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JFEスチール、鉄鋼スラグ活用の地中空洞修復工法を開発

2011-12-03

鉄鋼スラグを活用した地中空洞修復工法を開発

〜鋼材・鉄鋼スラグを活用した震災復興対策技術の開発・提案を加速〜


 当社はこのたび、鉄鋼スラグを活用した地中空洞修復工法を開発しました。既存の床版の沈下や基礎の損傷などの影響を最小限に抑えることができ、災害復旧に貢献します。

 東日本大震災の際の液状化現象によって、建物の基礎床と地面の間に空洞部が生じる事例が多数発生しています。空洞部は、床版や杭などの基礎に陥没や亀裂などの悪影響を及ぼすことから、空洞部を何らかの形で埋める必要があります。この空洞修復工法(図1参照)に用いるために今回開発した、鉄鋼スラグを原材料とする『スマートグラウト』は、気泡を混ぜることで流動性を高め、空洞部の充填性を向上させたことに特徴があります。当社東日本製鉄所(京浜地区)内での施工試験の結果、一般的に空洞部に湧出している水中でもスラグと水が分離せずに良好に充填できることを確認し、既に製鉄所内の圧密(*1)により沈下した複数箇所に適用しています。

 東日本大震災発生を受けて、当社はこのほかにも鋼材・鉄鋼スラグを活用した震災復興対策技術の開発・提案を加速しています。

 ・災害復旧・復興対策として、鉄鋼スラグを用いた人工石材であるフロンティアロックR、フロンティアストーンRを利用した護岸整備(図2参照)、防潮堤への適用を提案。 

 ・液状化対策として、鉄鋼スラグを用いた地盤改良工法としてスラグコンパクションパイル工法(SCP工法、図3参照)を開発中。今後製鉄所内での試験施工を予定し、震災液状化対策への適用を提案予定。 

 ・津波堆積土対策として、鉄鋼スラグとの混合により堆積土を改質させて埋め戻し土に再利用するカルシア改質土を開発中。 

 ・復興に向けた社会インフラ構造として、既に多数の実績がある建築向け耐震構造用制震ダンパーや山岳道路の災害復旧工法であるメタルロード工法(図4参照)に加え、鋼管杭、鋼矢板を活用した津波対策構造(図5参照)、津波避難施設などをJFEグループとして提案中。


 これらの震災復興対策技術に関して、『鋼構造材料ソリューションセンター(THiNK SMART)』(*2)川崎Th!nk地区(川崎市川崎区)の展示を追加充実し、お客様との議論を深めて実用化を推進してまいります。

 当社は今後も、鋼材、鉄鋼スラグ活用の実用化試験や新構造・工法等、お客様との共同研究や大学・法人研究機関の方々との会話を通じ、『災害に負けない国土づくり、地域づくり』を実現するための新商品、加工技術開発のスピードアップを図り、安心、安全な社会の形成に貢献してまいります。

 (*1)圧密: 経年により、土中の空気や水が周囲に放出される現象。 
 (*2)『THiNK SMART』: Techno Hub INnovation Kawasaki Steel Materials for Application Research & Technologyの略。当社東日本製鉄所(京浜地区)に隣接する川崎Th!nk地区を研究開発拠点とし、横浜市鶴見区、千葉市稲毛区にも試験設備を有するオープンラボで、3拠点の施設は以下の通り。 

 ・川崎Th!nk地区: 材料加工ソリューション、鋼構造ソリューション、メンテナンス・ソリューション、薄板建材ソリューション(JFE鋼板と共同)の各関連研究施設 
 ・鶴見地区(横浜市): 腐食評価試験設備 
 ・長沼地区(千葉市): 大型鋼構造関連試験設備 


※ 参考資料は、関連資料参照

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