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日本ショッピングセンター協会、2011年のSC年間販売統計調査を発表
SC年間販売統計調査報告 2011年
既存SC前年比:−1.3%
SC総売上高(推計)27兆4398億円(前年比0.1%全SCベース)
■売上高の概況■
2011年(暦年)の既存SC年間売上高は前年比−1.3%となり、5年連続でマイナスであったが、下げ幅は0.7ポイント改善した。
2010年後半より持ち直し感が見られたSC商況は、3月の東日本大震災により一変した。震災直後は、営業時間の短縮や休業により売上を大幅に落し、3月の全国売上高は本統計始まって以来の下げ幅(−12.2%)になった。特に駅ビルやファッションビルなど衣料品を扱うテナントの落ち込みが激しく、テナントでは−14.8%と厳しい結果になった。しかしその後、東北地方の被災地では、幹線道路や東北新幹線の全線運転再開(4/29)等によって回復基調がみられ、5月頃から仙台を中心に復興需要により好調に推移した。一方東北電力や東京電力管内にあるSCは、3月は計画停電による営業時間の短縮や休業、7月から9月上旬は電力使用制限令の対応策として、一部のSCにおいて夏のバーゲンを前倒しで実施したことで、同エリアの競合SCでは販促策の効果に明暗が分かれたこと、自粛ムードから飲食店特に夜利用客の減少、観光地にあるSCでは来街客特に外国人旅行客が減少したことなど、震災の影響は大きく、売上減を余儀なくされた。
また、博多や大阪などターミナル駅や駅前の好立地に大規模SCが開業し、SCによっては来館者数の増加に伴い、一部の周辺SCに相乗効果がみられるが、多くは周辺の競合SCや周辺のエリアでは来館客減を招き、厳しさは増している。さらに昨年の家電エコポイント制度終了にともなう駆け込み需要の反動や、シネマにヒット作が恵まれず客足を鈍らせたことなども重なり、既存店では前年実績を上回ることができなかった。
以上のように2011年は、上向きの消費マインドが期待され年初はその兆候が見られたものの、震災の影響が大きく、前年比の下げ幅は改善したが、前年を上回ることができなかった。
なお2011年のSC総売上高(推計)では、東北3県のSCの内、東日本大震災によって休業したSCの売上の減少分(推計)を除いている。
*SC=ショッピングセンター
※本調査は、2009年12月末現在の全SC3,013SCの中から立地別・SC規模別に1,000SCをサンプル抽出し、調査したものをまとめた。
※集計SC 479SC 回収率 47.9%
※2011年のSC総売上高(推計)は、2011年12月末現在の全SC3,090SCをベースに算出した。
●以下の資料は添付の関連資料「表1〜8」を参照
表−1:立地別・構成別 売上高伸長率
表−2:立地別・地域別 売上高伸長率
表−3:都市規模別・地域別
表−4:キーテナント業態別
表−5:立地別・地域別 総売上高
表−6:立地別SC・キーテナント・テナント効率
表−7:既存SC移動平均(年間)
表−8:SC・百貨店・チェーンストア 売上高前年対比