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日経BPコンサルティング、「首都圏 災害拠点病院Webサイト ユーザビリティ調査2011」の結果を発表

2011-06-30

日経BPコンサルティング調べ
―「首都圏 災害拠点病院Webサイト ユーザビリティ調査2011」―
「障害者への配慮」で低さが目立つ
低視力の人向けに文字コントラストを確保しているサイトはわずか8%


 株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、首都圏にあるすべての災害拠点病院を対象に、病院Webサイトのユーザビリティアクセシビリティを評価した「首都圏(東京・埼玉・千葉・神奈川)災害拠点病院Webサイト ユーザビリティ調査2011」の結果をまとめた。評価ランキングで目を引く点は、神奈川県の市立病院が健闘していること。上位10サイトに、茅ヶ崎市立病院(ランキング1位)、藤沢市民病院(同2位)、大和市立病院(同6位)、横浜市立市民病院(同7位)の4病院が入っていた(参考資料:総合スコア ベスト10)。

 全病院サイトの平均点は60.2点。都県別では神奈川県の平均点が63.8点と高く、一方、埼玉県は55.9点と低かった(参考資料:都県別 平均スコア)。

 今回、評価軸として四つのカテゴリー(※)を設けたが、その一つ「アクセシビリティ」の評価点の低さが目立った(参考資料:カテゴリー別平均スコア)。病院サイトは視覚障害者やマウス操作のできない人がアクセスすることを考え、他のサイト以上にアクセシビリティに配慮する必要がある。ところが、「老視(老眼)や白内障といった低視力(ロービジョン)の人に配慮して文字のコントラストを確保する」「画像を確認できない人向けに代替テキストをつける」「新規ウィンドウは開かない」といったアクセシビリティの基本ができていないサイトが多かった。例えば文字のコントラストを十分に確保しているサイトは8%しかなかった。公共性の高いサイトとして「独立行政法人Webサイト ユーザビリティ調査2010/2011」(全104独法サイトを調査)を例にとると、32%が適切な配慮をしていた。32%という数字も決して高い数字ではないが、今回の数字はさらに低い。災害拠点病院サイトのアクセシビリティ対応はまだこれからといっていい。

 なお、Webページのアクセシビリティに関してはJISが基準を定めている(※※)。今回の調査では、2010年に改正された最新のJIS X 8341−3:2010を参考に審査基準を作成した。

※ トップページ・ユーザビリティ、サイト・ユーザビリティ、メインコンテンツへのアクセス、アクセシビリティの四つ
※※※ Webページのアクセシビリティに関するガイドラインにはW3C(Web技術の標準化団体)が規格化したWCAG 2.0がある。日本ではこのWCAG 2.0と国際協調した規格を作成しJIS X 8341−3:2010とした。以前のJIS(2004年公示)に比べて達成基準を明確に提示しているため診断がしやすくなり、個々のWebサイトがどの程度アクセシビリティに配慮しているか数値で示しやすくなった

 東日本大震災の際は、医療関連情報を知らせるWebページがいくつもアップされ活用されるなど、ネットは、大災害時の情報発信・収集手段として再認識されている。平時においてもネットから医療情報や病院情報を得たいと思う利用者が増えている。病院サイトに対しては、単に交通アクセスや外来診療の受付時間を確認したい人から、医師の専門性や経歴、受けることができる検査や治療方法をチェックして病院選びの参考にしたい人まで、人々の要望は多岐にわたる。病院はそうした人々の期待に応える、使い勝手のよいWebサイトを提供しているだろうか――。今回の調査は、そうした疑問からスタートし、優れた病院サイト構築の指針を提示することを目的に診断したものである。

 対象とした災害拠点病院は、東京都70病院、埼玉県13病院、千葉県19病院、神奈川県33病院。具体的な医療機関名は(参考資料:対象病院)に示した。

(橋本 敏彦=日経BPコンサルティング クロスメディア本部Webコンサルティング部次長)

災害拠点病院:災害医療を行う医療機関を支援する病院のこと。指定を受けるためには、建物が耐震耐火構造であること、応急収容するために転用できる場所があること、近接地にヘリポートが確保できること、などの条件を満たす必要がある。


首都圏(東京・埼玉・千葉・神奈川) 災害拠点病院Webサイト ユーザビリティ調査2011:購入のお問い合わせは、日経BPコンサルティング コンサルティング本部マーケティング部(お問い合わせは、電話:03−6811−8308、もしくはお問い合わせフォーム)


*調査概要
 ユーザビリティに関しては、Forrester Research Inc.(米国)が開発したサイトのユーザビリティ診断ツール「ウエブサイト・スコアカード」をベースに、日経BPコンサルティングが病院サイトに必要な項目を考慮に入れて、審査基準を作成した。アクセシビリティに関しては、2010年に改正されたJIS X 8341−3:2010を参考にした。これら審査基準に従い、調査員が実際に病院サイトを閲覧しながら調査を進めた。審査対象ページは原則としてトップページおよびトップページにリンクのあるページ。調査対象サイトは首都圏(東京・埼玉・千葉・神奈川)にある135の災害拠点病院である。東京都立多摩総合医療センターと東京都立小児総合医療センターは一体として災害拠点病院の指定を受けている施設であるが、Webサイトは個別に運用しているため、それぞれのサイトを診断した。また、千葉県救急医療センターは外来診療を行っていないため、外来を前提にした審査項目は「減点なし」とした。調査実施期間は2011年4月中旬〜5月下旬。


*スコアの算出方法
 審査基準は全部で38項目。審査項目は四つのカテゴリー(診断軸)に分類した。それぞれ「トップページ・ユーザビリティ」「サイト・ユーザビリティ」「メインコンテンツへのアクセス」「アクセシビリティ」――である。各審査項目について、問題がなければ「1」点、問題がある場合には「0」点と採点し、採点後、それぞれのカテゴリーでスコアが10点満点となるようにした。総合スコアは、カテゴリーのスコアに重み付けをして100点満点となるようにした。具体的には、「トップページ・ユーザビリティ」「サイト・ユーザビリティ」はスコアに3を乗じ、「メインコンテンツへのアクセス」「アクセシビリティ」はスコアに2を乗じて、合計点を総合スコアとした。


*カテゴリー(診断軸)について
 ・「トップページ・ユーザビリティ」は、トップページの使い勝手を評価するカテゴリー
 ・「サイト・ユーザビリティ」は、サイト全体が使いやすい構造になっているかどうかを評価するカテゴリー
 ・「メインコンテンツへのアクセス」は、おもに受診する人にとって必要と思われる情報が掲載されているか、トップページから探しやすいかどうかを評価するカテゴリー
 ・「アクセシビリティ」は、マウス操作ができない人や視覚障害者が情報にアクセスしやすいように配慮しているかどうかを評価するカテゴリー


*調査報告書について:首都圏(東京・埼玉・千葉・神奈川) 災害拠点病院Webサイト ユーザビリティ調査2011
 Aパック:総合報告書(A4冊子)+CD−ROM+個別報告書:価格231,000円(税込) 
 Bパック:総合報告書(A4冊子)+CD−ROM:価格126,000円(税込)
 Sパック:Aパック+個別報告会:価格420,000円(税込)
 商品の詳細は、 http://consult.nikkeibp.co.jp/consult/sales/hospital2011/


購入のお問い合わせは、
 日経BPコンサルティング コンサルティング本部マーケティング部(お問い合わせは、電話:03−6811−8308、もしくはお問い合わせフォーム)


 #参考資料は添付の関連資料を参照

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