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阪大など、アンモニアと混焼する微粉炭の詳細燃焼挙動を解明

2016-11-03

世界初!アンモニアと混焼する微粉炭の詳細燃焼挙動を明らかに
再生可能エネルギーの利用拡大につながる新たな知見〜


■ポイント
 ・微粉炭とアンモニアの混焼の詳細な燃焼挙動を明らかに。
 ・ハイスピードカメラと長距離顕微鏡により、高い時間・空間分解能を有する撮影を実現。
 ・再生可能エネルギー起源の水素エネルギーの利用技術への応用に期待。

 大阪大学 大学院工学研究科の赤松 史光 教授らの研究グループは、微粉炭(注1)とアンモニア(注2)の混焼(注3)の様子を、高い時間・空間分解能で可視化することに世界で初めて成功しました。水素は、再生可能エネルギー・化石燃料からの製造が可能で、エネルギー供給源の多様化にも寄与します。アンモニアは、水素を効率よく輸送・貯蔵するエネルギーキャリアとして注目されていますが、水素に再変換するのではなく直接燃料として利用することに関連する技術の研究も推進されています。本研究成果により、燃焼工学の分野でこれまでよく分からなかった、人の毛髪の太さ以下の数10μmの大きさの微粉炭の燃焼過程の解明が、大きく進捗しました。本研究成果は、現在の微粉炭を利用した火力発電所や工業炉における燃焼効率の向上・排ガスのクリーン化や、将来再生可能エネルギーで生産された水素から製造したアンモニアを微粉炭と混焼させたときの燃焼現象の解明に活用されます。
 今後、大規模実証試験の知見が得られれば、本研究成果と融合させることで、地球規模の課題であるCO2削減と、エネルギー資源小国の日本の将来を左右する水素社会実現に大きく貢献することが期待されます。
 この成果は、日本燃焼学会第54回燃焼シンポジウム(平成28年11月23日〜25日開催)において、発表されます。

 本研究は、内閣府 総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「エネルギーキャリア」(管理法人:国立研究開発法人 科学技術振興機構【理事長 浜口 道成(◇)】)の委託研究課題「アンモニア直接燃焼」において実施されました。

 ◇理事長名の正式表記は添付の関連資料を参照

<研究の背景>
 本研究テーマでは、微粉炭とアンモニアの混焼を対象としています。微粉炭は、国内では石炭火力発電所のボイラーやセメント製造などの窯業・土石産業の燃料として使用されています。微粉炭を燃料として用いた際の燃焼の様子は、燃焼炉に設けられた観察窓からの直接撮影や、小型モデルを用いた大気開放燃焼実験に対して種々の光学計測技術を適用することにより観察が行われてきましたが、詳細な燃焼挙動は明らかにされていませんでした。これは、微粉炭の詳細な燃焼挙動を観察することに適した場を形成する知見が今まで存在しなかったことによります。本研究室は、微小な燃料の粒から成る噴霧の燃焼場を安定的に形成する技術を有しており、その技術を応用することで、微粉炭の詳細な燃焼挙動を観察することに適した場の形成を成し遂げました。

 ※研究の内容などリリース詳細は添付の関連資料を参照


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再生可能エネルギー シンポジウム 火力発電所 大学院

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