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ルネサス、産業用ロボットシステムなど短期開発可能なソリューションキットを発売

2016-06-17

高速・高精度なACサーボドライブや産業用ロボットシステムを
短期に開発可能な「RZ/T1 モーションコントロール・ソリューションキット」を発売
〜インバータ制御基板、モータ、制御ソフトを同梱。開発・評価期間を3〜4ヶ月短縮可能〜


 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼 CEO:鶴丸 哲哉、以下ルネサス)は、このたびACサーボドライブやモーションコントローラ、産業用ロボット等の高精度なサーボシステムやコントローラの開発に最適な「RZ/T1 モーションコントロール・ソリューションキット」を、6月末(注1)から順次発売します。
 本ソリューションキットには、高機能・高性能 MPU「RZ/T1」を搭載したインバータ制御基板と、2個のサーボモータの駆動が可能なインバータ基板、評価用のモータや開発用のツール、モータパラメータの調整やモーション・コントロール動作が可能なユーティリティツール、制御用ソフトウェアなど、モーションコントロールシステムを開発するために必要となる環境を、ワンパッケージに同梱しています。これにより、サーボモータを駆動し評価できるようになるまでのハードウェアソフトウェアの開発にかかる工数や費用を軽減することができ、従来に比べ開発期間を3〜4ヵ月短縮することが可能です。

 近年の生産性向上への要求の高まりの中で、生産工場の中で使われる様々な制御機器は、今まで以上の高性能化とネットワーク化への対応が求められています。特にACサーボやモーションコントローラ、産業用ロボットなどのサーボシステムやコントローラには、より高速で高精度な制御を行うため、単に動作周波数が高いだけではなく、高いリアルタイム性を持つソリューションが求められます。また、ネットワーク化においても、従来のフィールドバスや汎用のイーサネットだけではなく、普及しつつある様々な産業用イーサネット・プロトコルへの対応が求められており、その開発はますます複雑になってきております。

 ルネサスは、こうした高性能化やネットワーク化の要求に応えるシステムの開発を加速させるため、「RZ/T1 モーションコントロール・ソリューションキット」を開発しました。このキットを使用することにより、サーボモータをキットの開梱からわずか30分程度で駆動させ、評価をはじめることが可能です。さらに、基板の設計情報や制御用ソフトウェアのソースコードなども同梱しているため、ユーザはシステム開発の際にこれらを参考にすることにより、開発工数・費用を削減し、開発期間を3〜4ヵ月短縮することが可能です。

 「RZ/T1 モーションコントロール・ソリューションキット」の特長は以下のとおりです。


(1)産業用イーサネットやアブソリュートエンコーダに対応した高機能・高性能 MPU「RZ/T1」を搭載
 本ソリューションキットでは、制御基板に当社の高性能 MPU「RZ/T1」を搭載しており、「RZ/T1」の強力な演算性能とリアルタイム応答性を活かし、高速で高精度な制御ループや高速な通信を実現する。
 また、内蔵されたエンコーダインタフェースにより、インクリメンタルエンコーダだけでなく、A−format(TM)やEnDat、BiSS(R)といった各種アブソリュートエンコーダ・プロトコルをサポートし、より高速で高精度な位置制御を可能とする。さらに、「RZ/T1」には、産業イーサネットの通信アクセラレータである「R−IN エンジン(注2))」を搭載しており、EtherCAT(R)やPROFINET、EtherNet/IP(TM)といった様々なプロトコルを高速かつ高精度に処理することができる。「R−IN エンジン」は、メインCPUとは独立に動作可能であり、メインCPUで処理するサーボ制御処理の処理性能を落とすことなく通信処理を行うことが可能である。
 各種アブソリュートエンコーダ用の制御ソフトウェアや産業イーサネット・プロトコル処理用のソフトウェアは、ルネサスおよびパートナ各社より順次提供予定。


(2)モーションコントロールシステム開発に必要なツール一式を同梱するため、すぐに評価を開始可能
 本ソリューションキットでは、「RZ/T1」を搭載した制御基板の他、2個のサーボモータの駆動が可能なインバータ基板、インクリメンタルエンコーダを搭載した評価用モータ、およびこれらを駆動するための制御用ソフトウェア、各種モータパラメータの設定やチューニングを行い簡単にモータの駆動ができるユーティリティツールを同梱する。これにより、キットを購入して、30分程度で、モータを駆動し、評価や開発を始めることが可能である。また、ユーリティツールでは、インクリメンタルエンコーダやアブソリュートエンコーダを使用した台形制御や、S字加減速制御によるモーション制御の動作も評価が可能であるほか、内部パラメータの抽出と波形表示機能も持ち、動作状態の可視化を行うことで、評価、開発、デバッグを効率化することが可能である。


(3)基板の設計情報、制御用ソフトウェアのソースコードも同梱し、開発期間を3〜4ヵ月短縮可能
 本ソリューションキットに同梱される制御基板やインバータ基板では、産業イーサネットやエンコーダ用のインタフェース、RSS422、RS232、CAN、USBといった各種通信インタフェースをサポートしているほか、過電流遮断、母線電圧検出等の安全設計も考慮している。キットには、これら基板の設計情報も同梱しており、ユーザはシステム設計の際のリファレンスとして使用することで、一から設計する必要がなくなり、ユーザの設計、開発期間の短縮に貢献する。また、従来、アブソリュートエンコーダに対応しようとした場合、FPGAを使用する必要があるため、そのFPGAの回路設計も必要だったが、エンコーダインタフェースを内蔵した「RZ/T1」を使用したことにより、こうした開発も不要となる。また、ソフトウェアについても、ユーザのシステム開発支援に向けて、ドライバソフトウェアだけでなく、ACサーボモータのベクトル制御(注3)や位置制御用のソフトウェアも同梱しているため、ソフトウェア開発工数の削減、開発期間の短縮に貢献する。


 ルネサスは、高性能 MPU「RZ/T1」および、この新しいソリューションキットによって、産業機器の高性能化、高精度化に貢献するとともに、今後も工場の生産性の向上に向けたソリューションの提供をしてまいります。


 (注1)販売開始日程は地域により異なります。日本国内での発売は、7月末を予定しております。また、日程は事前の予告なく変更する場合があります。
 (注2)R−IN エンジン:ルネサスが提供する産業ネットワーク通信処理用のアクセラレータです。通信専用のCPUコア、リアルタイムOSの機能の一部をハードウェア化した「HW−RTOS」、ネットワークスタック処理を高速化するイーサネットアクセラレータによって構成されており、様々なプロトコルの産業イーサネット通信処理を高速・高精度に処理することが可能です。
 (注3)ベクトル制御(Field Oriented Control:FOC):ACモータに流す電流をトルク生成電流成分と磁束生成電流に分離し、それぞれを独立に制御する制御方式です。

 ※参考:製品情報ページ
   https://www.renesas.com/ja-jp/products/software-tools/boards-and-kits/evaluation-demo-solution-boards/ydrive-it-rzt1.html


 ◇製品画像は添付の関連資料を参照


以上


 *A−formatは、株式会社ニコンの商標です。
 *BiSSは、iC−Haus GmbHの登録商標です。
 *EtherCATは、ドイツBeckhoff Automation GmbHによりライセンスされた特許取得済み技術であり登録商標です。
 *EtherNet/IPは、ODVAの商標です。
 *本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。



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