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日立、日本語での論理的な対話を可能とする人工知能の基礎技術を開発

2016-06-08

日本語での論理的な対話を可能とする人工知能の基礎技術を開発
ディープラーニングにより言語に依存することなく根拠や理由を表す文を識別


 株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、賛否が分かれる議題に対し、大量の日本語記事を分析して賛成・反対双方の立場から根拠や理由を伴った意見を日本語で提示する人工知能の基礎技術を開発しました。今回、記事の中から議題に対する意見の根拠や理由に該当する文を識別するプロセスにディープラーニング(*1)を用いることにより、これまで言語ごとに個別に作成する必要があった文を識別するための専用プログラムが不要となり、様々な言語の文書データを対象とした汎用システムを構築することが可能となりました。これまで日立では、大量の英語記事を分析して、英語で意見を提示する人工知能の基礎技術を開発してきましたが(*2)、今回開発した技術を用いることにより、国内企業でニーズの高い日本語への対応が可能となります。

 社会情勢が急速に変化し、顧客ニーズも多様化する中、企業は新しいサービスや価値を継続的に生み出すことが求められます。また、近年、インターネットなどの情報通信技術や分析技術の発展に伴い、日々生み出されるビッグデータを解析し、有益な知見を抽出する技術への関心が高まっています。
 これまで日立は、企業の経営判断を支援することをめざし、大量の英語記事を分析して英語で意見を提示する人工知能の基礎技術を開発してきました。従来の技術では、英語特有の文法をプログラミングし、それを元に根拠や理由にあたる文を抽出していました。そのため、日本語を含む他の言語へ展開する際は、それぞれの言語に対応する専用プログラムを作成する必要があり、展開が難しいという課題がありました。

 そこで、ディープラーニングを用いることによって本課題を解決し、言語に依存せずに議題に対して関連性の高い根拠文・理由文を識別することを可能としました。具体的には、数千の記事に対して、根拠や理由を表す文を抽出し、学習させることで、人工知能システムは記事から法則やパターンを自ら導き出し、根拠文・理由文を識別します。また、ニュース記事や調査報告書など文章中のどの語句に注目すべきかを推定しながら学習する、注目箇所推定機能をディープラーニングに追加したことで、議題や価値概念に関連する語句など注目すべき箇所を的確に捉えることができます。本手法を用いることにより、言語に依存せずに議題に対して関連性の高い根拠文・理由文の識別が可能になります。

 今回開発した技術は、意見を提示する人工知能システムを多言語で活用していくための基礎技術となります。今後、更なる研究開発を推進し、グローバルに企業の経営判断を支援する人工知能システムの実現をめざします。

 本成果は、2016年6月6日〜9日に北九州市で開催される人工知能学会全国大会にて発表する予定です。

 *1 ディープラーニング:脳の神経回路のメカニズムを取り入れた機械学習の一種。構造は、入力層、中間層、出力層の3つから成る。ディープラーニングは、中間層を増やすことで、従来と比較して複雑なモデルが表現可能となり、音声認識、画像認識などの分野で高い認識率を実現している。
 *2 2015年7月22日ニュースリリース「論理的な対話を可能とする人工知能の基礎技術を開発」
    http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2015/07/0722.html


以上



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