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エーザイ、AMPA受容体拮抗剤「ペランパネル(E2007)」の新薬承認申請を米国FDAに再提出

2012-01-07

AMPA受容体拮抗剤「ペランパネル(E2007)」の新薬承認申請を米国FDAに再提出

 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、2011年5月に提出したAMPA受容体拮抗剤「ペランパネル(E2007)」のてんかんの部分発作を適応症とした新薬承認申請について、米国食品医薬品局(FDA)から2011年7月に発出された通知に基づき、申請資料の一部データのフォーマットの変更と再解析を実施し、2011年12月22日(米国東部時間)にFDA に再提出しました。

 本申請の正式な受理については、FDAの受領後60日以内に確認されます。

 本剤は、当社が創製した新規化合物であり、本剤が承認されれば、AMPA受容体に対して高選択非競合的に拮抗する世界初の治療剤となります。当社は、てんかん領域を重点疾患領域のひとつに位置づけ、本領域において複数の治療選択肢を提供することで、てんかん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上に取り組んでまいります。

以上

[参考資料として、てんかんてんかんとAMPA 受容体阻害、AMPA 受容体拮抗剤「ペランパネル(E2007)」、エーザイてんかん領域での取り組みについて添付しています]

参考資料

1. てんかんについて
てんかんは、様々な精神機能・身体機能に影響を及ぼす発作が生じる疾患です。ある患者様に2つ以上の非誘発性発作が生じると、てんかんとされています。発作は、一時的に過剰な電気的興奮が起こることによって、生じるものです。てんかん発作には、けいれんや意識消失、そして発作として認識されにくいblank stare(ぼうっと一点を見つめる)、唇鳴らし、手足の痙動など、様々な症状が伴います。
また、てんかんは年齢を問わずに発症し、一生のある時期に0.5%〜2%の人がてんかんを発症すると言われています。てんかんの患者様数は、日本が100万人、欧州が240万人、米国が300万人、世界中で5000万人超と報告されています。

2. てんかんとAMPA受容体阻害について
てんかんの発症機序には、興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸による神経の過剰興奮が関与していることが示唆されています。この興奮に伴う神経細胞内へのカルシウムイオンの過剰な流入により、種々の酵素が異常に活性化され細胞機能が破綻すると考えられています。したがって、グルタミン酸受容体を遮断することは、てんかんによる神経機能障害に対する有力な治療方法と考えられます。
グルタミン酸受容体は、α −amino−3−hydroxy−5−methyl−4−isoxazole propionate ( AMPA ) 受容体、N−methyl− D−aspartate (NMDA)受容体およびカイニン酸(kainate)受容体の3つのサブタイプに分類されます。そのうち、AMPA受容体は、主に興奮性神経に存在する受容体であり、興奮性神経伝達物質であるグルタミンに刺激されるシグナルを脳内に伝達し、てんかん神経変性疾患、運動障害、疼痛等、過剰な興奮性神経
活動を特徴とする中枢神経系疾患に役割を果すと考えられています。現在、てんかん治療薬において、AMPA受容体を選択的に阻害する新しいメカニズムの治療薬は承認されていません。

3. AMPA受容体拮抗剤「ペランパネル(E2007)」について
「ペランパネル」は、当社が創製した新規化合物であり、AMPA 受容体に対して高選択非競合的に拮抗する治療剤です。本剤は、部分てんかんを対象としたフェーズII・フェーズIII試験において、幅広い発作抑制効果が示されています。本剤が承認されれば、このクラスの世界初の治療薬となります。

4. エーザイてんかん領域での取り組み
エーザイは、てんかん領域を重点疾患領域と位置づけ、既に成人部分てんかん併用療法として「Zonegran(R)」(創製・ライセンス元:大日本住友製薬、Na/Ca チャネル阻害等に基づく抗てんかん剤:欧州、米国、アジア)、「Zebinix(R)」(同:BIAL−Portela&Ca 社、電位依存性Na チャネル阻害に基づく抗てんかん剤:欧州)を、また小児の早期から発症する重篤なてんかんであるレノックス・ガストー症候群の併用療法として「Inovelon(R)/BANZEL(R)」(同:Novartis 社、Na チャネル阻害作用に基づく新規トリアゾール骨格の抗てんかん剤:欧州、アジ
ア/北米)を販売しています。また、AMPA 受容体拮抗剤「ペランパネル」について、新規作用機序を有する成人部分てんかんの治療剤として欧州で新薬承認申請が審査中であり、本適応において日本ではフェーズIIの段階にあります。本剤は、さらなる適応の拡大をめざし、全般てんかんについて国際共同治験としてフェーズIIIを実施しており、部分てんかん単剤療法、レノックス・ガストー症候群などの臨床試験が計画されています。
当社は、てんかん領域に豊富な製品ラインナップに基づいた複数の治療選択肢を提供することで、てんかん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上に、引き続き取り組んでまいります。

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