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東工大と名工大と九大、室温で強磁性・強誘電性が共存した物質を実現

2016-12-26

室温で強磁性・強誘電性が共存した物質を実現
―低消費電力・超高密度磁気メモリー開発に道―


【概要】
 東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の北條元・元助教(現九州大学総合理工学研究院准教授)、東正樹教授、名古屋工業大学の壬生攻教授らの研究グループは、セラミックス結晶中に磁石の性質(強磁性:用語1)と電気を蓄える性質(強誘電性:用語2)が室温において共存することを確認した。室温での両性質の共存は、鉄酸ビスマスを用いた次世代磁気メモリー実現のための鍵として注目されていながらも、磁性不純物の影響により、これまで本質的であると実験で確認されたことはなかった。
 同研究グループは、コバルト酸鉄酸ビスマスを薄膜形態で安定化させ、その磁気特性および誘電特性を詳しく調べた。その結果、温度に応じて磁石としての性質が変化し、低温では消失していた磁石の特性が室温では現れることを明らかにした。電気を蓄える性質も備えている。強磁性と強誘電性の相関が確認されたことから、新しい原理に基づく、低消費電力かつ高速アクセス、大容量の次世代磁気メモリー開発につながると期待される。
 同研究グループには東工大の川邊諒・元大学院生、清水啓佑大学院生、山本孟大学院生、インドのボーズ基礎科学研究センターが参画した。
 研究成果はドイツの材料系科学誌「Advanced Materials(アドバンストマテリアルズ)」のオンライン版で12月21日に公開される。

●研究の背景
 スマートフォンの普及やビッグデータなどによる情報処理量の爆発的な増大に伴う、情報機器の消費電力が問題になる中で、低消費電力・高記録密度・不揮発性の次世代メモリーデバイスへの要求が高まっている。こうした観点から注目されるのが、磁性と強誘電性を併せ持つマルチフェロイック物質(用語3)である。磁性と強誘電性の相関が十分に強く、電場によって磁化方向を反転することができれば、不揮発性・高安定性という現在の磁気メモリーの特徴を生かしつつ、低消費電力・高記録密度かつ簡易な素子構造を有した次世代磁気メモリーを実現できると期待される。

 ※研究成果などリリース詳細は添付の関連資料を参照


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