剤などで香り訴求の強い商品が需要を獲得している中、本格的に香りを楽しみたい消費者がフレグランスを取り入れつつあり、初心者でも使いやすいオードトワレやライトフレグランスを中心として新規需要獲得が進み市場が拡大している。今後は、いかに潜在需要を捉え、トライアルに引き上げ、愛用者へつなげていくかが大きな課題となっている。
<調査対象>
スキンケア9品目
洗顔料、クレンジング、マッサージ、モイスチャー、スポットケア、化粧水、乳液、美容液、パック
フレグランス5品目
パルファン、オードパルファン、オードトワレ、ライトフレグランス、メンズフレグランス
<調査方法>
富士経済専門調査員による対象企業及び関連企業・団体等への直接面接取材
<調査期間>
2012年2月〜3月
以上
資料タイトル :「新・化粧品マーケティング要覧2012 No.1」
体裁 :A4判 266頁
価格 :100,000円(税込105,000円)
調査・編集 :富士経済 東京マーケティング本部 第二事業部
TEL :03−3664−5821 FAX:03−3661−9514
発行所 :株式会社 富士経済
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*「調査報告書 目次」は添付の関連資料を参照