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STマイクロ、電気ノイズ除去に優れたFingerTipタッチスクリーン技術を発表
STマイクロエレクトロニクス、電気ノイズ除去に優れたFingerTipタッチスクリーン技術を発表
エレクトロニクス分野の多種多様なアプリケーションに半導体を提供する世界的半導体メーカーで、コンスーマ機器および携帯機器向けMEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems)の主要サプライヤ(*1)であるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、静電容量方式タッチスクリーン(対角:最大10インチ)向けに、マルチタッチ機能を搭載した1チップ・ソリューションを実現する新しいFingerTipテクノロジーを発表しました。
STのMEMSセンサおよびFingerTipテクノロジーは、センサ素子を高性能な静電容量検知回路に接続する類似アーキテクチャを共有しています。STは、アナログ&ミックスド・シグナル・インタフェース技術のノウハウを活用し、静電容量の変化をアトファラッド(10の−18乗 F)単位で検出し、システムをノイズから守る画期的なアナログ・フロントエンドICを開発しました。
タッチスクリーン・アプリケーションは、ディスプレイ、システム、タッチ操作、バッテリ充電器等から発生するノイズの影響を受けやすい性質を持っています。
特に低コスト・低品質な充電器は、数十ボルトにも達するノイズの発生源になり、指でスクリーンにタッチした際の正常動作に影響を及ぼすことがあります。そのような場合、電圧レンジが100V(最大振幅)、周波数レンジが1kHz〜1MHzになることもある強い周期性ノイズがタッチスクリーン・コントローラICのアナログ・フロントエンド部に進入すると、タッチ・イベントが起こったと誤認識されることがあります。
新しい静電容量方式FingerTipでは、32bit DSP(Digital Signal Processing:デジタル信号処理)エンジンを用いてセンシングを行います。そのため、精度、フレームレート、消費電力のパフォーマンスを低下させることなく、充電器からのノイズの影響を除去することが可能です。また、ディスプレイから発生するノイズも除去するよう設計されており、「インセル型」および「オンセル型」のディスプレイでも使用することができます。
STのMEMS・センサ・高性能アナログ事業部ジェネラル・マネージャであるBenedetto Vignaは、次の様にコメントしています。「バッテリ充電器からのノイズは、タッチスクリーン特有の問題で、ユーザの操作性を低下させます。
MEMSセンサ用に開発したのアナログ静電容量方式インタフェースIPは、業界でも当社がリーダーシップを確立しており、このIPはデジタル・フィルタ処理前のノイズ除去率の向上に役立っています。この新しいFingerTipテクノロジーは、ハイエンドな携帯アプリケーションが必要とする応答時間の短縮、消費電力の低減およびノイズ除去率の向上を実現します。」
FingerTipテクノロジーを採用したSTの新製品ファミリは、現在主要顧客において評価中です。その利点は、細いペン先での手書き機能、極めて短い応答時間、超低消費電力、ノイズの多い環境下における最も優れたリニアリティと精度を実現する他、スマートフォンやタブレット端末(10インチ)に適した超小型パッケージで提供されます。
(*1) iSuppli社:H2 2010 Consumer and Mobile MEMS Market Tracker(2011年1月)
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに革新的な半導体ソリューションを提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、高度な技術力と設計ノウハウ、そして幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力を駆使することにより、マルチメディア・コンバージェンスとパワー・アプリケーションにおいて他社の追随を許さないリーダーとなることを目指しています。
2010年の売上は103.5億ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人: http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語): http://www.st.com
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