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三菱電機、部品供給向けにバラ積み部品を整列するロボットシステムを開発

2011-10-13

部品供給の高速・省人化でコスト削減

バラ積み部品を整列するロボットシステムを開発


 三菱電機株式会社は、部品箱に乱雑にバラ積みされた部品を取り出し、部品パレット上に整列するロボットシステムを開発しました。従来の人手やパーツフィーダー(専用部品供給装置)による部品供給作業に替わる新しい自動部品供給方法を実現します。電気電子製品の自動化組立ラインに適用することにより、省人化およびコスト削減に寄与します。

 ロボットシステム(構築の一例)
 対象部品の例
  ※ 関連資料参照


開発の特長 

1.部品を取り出してから姿勢を認識することで、整列処理を単純化・高速化
 ・バラ積みされた部品の、つまめる部分のみを認識し、一旦、平面上に取り出し
 ・部品をひとつだけ平面上に置くことで、部品形状と姿勢を高速認識
 ・複数ロボット(2〜4台)による持ち替えで部品姿勢を調整し、部品パレット上に整列

2.取り出しに特化した3次元センシング技術
 ・乱雑に積み重なっている部品をひとつずつ取り出すことだけに特化した画像認識手法を開発
 ・ロボットハンドが入る隙間を確認し、最速約3秒周期での取り出しが可能


開発システムの効用 

 1.積み重なった状態で個々の部品を認識する場合に比べ、扱うことができる部品が増え、整列時間も半減

 2.平面に取り出してから姿勢を認識するため、部品ごとの3次元形状の登録が不要

 3.1つのシステムで複数種類の部品を同時に扱うことが可能なため、部品数によらずシステムコストが一定


開発の概要 
 ※ 関連資料参照


開発の背景 

 近年、世界の製造現場では、多品種少量生産に適したセル生産方式が注目されていますが、熟練工の退職や少子高齢化による就業人口の減少が進行するため、これまでの人手によるセル生産からロボットによるセル生産へのシフトが見込まれています。当社は、これら状況を踏まえ、小型ロボットによる電気電子製品を組み立てるセル生産システムを開発してきました(※1)。

 一般的な自動化組立システムは、部品供給時までに部品が整列されていることが必要です。

 当社は今回、セル生産システムにおける部品供給工程の自動化範囲の拡大を目指し、さまざまな形状のバラ積み部品を整列し、部品を供給するロボットを開発しました。この部品供給ロボットと組み立てロボットを合わせることで、ロボットによる実用的なセル生産システムを実現することができます。

 (※1):2009/7広報「次世代セル生産を実現するロボット知能化技術を開発」
      2011/3広報「柔軟物も取り扱える産業用ロボットシステム」


特長の詳細 

1.部品を取り出してから姿勢を認識することで、整列処理を単純化・高速化
 これまで、ロボットによるバラ積み部品の整列は、積まれた状態で個々の部品の3次元姿勢を認識し、それに応じて、部品の取り出し方法、整列の方法を決定していました。しかし、部品どうしが重なりあった乱雑な状態で姿勢を認識することは容易ではなく、また、ロボットの動きの制約から、認識できても取り出せない姿勢がありました。そのため、ロボットで扱える部品は単純な形状のものに限られ、残りは専用パレットに人が並べて供給するかパーツフィーダー(専用部品供給装置)を利用する必要がありました。
 今回、部品を一度平面に取り出すことで、姿勢認識と部品把持の問題を単純化でき、人でしか整列できなかった複雑な形状の部品も扱うことができるようになりました。

2.取り出しに特化した3次元センシング技術
 バラ積み部品を立体計測する3次元センサにより、部品の把持位置を高速に認識する手法を開発しました。この方式では、立体計測情報をもとに、ハンドが入る隙間を探して把持位置を決定します。これにより、ロボット動作と合わせても最速3秒で取り出しが可能です。

開発システムの効用 
 平面に取り出してから姿勢を認識するため、人でしか整列できなかった複雑な形状の部品も扱うことができます。また、扱う部品が変わるたびに部品の3次元形状を登録する必要はなく、初期設定も容易です。
 本ロボットシステムでは、1システムで複数種類の部品を扱うことが可能で、部品ごとに必要なパーツフィーダーを使う場合に比べ導入コストを削減できます。当社の試算では、製品の部品数が9個以上の場合、新ロボットシステムは導入コストの面でパーツフィーダーを利用するより有利になります。

その他の特長 

1.ロボットシステムを容易に構築
 天井吊り下げ型・床置き型を問わず、2台から4台の汎用ロボットを使用することで、生産ラインの立ち上げやラインの変更が迅速にでき、また、設置スペース等に応じて、柔軟にロボットシステムを構築することができます。

2.生産機種切り替えにはプログラム変更で対応
 セル生産ラインの生産機種の切り替え時は、部品供給ロボットシステムのロボット制御プログラムの変更により対応できます。従来のパーツフィーダーのように専用冶具を作り直すなどの手間や時間が不要です。

特許 
 国内8件、海外1件 出願済


 ※ 参考資料は、関連資料参照

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