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明治、コラーゲンペプチドなどが紫外線に対する肌の抵抗性を高める機能とそのメカニズムを発見
「コラーゲンペプチドおよびミルクセラミド入りヨーグルト」が
紫外線に対する肌の抵抗性を高める機能とそのメカニズムを発見
〜第17回光老化研究会で発表〜
株式会社明治(代表取締役社長:川村 和夫)は、コラーゲンペプチドおよびミルクセラミド入りヨーグルトが紫外線に対する肌の抵抗性を高め、紫外線による肌の赤み、色素沈着を抑えること、およびそのメカニズムを、「医療法人再生未来 再生未来クリニック神戸」との共同研究により見いだしました。この研究成果を2016年8月20日および21日に神戸市で開催された「第17回光老化研究会」にて発表いたしました。
【内容】
■演題名
The role of functional foods on ultraviolet−induced skin damage
(紫外線による皮膚障害に対する機能性食品の働き)
■概要1
コラーゲンペプチドおよびミルクセラミド入りヨーグルトの紫外線による皮膚障害の抑制効果を検証するために次の臨床試験を行いました。
30〜50歳の健康な日本人女性22名を、被験食品摂取群12名、コントロール群10名にランダムに割り付けました。被験食品摂取群は、コラーゲンペプチドおよびミルクセラミド入りヨーグルトを5週間摂取していただき、コントロール群は非摂取としました。また、すべての被験者に対して、摂取開始前、摂取終了1週間前に、背中にソーラーシミュレータを用い6段階の紫外線光量で紫外線を照射し、紫外線への皮膚の抵抗性を示すMED(最小紅斑量)(*1)を測定しました。また、MEDの1.5倍量の紫外線を照射し、紫外線照射前、1日後、7日後の紫外線照射部位と紫外線非照射部位の肌の色調の差を測定しました。
その結果、被験食品摂取群においてMED(最小紅斑量)の有意な上昇が認められ、紫外線への肌の抵抗性が向上したことが示唆されました(図1)。また、紅斑(*2)の指標となる摂取前後のΔa*値は、コントロール群で変化しなかったのに対し、被験食品摂取群で有意に低下し、紅斑が抑制されることが確認されました(図2)。さらに、色素沈着の指標となる摂取前後のΔL*値は、コントロール群で変化しなかったのに対し、被験食品摂取群で有意に上昇し、色素沈着が抑制されることが確認されました(図3)。
紫外線を大量にあびると肌の赤み、色素沈着がおきることが知られていますが、今回の結果は「コラーゲンペプチドおよびミルクセラミド入りヨーグルト」を摂取することで紫外線による肌の抵抗性が高まり、皮膚障害の予防に寄与できる可能性が示されました。
※図1〜3は添付の関連資料を参照
*1 MED(最小紅斑量):紫外線を浴びた24時間後、皮膚に紅斑を生じる最小限の紫外線照射量
*2 紅斑:紫外線により皮膚に生じる赤み
■概要2
コラーゲンペプチドおよびミルクセラミドについて、これまでの研究において紫外線照射による皮膚障害を抑制するメカニズムを報告しました。今回新たにヨーグルトの紫外線に対する皮膚障害抑制のメカニズムを明らかにしました。
ヨーグルト、または水を1週間投与したヘアレスマウスの背部皮膚に紫外線を20mJ/cm2照射し、照射前、照射1日後、照射3日後の紫外線照射部位と紫外線非照射部位の皮膚の色調の差(Δa*値)、紫外線によるDNA損傷の指標であるシクロブタンピリミジンダイマー量(*3)、DNA修復の指標であるXPA(*4)遺伝子発現量を測定しました。
その結果、紅斑の指標となる照射3日後のΔa*値は、水を投与したコントロール群に比べ、ヨーグルト群で有意に低下しました。(図4)また、紫外線照射1日後のシクロブタンピリミジンダイマー量は、コントロール群に比べ、ヨーグルト群で有意に低下しました(図5)。紫外線照射1、3日後のXPA遺伝子発現量は、コントロール群に比べ、ヨーグルト群で有意に増加しました(図6)。
今回新たに「ヨーグルト」を摂取することで紫外線に対する遺伝子損傷の生成、その修復を促進するメカニズムにより紫外線に対する皮膚障害の予防に寄与できる可能性が示されました。
※図4〜6は添付の関連資料を参照
*3 シクロブタンピリミジンダイマー量:紫外線の照射によって生成する主要な遺伝子損傷マーカーのひとつ
*4 XPA:紫外線などにより損傷した遺伝子を除去、遺伝子の修復を助ける働きのあるたんぱく質のひとつ