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小野薬品、プロテアソーム阻害剤「カイプロリス点滴静注用10mg・40mg」を発売
プロテアソーム阻害剤「カイプロリス(R)点滴静注用10mg、40mg」
新発売のお知らせ
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下、当社)は、プロテアソーム阻害剤「カイプロリス(R)点滴静注用10mg、40mg」(一般名:カルフィルゾミブ、以下、カイプロリス)を、2016年8月31日に国内において、再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療薬として新発売しましたので、お知らせします。
多発性骨髄腫は骨髄中にある形質細胞の異常により引き起こされる血液がんで、日本国内における総患者数は約18,000人と報告(※)されています。現在、多発性骨髄腫に対する治療法は複数存在しますが、寛解と再発を繰り返し進行する、もしくはどの治療法も有効でなくなる難治性の病状に移行する場合も少なくありません。また、長期的な治療では副作用や合併症が報告されており、治療に難渋する場合があります。これらのことから、多発性骨髄腫に対する新たな治療薬の開発が期待されていました。
カイプロリスは、当社が米国Onyx Pharmaceuticals,Inc.(現 Amgen社の子会社)より2010年9月に導入した、高い選択性を有するプロテアソーム阻害剤です。プロテアソームは細胞内に存在する酵素複合体で、ポリユビキチン化されたタンパクを分解する作用を有しており、細胞の増殖、分化および機能的細胞死を制御しています。カイプロリスはプロテアソームを阻害することにより、骨髄腫細胞の機能的細胞死を誘導します。
海外においては、米国で2012年7月に、多発性骨髄腫の治療薬として単剤療法で迅速承認されて以降、現在、1)単剤療法にて1回以上の治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫、および 2)デキサメタゾン、またはレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用療法にて、1〜3回の治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫を効能・効果として使用されています。また、欧州においては、2015年11月にレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用療法にて多発性骨髄腫の治療薬として承認されて以降、現在はデキサメタゾンとの併用療法、もしくはレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用療法にて、1回以上の治療歴を有する多発性骨髄腫の成人患者の治療薬として使用されています。
当社は、カイプロリスが適正かつ有効に使用されるために、一層の臨床データの蓄積が重要であると考えています。本剤の承認条件に従い、製造販売承認後の使用成績調査(全例調査)を実施し、安全性および有効性に関する臨床データを収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じていきます。
※平成26年人口動態統計・患者調査(厚生労働省大臣官房統計情報部)
■「カイプロリス(R)点滴静注用10mg、カイプロリス(R)点滴静注用40mg」の製品概要
*製品概要は添付の関連資料を参照
■製品写真
*添付の関連資料を参照