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水産総合研究センター、クロマグロ稚魚が活発に食べる配合飼料を開発
クロマグロ稚魚が活発に食べる配合飼料を開発!
〜天然資源に依存しない養殖技術へ一歩前進〜
・クロマグロ稚魚(全長25〜120mm)を対象とした配合飼料を開発
・抜群の食いつき!飼育の安定化と給餌作業の効率化により稚魚の大量生産を後押し
1.独立行政法人水産総合研究センターは、国立大学法人鹿児島大学、林兼産業株式会社と共同で「マグロ稚魚の嗜好性を向上させる食感」を追求し、全長25〜120mmのクロマグロ稚魚が活発に食べる配合飼料を開発しました。この飼料を与えた稚魚の成長は、生餌を与えたものと同様に良好でした。
2.クロマグロ稚魚は、ブリ、マダイなどの稚魚用の配合飼料を食べないため、飼育には生餌(主にイカナゴ等のシラス)を使用しています。生餌は、鮮度や脂肪分などがロットにより異なり品質が安定しない上に、冷凍保存が必要なため、大量確保には大きな冷凍庫が必要になります。また、クロマグロの飼育では1日4〜7回に分けて餌を与えるため、これに合わせて餌を解凍する労力と時間も膨大です。
3.今回の成果によって、全長が25mm以上のクロマグロを配合飼料のみで育成することが可能となり、飼育のさらなる安定化が期待されます。開発した配合飼料は冷蔵保存が可能であることから、生餌の解凍・給餌にかかる労力と時間が大幅に削減されます。
4.本成果は、9月下旬開催の日本水産学会秋季大会で口頭発表する予定です。今回開発した配合飼料は、平成23年度中に林兼産業株式会社から販売される予定です。
*この成果は、新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業「マグロ類の人工種苗による新規養殖技術の開発」により得られたものです。
(別紙)(※以下の資料は添付の関連資料「別紙資料」を参照)
・用語の説明
・クロマグロの成長段階と与える餌の対応